この記事の対象:特定技能外国人の健康保険の手続を担当する人事・総務担当者、家族の扶養について相談を受ける登録支援機関の担当者

被扶養者の認定には、日本国内に住所(住民票)があることが必要

会社員の健康保険の被扶養者は、令和2年4月1日以降の認定から、生計維持の要件に加えて、日本国内に住所があることが要件になりました。

日本年金機構の案内は、改正法の施行日(令和2年4月1日)以降の被扶養者(国民年金第3号被保険者を含む)の認定では、日本国内に住所を有する(住民票がある)ことが要件に追加されたと説明しています。日本に住民票がない家族は、この要件を満たしません。

外国人従業員の場合の案内もあります。日本国内に住所があっても、日本国籍がなく、在留資格「特定活動(医療目的)」「特定活動(長期観光)」で滞在している人は、被扶養者に該当しません。

家族の帯同については、出入国在留管理庁のQ&Aで、特定技能1号では認められない旨が案内されています。母国の家族が日本に住所を持たないままの場合は、次の海外特例に当たるかどうかが論点になります。

家族の帯同そのものは特定技能の家族帯同で整理しています。

出典:日本年金機構「従業員の家族が海外居住の場合の手続き」(確認日:2026年10月14日)、日本年金機構「外国人従業員を雇用したときの手続き」(確認日:2026年8月3日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)

海外にいる家族が扶養に入れるのは、海外特例の5つの場合

日本年金機構は、留学生や海外赴任に同行する家族など、日本国内に生活の基礎があると認められる人を、国内居住要件の例外(海外特例要件)としています。

例外として列挙されているのは、次の5つの場合です。5つに当たる人は、届出によって被扶養者の認定を受けることが可能とされています。

母国で暮らす家族が当然に当たるわけではなく、日本国内に生活の基礎があると認められるかが個別に判断されます。5番目の「その他」は、渡航目的などの事情を考慮して判断されます。

案内に挙がっている例は、被扶養者の妻や子が夫の海外転勤に同行した場合と、被扶養者の子が留学する場合です。案内は、海外特例に該当していた人が、海外に居住したまま労働目的や永住などの渡航になった場合は、被扶養者でなくなると書いています。

海外特例要件に該当する場合(日本年金機構の案内)
区分内容
留学外国において留学をする学生
海外赴任への同行外国に赴任する被保険者に同行する者
一時的な渡航観光、保養、ボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
赴任中の身分関係被保険者が外国に赴任している間に身分関係が生じた者で、同行する者と同等と認められる者
その他渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

出典:日本年金機構「従業員の家族が海外居住の場合の手続き」(確認日:2026年10月14日)

収入要件は年間収入130万円未満などで、別居なら仕送り額未満

国内居住要件のほかに、被扶養者には収入と同一世帯の条件があります。

収入要件は、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であることです。扶養認定日が令和7年10月1日以降で、認定を受ける人が19歳以上23歳未満の場合は、150万円未満になります。

あわせて、同居の場合は被扶養者の収入が被保険者の収入の半分未満、別居の場合は被保険者からの仕送り額未満であることが求められます。年間収入は過去の収入ではなく、認定日以降の年間の見込み収入額です。

同一世帯の条件では、配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属は、被保険者と同居している必要がありません。これ以外の3親等内の親族は、同居していることが必要です。被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、傷病手当金、出産手当金も含まれます。

被扶養者の収入要件(日本年金機構の案内)
暮らし方収入の条件
同居年間収入130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満は、認定日が令和7年10月1日以降なら150万円未満)かつ、被保険者の収入の半分未満
別居年間収入130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満は、認定日が令和7年10月1日以降なら150万円未満)かつ、被保険者からの仕送り額未満

出典:日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(確認日:2026年10月14日)

届出は事業主を経由し、海外在住では現況申立書と送金の書類が加わる

協会けんぽの被保険者の場合、被扶養者の追加は事業主を経由して日本年金機構へ届け出ます。

日本年金機構は、外国人従業員が家族を被扶養者にするときも、事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を提出するとしています。協会けんぽ以外(健康保険組合など)に加入していて配偶者を扶養にする場合、日本年金機構へ出すのは国民年金第3号関係者届のみで、健康保険の手続きは勤務先に確認します。海外特例に当たる場合は、この届か国民年金第3号被保険者関係届に、海外特例要件に関する書類を添えます。

海外にいる家族の扶養認定には、海外特例の書類に加えて、続柄や収入、仕送りの状況を記載した「被扶養者現況申立書」と、被保険者との身分関係および生計維持関係を確認できる書類が必要です。あわせて、扶養される家族の年間収入が130万円未満(60歳以上などは180万円未満)と分かる書類として、収入がある場合は公的機関または勤務先発行の収入証明書、収入がない場合は収入がないことを証明する公的証明書またはそれに準ずる書類を添付します。

海外で同居している場合は、同居を確認できる公的証明書またはそれに準ずる書類が別に必要です。別居の場合は、被保険者からの送金事実と仕送り額が分かる、金融機関発行の振込依頼書または通帳の写しも添付します。

  • 家族が海外特例の5つの場合のどれに当たるかを確認した
  • 被扶養者現況申立書を被保険者が作成した
  • 続柄を確認できる公的証明書またはそれに準ずる書類を用意した
  • 家族の収入状況(収入証明書、または収入がないことの証明)が分かる書類を用意した
  • 別居の場合、送金事実と仕送り額が分かる書類を用意した

出典:日本年金機構「従業員の家族が海外居住の場合の手続き」(確認日:2026年10月14日)、日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(確認日:2026年10月14日)、日本年金機構「外国人従業員を雇用したときの手続き」(確認日:2026年8月3日)

よくある質問

特定技能外国人は、母国にいる配偶者や親を健康保険の被扶養者にできますか?

日本年金機構の案内では、令和2年4月1日以降の認定は日本国内に住所があることが要件です。海外にいる家族は、留学や海外赴任への同行などの海外特例要件に当たる場合に限り、届出によって認定を受けられます。個別の可否は、加入している保険者または年金事務所に確認します。

母国で働いている家族は被扶養者になれますか?

母国で働く家族は、海外特例の5つの場合に当たらなければ、国内居住要件を満たしません。日本年金機構の案内では、海外特例で認定されていた人が海外に居住したまま労働目的や永住などの渡航になった場合も、被扶養者でなくなるとされています。収入が年間130万円(19歳以上23歳未満は認定日が令和7年10月1日以降なら150万円、60歳以上・障害者は180万円)以上見込まれる場合も要件を満たしません。

日本に住民票があれば誰でも被扶養者になれますか?

住民票があっても、日本国籍がなく在留資格「特定活動(医療目的)」「特定活動(長期観光)」で滞在している人は被扶養者に該当しません。収入要件や同一世帯の条件も満たす必要があります。

海外の家族を扶養に入れるとき、どんな書類が必要ですか?

被扶養者(異動)届に加えて、海外特例要件に関する書類、被扶養者現況申立書、身分関係と生計維持関係を確認できる書類(家族の収入状況の書類を含む)が必要です。別居の場合は、送金事実と仕送り額が分かる書類も添付します。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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