この記事の対象:特定技能外国人と連絡が取れなくなった受入れ企業の人事・総務担当者、届出の相談を受ける登録支援機関の担当者

届出は事由から14日以内:行方不明の様式は第5-15号

入管庁の手続案内は、特定技能外国人の行方不明により引き続き受け入れることが困難となった特定技能所属機関を、「受入れ困難に係る届出」の対象としています。届出期間は、事由が発生した日から14日以内です。

届出書は受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)です。これに添える説明書は事由で様式が変わり、特定技能外国人が行方不明となった場合は「行方不明が判明した際の状況説明書」(参考様式第5-15号)を使います。同じ手続案内には、1か月以上活動ができない事由が生じた場合の第5-14号、それ以外の事由の場合の第5-11号も示されています。

手続案内が挙げる届出事項は、外国人の氏名・生年月日・性別・国籍・地域と在留カードの番号、受入れが困難となった事由とその発生時期・原因、外国人の現状、活動継続のための措置です。氏名や在留カードの番号は、失踪の前に写しを取っていないと後から揃えにくくなります。

届出期間の数え始めとなる「事由が発生した日」を、行方不明のときにどの日と見るかは、手続案内に細かい説明がありません。連絡が取れなくなった日と、行方不明と判断した日がずれるときは、管轄の出入国在留管理局に早めに確認します。参考様式は、必ずしも同様式を使わなくてもよいが、届出内容の不備を防ぐために可能な限り使うよう案内されています。

届出の期限と事由ごとの様式の全体は受入れ困難に係る届出のガイドで確認できます。

事由ごとに添える説明書(入管庁の手続案内の整理)
事由届出書添える説明書
行方不明参考様式第3-4号行方不明が判明した際の状況説明書(参考様式第5-15号)
入国・在留資格変更の許可後に1か月以上活動ができない参考様式第3-4号1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書(参考様式第5-14号)
上記以外(死亡、帰国など)参考様式第3-4号受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書(参考様式第5-11号)

契約終了の届出との順番:受入れ困難に係る届出が先

入管庁の特定技能雇用契約に係る届出の案内は、契約を終了したときの届出期間も、事由が生じた日から14日以内としています。

同じ案内によると、契約終了の事由が「雇用契約の終期到来」以外のときは、受入れ困難に係る届出をあらかじめ出していない場合に、併せて提出します。契約をまだ終了していないときは、受入れ困難に係る届出だけを先に出します。

失踪の場合は、連絡が取れない間も雇用契約が続いていることがあります。契約をいつ終了するかは、就業規則や労働契約の内容と労働法令に関わる判断で、入管庁の案内からは決まりません。契約を終えるときの届出(参考様式第3-1-2号)は、その後に出します。

届出書の様式は第3-4号と第3-1-2号で別です。受入れ困難に係る届出を出したことを記録し、契約終了の日が決まったら、そこから14日以内の期限を別に管理します。

契約の終了に係る届出の全体は届出手続の一覧のガイドで確認できます。

届出の順番と期限(入管庁の手続案内の整理)
順番届出様式期限
1受入れ困難に係る届出参考様式第3-4号+第5-15号事由が発生した日から14日以内
2特定技能雇用契約の終了に係る届出参考様式第3-1-2号契約を終了した事由が生じた日から14日以内

在留資格への影響:3か月以上活動しないと取消しの対象になり得る

入管法第22条の4第1項第6号は、別表第一の在留資格で在留する人が、その資格に係る活動を継続して3月以上行わないで在留している場合を、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消事由の一つとしています。特定技能は別表第一の在留資格に含まれます。

入管庁の案内によると、取消しをしようとするときは入国審査官が本人から意見を聴取し、本人は意見を述べ、証拠を提出できます。この事由で取り消された場合は、30日を上限として出国に必要な期間が指定され、期間内に出国しないと退去強制や刑事罰の対象になります。

同じ案内は、取消事由に当たるかどうかは個別の状況で判断され、取消事由に当たっても、実際に取り消すかどうかは経緯や在留状況を踏まえて判断されるとしています。失踪した外国人の在留資格がどうなるかは、企業が決められることではなく、入管庁の判断によります。

企業の側では、届出を期限内に出すことと、本人の所在や連絡の記録を残すことが、入管庁への説明の材料になります。居住地の変更の届出や在留カードの扱いなど、本人側の手続は本人または家族が行うもので、企業が代わって届け出ることはできません。

受入れ機関の基準への影響:責めに帰すべき事由があれば1人でも基準に適合しない

特定技能基準省令は、受入れ機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないことを、受入れ機関の基準に入れています。

運用要領によると、「責めに帰すべき事由」があるとは、雇用条件どおりに賃金を適正に支払っていない場合や、1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合など、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に行方不明となった場合をいいます。そのような場合は、人数に関係なく1人でも発生させていれば基準に適合しないとされています。

賃金の支払いと支援計画の実施の記録は、失踪が起きてから集めるのでは間に合いません。日ごろから、賃金の台帳、面談や相談の記録、支援の実施記録を残しておくことが、届出のときの説明にもなります。

失踪した外国人の私物や未払い賃金の扱い、警察への届出の要否については、このガイドで確認できた一次資料がありません。断定を避け、管轄の出入国在留管理局、労働基準監督署、警察の窓口に確認します。

行方不明者・離職者が受入れ機関の基準にどう関わるかは受入れ機関の要件のガイドで確認できます。

  • 連絡が取れなくなった日と、行方不明と判断した日を記録した
  • 届出の期限(事由から14日以内)の日付を逆算した
  • 届出書(第3-4号)と行方不明の状況説明書(第5-15号)を用意した
  • 賃金の支払いと支援計画の実施の記録を揃えた
  • 契約を終了する日を決め、契約終了の届出(第3-1-2号)の期限を別に管理した

よくある質問

特定技能外国人が行方不明になったら、入管庁への届出は必要ですか?

入管庁の手続案内は、外国人の行方不明により引き続き受け入れることが困難となった特定技能所属機関を、受入れ困難に係る届出の対象としています。届出期間は事由が発生した日から14日以内です。

行方不明のときは、どの様式を使いますか?

届出書は参考様式第3-4号で、添える説明書は「行方不明が判明した際の状況説明書」(参考様式第5-15号)です。参考様式は、可能な限り使うよう案内されています。

連絡が取れない間に、契約終了の届出も出しますか?

契約がまだ終了していないときは、受入れ困難に係る届出だけを先に出します。契約を終了したときの届出は、契約を終了した事由が生じた日から14日以内に、別に出します。

失踪した外国人の在留資格はどうなりますか?

入管法第22条の4は、在留資格に係る活動を継続して3月以上行わないで在留している場合を、正当な理由がある場合を除いて取消事由の一つとしています。実際に取り消すかどうかは入管庁が個別に判断するため、企業は結果を断定できません。

参照した公的一次資料

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