この記事の対象:支援を登録支援機関に任せるか、一部だけ外部に頼むかを検討している特定技能所属機関の担当者
支援は全部委託も一部委託もできる:全部委託なら基準に適合するものとみなされる
特定技能所属機関は、契約により支援の全部または一部を他の者に委託できます。
出入国管理及び難民認定法第19条の22第2項は、特定技能所属機関が契約により1号特定技能外国人支援の全部または一部の実施を委託できると定めています。運用要領(令和8年8月版)の第6章第1節も同じ内容です。
登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託した場合、特定技能所属機関は支援計画の適正な実施に係る基準に適合するものとみなされます(法第2条の5第5項)。基準を自社で満たす必要はなく、委託先の登録支援機関がその役割を担う形です。
全部委託では、支援計画を作るときに委託先の援助を受けてよいとされています。運用要領は、委託先と十分に相談して作成して差し支えないと書いています。
全部委託は複数の登録支援機関に分けられない
全部委託で基準適合とみなされる仕組みのため、支援計画の全部を複数の登録支援機関に委託することはできません。
運用要領(令和8年8月版)は、登録支援機関に全部の実施を委託すると基準に適合するとみなされることから、全部の実施を複数の登録支援機関に委託することはできない、と書いています。
ただし、特定技能所属機関自身が支援計画の適正な実施に係る基準を満たしている場合は、所属機関の責任の下で複数の第三者に委託できます。この場合は全部委託ではなく、一部ずつを外部に任せる形です。
どちらの形を選ぶかで、所属機関が満たす基準と、届け出る内容が変わります。委託先を変える場合の届出は、支援委託契約の届出のガイドで整理しています。
一部委託では、委託の範囲を支援計画に明示し、面談と通報は委託できない
一部だけを委託するときは、委託する支援の範囲を支援計画書に書きます。
特定技能基準省令第4条第4号は、支援の一部の実施を契約により他の者に委託する場合、その委託の範囲が明示されていることを支援計画の基準にしています。運用要領の確認対象の書類は、1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)です。
運用要領(令和8年8月版)の第6章第1節は、一部委託の場合に、特定技能基準省令第3条第1項第1号ヌの「定期的な面談の実施、行政機関への通報」は、第三者への委託が認められないと書いています。面談と通報は、所属機関が自ら行う支援です。
委託する支援の範囲と費用の対応は、見積書の確認表でも確かめられます。支援の10項目の分担は、支援計画の確認表のガイドで整理しています。
- 委託する支援の範囲を、支援計画書(第1-17号)に明示する
- 定期的な面談の実施と行政機関への通報は、所属機関が自ら行う
- 一部委託では、所属機関自身が支援計画の適正な実施に係る基準を満たす必要がある
委託を受けた登録支援機関は、支援業務を更に委託できない
全部の委託を受けた登録支援機関は、受けた支援業務を別の者へ再委託できません。
運用要領(令和8年8月版)は、支援計画の全部の実施の委託を受けた登録支援機関が、その計画に基づいて支援業務を行わなければならない(法第19条の30第1項)ことから、委託を受けた支援業務を更に委託することは認められないと書いています。
例外として、支援の履行を補助する範囲で通訳人を活用することなどは差し支えない、と同じ箇所にあります。見積書で再委託の有無を尋ねるときは、通訳人の活用と、支援業務そのものの再委託を分けて聞きます。
契約を結んだ後は、締結から14日以内に出入国在留管理局へ届け出ます。届出の様式や提出方法は、入管庁の案内と地方出入国在留管理局で確かめてください。このサイトは届出の代行や個別の判断をしません。
よくある質問
支援を全部、登録支援機関に委託すると、所属機関は何を満たす必要がありますか?
運用要領(令和8年8月版)では、全部委託をすると支援計画の適正な実施に係る基準に適合するものとみなされます。そのほかの受入れ機関の要件は別に確認が必要です。
複数の登録支援機関に、支援を分けて頼めますか?
全部の実施を複数の登録支援機関に委託することはできません。所属機関が基準を満たしている場合は、所属機関の責任の下で複数の第三者に委託できると運用要領に書かれています。
定期的な面談や行政機関への通報も委託できますか?
一部委託の場合、運用要領は、定期的な面談の実施と行政機関への通報は第三者への委託が認められないと書いています。
登録支援機関は、受けた支援を別の会社に任せてよいですか?
委託を受けた支援業務を更に委託することは認められません。通訳人を活用するなど、履行を補助する範囲は差し支えないとされています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(確認日:2026年8月3日、次回確認:2026年11月3日)