この記事の対象:特定技能外国人の月額の受入れ費用を見積もる、協会けんぽ加入の企業の人事・経理担当者
事業主が負担する保険料と、本人負担の分かれ方
毎月の社会保険の費用は、健康保険、厚生年金、子ども・子育て支援金、子ども・子育て拠出金で構成されます。このうち拠出金だけは、事業主が全額を負担します。
協会けんぽの案内によると、保険料は事業主と被保険者が折半で負担します。厚生年金保険料率は18.300%、令和8年度の子ども・子育て支援金率は全国一律の0.23%で、令和8年4月分(5月納付分)から加わりました。
子ども・子育て拠出金は、児童手当の費用などの一部として事業主が負担するもので、被保険者の負担はありません。額は、被保険者ごとの厚生年金保険の標準報酬月額と標準賞与額に、拠出金率0.36%を掛けた総額です。介護保険料率(全国一律1.62%)は、40歳から64歳までの被保険者にだけ加わります。
| 保険料 | 令和8年度の率 | 事業主 | 本人 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 都道府県ごと(東京9.85%) | 折半 | 折半 |
| 厚生年金 | 18.300% | 折半 | 折半 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23%(全国一律) | 折半 | 折半 |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 全額 | 負担なし |
| 介護保険(40歳から64歳のみ) | 1.62%(全国一律) | 折半 | 折半 |
東京の例:標準報酬月額20万・24万・30万円の月額
協会けんぽ東京支部の令和8年度の保険料額表から、40歳未満で介護保険がかからない場合の額を並べます。
標準報酬月額は、実際の給与額ではなく、報酬月額を区分けした等級の金額です。表の健康保険、厚生年金、支援金は、保険料額表の折半額の欄です。拠出金は、標準報酬月額に0.36%を掛けた額で計算しています。
事業主の負担は、この4つの合計です。たとえば標準報酬月額が30万円なら、事業主は毎月43,650円です。
本人の給与から毎月控除できるのは、拠出金を除いた42,570円です。事業主の負担は、本人の控除額に拠出金の1,080円を足した額になります。
| 標準報酬月額 | 健康保険(折半) | 支援金(折半) | 厚生年金(折半) | 拠出金(事業主) | 事業主の負担計 | 本人の控除計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200,000 | 9,850 | 230 | 18,300 | 720 | 29,100 | 28,380 |
| 240,000 | 11,820 | 276 | 21,960 | 864 | 34,920 | 34,056 |
| 300,000 | 14,775 | 345 | 27,450 | 1,080 | 43,650 | 42,570 |
健康保険料率は都道府県で違う:新潟9.21%から佐賀10.55%
協会けんぽの健康保険料率は、都道府県ごとに決まります。令和8年度の率は、都道府県によって差があります。
協会けんぽの案内では、令和8年度の健康保険料率は、北海道10.28%、東京9.85%、愛知9.93%、大阪10.13%、福岡10.11%などです。最も低いのは新潟県の9.21%、最も高いのは佐賀県の10.55%です。
健康保険料率の適用は、令和8年3月分(4月納付分)からです。厚生年金保険料率、支援金率、介護保険料率は全国一律のため、所在地による差が出るのは健康保険料率です。
この表は協会けんぽの場合です。健康保険組合に加入している企業は、組合に料率を確認してください。
| 都道府県 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 北海道 | 10.31% | 10.28% |
| 東京都 | 9.91% | 9.85% |
| 愛知県 | 10.03% | 9.93% |
| 大阪府 | 10.24% | 10.13% |
| 福岡県 | 10.31% | 10.11% |
納付と控除のルール:翌月末日・端数・賞与
事業主は、事業主負担分と被保険者負担分を合わせた保険料を、保険者に納める義務があります。
毎月の納付期限は翌月の末日です。被保険者の負担分は、事業主が賃金から前月分の保険料を控除でき、控除したときは被保険者に知らせなければなりません。控除額は、標準報酬月額に保険料率を掛けた額の半額で、端数が50銭以下なら切り捨て、50銭を超えるなら切り上げて1円とします。
賞与には、賞与額から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に保険料率を掛けた額がかかります。標準賞与額の上限は、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金が年間573万円、厚生年金保険と子ども・子育て拠出金が月間150万円です。
加入と喪失の手続は社会保険の資格取得・喪失のガイドで確認できます。
- 加入先と標準報酬月額を確認する
協会けんぽか健康保険組合か、本人の標準報酬月額の等級を確認します。
- 料率を当てはめる
所在地の都道府県の健康保険料率と、厚生年金・支援金の率で、折半額を求めます。
- 拠出金を加える
厚生年金の標準報酬月額に0.36%を掛けた額を、事業主の負担に加えます。
- 賞与の月を別に見積もる
賞与を支給する月は、標準賞与額に率を掛けた額を足します。
よくある質問
子ども・子育て拠出金は、本人の給与から引きますか?
引きません。協会けんぽの保険料額表では、子ども・子育て拠出金は事業主が負担するもので、被保険者の負担はないとされています。
子ども・子育て支援金はいつから加わりましたか?
令和8年4月分(5月納付分)からです。全国一律の0.23%で、保険料額表では折半額が示されています。
介護保険料は、特定技能外国人にもかかりますか?
40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者が対象です。40歳未満の場合は、この表の健康保険、厚生年金、支援金、拠出金の4つで見積もります。
本人負担分を給与から控除してよいですか?
事業主は、被保険者に支払う賃金から、前月分の保険料の被保険者負担分を控除できます。控除したときは、それを被保険者に知らせなければなりません。
参照した公的一次資料
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」(都道府県単位保険料率)(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「費用の負担」(健康保険制度の概要)(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 日本年金機構「保険料の計算方法について」(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)