この記事の対象:倉庫・物流・製造の現場で特定技能外国人に貨物自動車の荷積み・荷卸しをさせる企業の人事・労務・安全衛生担当者
最大積載量2トン以上の貨物自動車は、昇降設備を設けて使う
荷台や荷の上へ上り下りするときの墜落を防ぐため、一定以上の大きさの貨物自動車では昇降設備が必要です。
労働安全衛生規則第151条の67第1項は、最大積載量が2トン以上の貨物自動車に荷を積む作業、または荷を卸す作業を行うとき、事業者に昇降設備を設けることを求めています。ロープ掛け・シート掛けの作業と、ロープ解き・シート外しの作業も、積む作業・卸す作業に含まれます。
設備が要るのは、床面と荷台との間、および床面と荷台上の荷の上面との間です。作業に従事する人は、これらの間を昇降するとき、その設備を使わなければなりません(同条第2項)。
100キログラム以上の荷は、作業指揮者を定めて指揮させ、中抜きをさせない
重い荷の積み卸しでは、作業を直接指揮する人を決めて、5つの事項を行わせます。
第151条の70第1項は、1つの荷の重量が100キログラム以上のものを貨物自動車に積む作業、または貨物自動車から卸す作業を行うとき、作業を指揮する者を定めることを求めています。指揮者には、作業手順と方法を決めて直接指揮すること、器具と工具を点検して不良品を取り除くこと、関係労働者以外を作業箇所に立ち入らせないこと、ロープ解きとシート外しの前に荷の落下の危険がないことを確認して着手を指示すること、昇降設備と保護帽の使用状況を監視することを行わせます。
労働者以外の人が作業箇所に立ち入ることも、見やすい箇所への表示などで禁止します(同条第2項)。第151条の71は、貨物自動車から荷を卸す作業で、事業者が労働者に中抜きをさせてはならず、労働者もしてはならないとしています。
- 1つ100キログラム以上の荷の作業で、指揮者を定めた
- 指揮者に5つの事項を行わせている
- 作業箇所に関係者以外を立ち入らせず、表示している
- 荷卸しで中抜きをしていない
保護帽をかぶる貨物自動車は、積載量と荷台の形で決まる
墜落の危険を防ぐため、保護帽をかぶらせる作業の対象は、貨物自動車の種類で定められています。
第151条の74第1項は、次の表の貨物自動車に荷を積む作業、または荷を卸す作業を行うとき、事業者が作業に従事する労働者に保護帽を着用させることを求めています。労働者も、その保護帽を着用しなければなりません(同条第2項)。
最大積載量2トン以上5トン未満でテールゲートリフターを設置している貨物自動車は、テールゲートリフターを使用するときに限って、保護帽の対象です。テールゲートリフターの操作の業務の特別教育は、別のガイドで確認できます。
| 貨物自動車の種類 | 保護帽の対象になる作業 |
|---|---|
| 最大積載量が5トン以上 | 荷を積む作業・荷を卸す作業 |
| 最大積載量が2トン以上5トン未満で、荷台の側面が構造上開放されている、または構造上開閉できる | 荷を積む作業・荷を卸す作業 |
| 最大積載量が2トン以上5トン未満で、テールゲートリフターを設置している(上の行を除く) | テールゲートリフターを使用するときの荷を積む作業・荷を卸す作業 |
荷台に人を乗せて走るときの制限と、荷掛けのロープの点検
構内で貨物自動車を走らせるときは、荷台の形によって、乗車の可否と守る事項が変わります。
第151条の72第1項は、労働者が作業を行う作業場で、荷台にあおりのない貨物自動車を走行させるとき、荷台に作業従事者を乗車させてはならないとしています。あおりのある貨物自動車の荷台に労働者を乗せるときは、第151条の73により、荷の移動を防ぐ歯止めや滑止めなどの措置を講じます。乗る労働者には、あおりを確実に閉じること、あおりなど墜落するおそれのある箇所に乗らないこと、身体の最高部を運転者席の屋根の高さ(荷がそれより高いときは荷の最高部)より高くしないことを行わせます。
荷掛けのロープについて、第151条の68は、ストランドが切断しているもの、著しい損傷または腐食のある繊維ロープを使ってはならないとしています。第151条の69は、その日の使用を始める前に点検し、異常があれば直ちに取り替えることを求めています。貨物自動車を最大積載量などの能力を超えて使うことも禁止されています(第151条の66)。
よくある質問
最大積載量が2トン未満の貨物自動車では、何も要りませんか?
第151条の67の昇降設備と第151条の74の保護帽は、条文の最大積載量の条件に当てはまる貨物自動車が対象です。1つ100キログラム以上の荷の作業指揮者(第151条の70)は積載量にかかわらず、荷の重さで決まります。
テールゲートリフターの操作に必要な教育は、このガイドで分かりますか?
このガイドは荷の積み卸しの安全措置を扱います。テールゲートリフターの操作の業務に必要な特別教育は、特別教育が必要な業務のガイドで確認できます。
荷卸しの作業で、禁止されていることは何ですか?
第151条の71は、貨物自動車から荷を卸す作業で、事業者が労働者に中抜きをさせてはならず、労働者もしてはならないと定めています。このほか、1つ100キログラム以上の荷では作業指揮者を定めることが求められます(第151条の70)。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の67(貨物自動車の昇降設備)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の70(貨物自動車の積卸しの作業指揮者)・第151条の71(中抜きの禁止)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の74(貨物自動車の荷の積卸しでの保護帽の着用)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の66・第151条の68・第151条の69(繊維ロープ)・第151条の72・第151条の73(荷台への乗車制限)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)