この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務担当者

請求できる制限は3つ:所定外・時間外・深夜

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求したときは、事業主は、所定労働時間を超える労働(第16条の8)、1か月24時間・1年150時間を超える時間外労働(第17条)、午後10時から午前5時までの深夜の労働(第19条)をさせてはなりません。ただし、いずれも事業の正常な運営を妨げる場合は除かれます。

厚生労働省の規定例によると、育児のための所定外労働の制限は、令和7年4月1日から、対象が3歳未満の子から小学校就学前の子に広がりました。時間外労働と深夜業の制限は、もともと小学校就学前の子が対象です。

時間外労働の制限は、36協定で定めた上限にかかわらず、1か月24時間・1年150時間までに抑える制度です。36協定の限度時間と割増賃金は、時間外労働と割増賃金のガイドで確認できます。

規定例は、有期雇用の労働者も対象になるとしています。請求を拒める労働者の範囲を、規則でこれより広げることはできません。

出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)、e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)(確認日:2026年10月8日)

請求は1か月前まで:期間は残業が1年以内、深夜が6か月以内

請求は、制限を開始する日と終了する日を明らかにして、開始予定日の1か月前までにします。1回の期間は、所定外労働と時間外労働の制限が1か月以上1年以内、深夜業の制限が1か月以上6か月以内です。

所定外労働の制限(第16条の8第2項)と時間外労働の制限(第17条第2項)の期間は、互いに重複しないようにしなければなりません。

開始予定日の前日までに子の死亡など、子を養育しないことになる事由が生じたときは、請求はされなかったものとみなされます(第16条の8第3項、第17条第3項、第19条第3項)。

規定例は、請求書を人事担当者に提出する形を示しています。請求の方法や様式は、会社の規則で確認します。

出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)

請求できない労働者:入社1年未満など、制限ごとに違う

入社1年未満の労働者は、時間外労働の制限(第17条第1項)と深夜業の制限(第19条第1項)を請求できません。所定外労働の制限(第16条の8第1項)は、労使協定で除外を定めたときに限り、その労働者の請求を拒めます。そのほかの除外は、制限ごとに規定例の内容が違います。

所定外労働の制限は、労使協定で除外を定めた労働者の請求を拒めます。規定例が挙げる除外は、入社1年未満の従業員と、1週間の所定労働日数が2日以下の従業員です。

時間外労働の制限と深夜業の制限では、規定例は、日雇従業員、入社1年未満の従業員、1週間の所定労働日数が2日以下の従業員を、請求できない者としています。

深夜業の制限には、さらに2つの除外があります。1つは、所定労働時間の全部が深夜にある従業員です。もう1つは、深夜に子を保育できる16歳以上の同居の家族がいる場合で、その家族が深夜に就業していない、心身の状況が保育できる、産前6週間(多胎は14週間)から産後8週間の間にない、という条件をすべて満たすときです。

請求できない労働者の主な区分(厚生労働省の規定例)
区分所定外労働時間外労働深夜業
入社1年未満労使協定で除外請求できない請求できない
週の所定労働日数が2日以下労使協定で除外請求できない請求できない
日雇従業員対象から除く請求できない請求できない
所定労働時間の全部が深夜規定例に記載なし規定例に記載なし請求できない
深夜に保育できる同居の家族がいる規定例に記載なし規定例に記載なし条件を満たせば請求できない

出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)

3歳未満は短時間勤務、3歳以上は選択して講じる措置

第23条は、3歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしていないものについて、事業主が、申出に基づく所定労働時間の短縮措置を講じなければならないと定めています。

規定例の短時間勤務は、所定労働時間を6時間とする例です。1日の所定労働時間が6時間以下の従業員は対象外です。労使協定により、入社1年未満の従業員と週の所定労働日数が2日以下の従業員も除外できます。

業務の性質や実施体制から短縮措置が困難な業務に就く労働者は、労使協定で除外できます。その場合、事業主は、育児休業に準ずる措置、始業時刻の変更等、テレワーク等のいずれかを代わりに講じます。テレワーク等は令和7年4月から代替措置に加わりました。

第23条の3は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主が、始業時刻の変更等・在宅勤務等・短時間勤務・養育両立支援休暇などから2つ以上の措置を講じるよう定めています。規定例によると、令和7年10月1日に施行されました。

  • 養育する子が小学校就学前かを、本人に確認している
  • 請求の期間が、所定外・時間外は1年以内、深夜は6か月以内に収まっている
  • 請求を受ける人事担当者と、請求書の様式が決まっている
  • 除外を定めた労使協定があるか、対象は何かを確認している
  • 請求や短時間勤務の申出を理由に、不利益な取扱いをしていない
  • 短時間勤務中の賃金の扱いを、就業規則で確認している

出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版](令和7年4月1日、10月1日施行対応版)」(確認日:2026年10月13日)、厚生労働省「育児・介護休業法について」(確認日:2026年10月13日)

よくある質問

時間外労働の制限を請求されたら、残業は何時間までですか?

1か月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせることはできません(育児・介護休業法第17条第1項)。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は除かれます。

入社したばかりの従業員から請求されたら断れますか?

入社1年未満の労働者は、時間外労働と深夜業の制限を請求できません。所定外労働の制限では、労使協定で除外を定めているときに限り、請求を拒めます。

請求はいつまでにしてもらえばよいですか?

制限を開始する予定日の1か月前までに、開始日と終了日を明らかにして請求します。期間は、所定外・時間外が1か月以上1年以内、深夜が1か月以上6か月以内です。

請求した従業員の賃金はどう扱いますか?

賃金の扱いは、この法律の条文には定めがありません。就業規則や雇用契約書で確認し、個別の判断は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。

参照した公的一次資料

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