この記事の対象:倉庫・物流・食品製造など、荷を積み重ねる現場に特定技能外国人を配置する企業の人事・労務・安全衛生担当者

「高さ2m以上のはいは隙間なく配置する」は条文と逆

「高さ2メートル以上のはいと隣接するはいの間隔は、倒壊防止のために、隙間なく配置すること」という文は、労働安全衛生規則第430条の定めと逆です。条文は、はいの下端で10センチメートル以上の間隔を空けることを求めています。

第430条は、床面からの高さが2メートル以上のはいについて、隣接するはいとの間隔を、はいの下端で10センチメートル以上とするよう事業者に求めています。隙間をなくすのではなく、一定の間隔を空ける定めです。

この定めの対象は、容器が袋、かます、俵である荷で構成されるはいに限られます。袋などの荷以外のはいに同じ間隔が求められるかは、第430条の文面からは読み取れません。このため、文の正誤を判断するときは、荷の種類と高さを分けて確かめます。

「隙間なく配置する」という文と、第430条の定めの比べ
点文の内容第430条
はいの高さ2メートル以上床面から2メートル以上
隣接するはいとの間隔隙間なく配置するはいの下端で10センチメートル以上
対象の荷限定なし容器が袋、かます、俵である荷で構成されるはいに限る

はいの上で作業するときの昇降設備

はいとは、倉庫、上屋、土場に積み重ねられた荷の集団です。作業箇所が床面から1.5メートルを超えるときは、昇降設備が必要です。

労働安全衛生規則第427条第1項は、はいの上で作業を行う場合に、作業箇所の高さが床面から1.5メートルを超えるときは、床面と作業箇所の間を安全に昇降するための設備を設けることを事業者に求めています。はいを構成する荷によって安全に昇降できる場合は、この限りではありません。

条文上のはいには、小麦、大豆、鉱石などのばら物の荷は含まれません。第2項は、この作業に従事する人は、ただし書の場合を除き、設けられた昇降設備を使わなければならないと定めています。

はい作業主任者の選任と職務

高さ2メートル以上のはいのはい付けまたははいくずしの作業には、はい作業主任者の選任が必要です。荷役機械の運転者だけで行う作業は含まれません。

労働安全衛生法施行令第6条第12号は、高さが2メートル以上のはいのはい付けまたははいくずしの作業(荷役機械の運転者のみによって行われるものを除く)を、作業主任者を選任すべき作業に挙げています。労働安全衛生規則第428条は、この作業について、はい作業主任者技能講習を修了した者の中から、はい作業主任者を選任することを求めています。

第429条は、はい作業主任者に行わせる事項として、作業の方法と順序の決定と直接の指揮、器具と工具の点検、作業箇所を通る人を安全に通行させるための指示、はいくずしの着手前に崩壊の危険がないことの確認、昇降設備と保護帽の使用状況の監視を挙げています。

はいの間隔・はいくずし・崩壊の防止

高さ2メートル以上のはいには、くずし方の定めがあり、袋・かます・俵の荷には間隔の定めもあります。崩れるおそれがあるときは、縛る、網を張るなどの措置も求められます。

第430条は、床面からの高さが2メートル以上のはいのうち、容器が袋、かます、俵である荷で構成されるものについて、隣のはいとの間隔を、はいの下端で10センチメートル以上とすることを求めています。

第431条第1項は、高さ2メートル以上のはいのはいくずしで、中抜きをしないことを作業者に行わせるよう求めています。袋、かます、俵の荷のはいは、ひな段状にくずし、最下段を除く各段の高さを1.5メートル以下にします。第2項は、作業に従事する人もこれを行わなければならないと定めています。

第432条は、はいの崩壊や荷の落下で危険を及ぼすおそれがあるときに、ロープで縛る、網を張る、くい止めを施す、はい替えを行うなどの措置を求めています。

立入禁止・照度・保護帽

はい付け・はいくずしの危険な箇所への立入禁止、必要な照度、高さ2メートル以上のはいの上での保護帽も定められています。

第433条は、はい付けまたははいくずしの作業で、はいの崩壊や荷の落下の危険があるところに、関係する作業従事者以外の人が立ち入ることを、禁止する旨の表示などの方法で禁止するよう求めています。第434条は、これらの作業を行う場所で、安全に作業するために必要な照度を保つことを求めています。

第435条第1項は、はいの上での作業のうち作業箇所の高さが床面から2メートル以上のものについて、墜落の危険を防ぐため、作業者に保護帽を着用させることを求めています。第2項は、作業者も保護帽を着用しなければならないと定めています。

はい作業に関する条文(労働安全衛生規則)
内容条基準の高さ
昇降設備第427条作業箇所が床面から1.5メートル超
作業主任者の選任と職務第428条・第429条高さ2メートル以上のはい(施行令第6条第12号)
はいの間隔(袋・かます・俵)第430条高さ2メートル以上、下端で10センチメートル以上
はいくずし第431条高さ2メートル以上、中抜き禁止
崩壊・落下の防止措置第432条崩壊や落下のおそれがあるとき
立入禁止・照度第433条・第434条はい付け・はいくずしの作業箇所
保護帽の着用第435条作業箇所が床面から2メートル以上
  • はいの上の作業箇所が1.5メートルを超えるとき、昇降設備を設けている
  • 高さ2メートル以上のはい付け・はいくずしに、はい作業主任者を選任している
  • 袋・かます・俵のはいの間隔を下端で10センチメートル以上にしている
  • はいくずしで中抜きをさせていない
  • 崩壊のおそれがあるはいを縛る、網を張るなどしている
  • 危険箇所への立入禁止を表示している
  • 2メートル以上のはいの上の作業で保護帽を着用させている

よくある質問

フォークリフトだけではい付けをする場合も、はい作業主任者は必要ですか?

施行令第6条第12号は、荷役機械の運転者のみによって行われる作業を除くとしています。運転者だけで行う作業は選任の対象から除かれます。個別の作業が該当するかは、労働基準監督署などに確認してください。

はいの高さの基準は条文ごとに同じですか?

同じではありません。昇降設備の第427条は作業箇所が床面から1.5メートルを超えるとき、間隔・はいくずし・保護帽は高さ2メートル以上が基準です。条ごとに基準が異なります。

袋の荷以外のはいにも、10センチメートルの間隔は必要ですか?

第430条は、容器が袋、かます、俵である荷で構成されるはいに限って、下端の間隔を10センチメートル以上とすることを定めています。他の荷の扱いは、この条文には書かれていません。

参照した公的一次資料

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