この記事の対象:飲食料品製造業分野で育成就労外国人の受入れを検討する食品メーカー・食品工場・監理支援機関
育成就労の飲食料品製造業分野に固有の基準を定めた農林水産省告示第649号の3条(キャリアアップ計画の説明、分野別協議会への措置・協力、対象事業所を決める日本標準産業分類の10区分)と、食品産業育成就労協議会への加入の扱いを、告示の本文から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
告示の位置づけと適用日:令和9年4月1日から
飲食料品製造業分野の基準は、農林水産省告示第649号(令和8年4月30日)に定められています。令和9年4月1日から適用されます。
告示は、育成就労の適正な実施と育成就労外国人の保護に関する法律の施行規則の規定にもとづき、飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて定められた基準です。農林水産省の飲食料品製造業分野のページに、出入国在留管理庁の掲載するPDFへのリンクがあります。
告示の附則は、適用日を令和9年4月1日としています。告示の本文4ページを確認した範囲では、旧技能実習告示を廃止する条項は見当たりませんでした。確認できないことと、廃止されないことは別なので、断定はしません。
出典:農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日)
告示が定める3条:計画の説明・協議会への協力・対象事業所
告示は3つの条で構成されます。受入れ人数の上限や指導員の資格に関する条はありません。
第1条は、育成就労の内容の基準です。申請者が外国人と雇用契約を結ぶにあたり、育成就労外国人のキャリアアップを図るための計画について、書面(電磁的記録を含む)を交付または提供して説明していることが求められます。キャリアアップは、職業訓練などを通じた職業能力の向上と、それによる将来の職務上の地位や賃金などの処遇の向上を指すと、告示に書かれています。
第2条は、育成就労を行わせる体制の基準で、3つの号からなります。分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずること、協議会に必要な協力を行うこと、農林水産大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導・情報収集・意見の聴取などに必要な協力を行うことです。第3条は事業所の基準で、次の節で整理します。
| 条 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1条 | 育成就労の内容 | キャリアアップを図るための計画を、書面または電磁的記録で交付・提供して説明していること |
| 第2条第1号 | 協議会の協議事項 | 分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずることとしていること |
| 第2条第2号 | 協議会への協力 | 分野別協議会に必要な協力を行うこととしていること |
| 第2条第3号 | 調査への協力 | 農林水産大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導・情報収集・意見の聴取などに必要な協力を行うこととしていること |
| 第3条 | 事業所の設備 | 日本標準産業分類の10区分のいずれかを行う事業所であること |
出典:農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日)
対象事業所を決める日本標準産業分類の10区分
育成就労を行わせる事業所は、告示が挙げる10区分のいずれかを行っている必要があります。小売業は、製造を行うものに限られる区分があります。
第3条は、令和5年総務省告示第256号の日本標準産業分類に掲げる産業のうち、次のいずれかを行っている事業所であることを求めています。中分類は食料品製造業の1つで、小分類は清涼飲料製造業、茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)、製氷業の3つです。
残りの6つは小売業の区分で、食肉小売業、総合スーパーマーケット、食料品スーパーマーケットは「食料品製造を行うものに限る」と書かれています。菓子小売業とパン小売業は製造小売、豆腐・かまぼこ等加工食品小売業は製造を行うものが対象です。自社の事業所が行っている事業がどの区分に当たるかは、日本標準産業分類の定義と照らして確認します。
特定技能の対象事業所は飲食料品製造業分野のガイドで確認できます。
| 区分の種類 | 番号 | 名称 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 中分類 | 09 | 食料品製造業 | — |
| 小分類 | 101 | 清涼飲料製造業 | — |
| 小分類 | 103 | 茶・コーヒー製造業 | 清涼飲料を除く |
| 小分類 | 104 | 製氷業 | — |
| 小分類 | 583 | 食肉小売業 | 食料品製造を行うものに限る |
| 細分類 | 5621 | 総合スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| 細分類 | 5811 | 食料品スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| 細分類 | 5861 | 菓子小売業 | 製造小売 |
| 細分類 | 5863 | パン小売業 | 製造小売 |
| 細分類 | 5896 | 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業 | 豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る |
出典:農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日)
食品産業育成就労協議会:認定申請より前に加入する
飲食料品製造業の育成就労実施者は、食品産業育成就労協議会の構成員になることが求められます。2026年10月9日の時点で、飲食料品製造業分野の加入受付は始まっています。
農林水産省の案内によると、この協議会は飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で設置しています。育成就労実施者は構成員になることが求められ、監理支援機関は加入不要です。外国人技能実習機構への育成就労計画の認定申請を行う前に加入する必要があります。
入会金と年会費は、当面の間は徴収されません。加入は農林水産省のページにある申請フォームから行い、事務局からのメールに必要書類を返信します。審査の開始までに数週間、加入証の発行までに2〜3か月程度かかると案内されているため、認定申請の日程から逆算します。外食業分野の受付は、同日時点で行われていません。
ほかの分野の協議会と並べた表は育成就労の分野別協議会の比較で確認できます。
- 事業所が告示第3条の10区分のいずれかに当たることを確認する
- キャリアアップを図る計画を書面で用意し、雇用契約の締結にあたって説明する
- 認定申請より前に、食品産業育成就労協議会へ加入する
- 加入証の発行まで2〜3か月かかる場合があるため、日程から逆算する
出典:農林水産省「食品産業育成就労協議会」(確認日:2026年9月10日)、農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日)
告示に書かれていないこと:人数の上限と日本語の水準
告示の3条に、受入れ人数の上限、指導員の資格、日本語能力に関するものはありません。
告示を確認した範囲では、人数の上限や指導員の資格に関する項目は見当たりませんでした。介護の指導員比率や漁業の乗船人数のような、受入れ側の人材・人数の上乗せ基準は、飲食料品製造業の告示にはありません。
日本語の水準は、出入国在留管理庁の分野別運用方針に書かれています。当サイトが確認した範囲では、飲食料品製造業は、開始時と1年経過時がA1相当以上、終了時がA2.2相当以上、本人意向の転籍時がA2.1相当以上です。育成就労の分野別受入れ見込数は、運用方針の別紙で6万1,400人とされています。
日本語の水準を分野別に比べた表は本人意向転籍の水準のガイドで確認できます。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」(確認日:2026年9月9日)、農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日)
よくある質問
飲食料品製造業の育成就労の基準は、何に定められていますか?
農林水産省告示第649号(令和8年4月30日)です。令和9年4月1日から適用されます。
告示が定める飲食料品製造業固有の基準は何ですか?
3条です。キャリアアップ計画の書面での説明、分野別協議会への措置・協力と大臣の調査への協力、対象事業所を決める日本標準産業分類の10区分です。人数の上限や日本語能力の項目は告示にありません。
スーパーマーケットやパン屋でも受け入れられますか?
告示の区分では、総合スーパーと食料品スーパーは食料品製造を行うものに限られ、パン小売業と菓子小売業は製造小売が対象です。自社の事業所が該当するかは、告示の第3条で確認します。
食品産業育成就労協議会にはいつ加入しますか?
農林水産省は、外国人技能実習機構への育成就労計画の認定申請を行う前に加入するよう案内しています。加入証の発行まで2〜3か月程度かかるとされています。
参照した公的一次資料
- 農林水産省告示第六百四十九号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月30日)(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年1月9日)
- 農林水産省「食品産業育成就労協議会」(確認日:2026年9月10日、次回確認:2026年12月10日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」(確認日:2026年9月9日、次回確認:2026年12月9日)
- 外国人技能実習機構「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野(介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業の各分野)」(確認日:2026年9月4日、次回確認:2026年12月4日)
次に確認すること
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