この記事の対象:自社で1号特定技能外国人の支援を行う企業の担当者、登録支援機関の支援責任者になる予定の担当者
義務の内容:3年ごとの修了(当分の間は適用されない)
令和9年4月1日以降、支援責任者には、法務大臣が告示した養成講習機関の講習を修了することが義務付けられます。
出入国在留管理庁の案内によると、対象は支援責任者です。受入れ機関は、特定技能外国人に活動をさせる事業所ごとに、常勤の役員または職員の中から1名以上を選びます。登録支援機関に支援を委託する場合は、登録支援機関も支援業務を行う事業所ごとに1名以上を選び、その人も修了義務の対象です。
修了後は、直近の修了証明書の交付日から3年以内に、もう一度受講して修了しなければなりません。支援担当者には修了の義務がありませんが、適正な支援のために受講が推奨されています。
ただし、この修了義務は経過措置により、当分の間は適用されません。入管庁は、経過措置が終わる時期を、ホームページで改めて知らせるとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 義務が始まる日 | 令和9年4月1日(修了義務の部分は、経過措置により当分の間適用されない) |
| 修了が義務の人 | 支援責任者(受入れ機関の事業所ごと、登録支援機関の支援業務を行う事業所ごとに1名以上) |
| 支援担当者 | 法令上の義務はなく、受講が推奨される |
| 再受講 | 直近の受講修了日(修了証明書の交付日)から3年以内 |
| 講習を行う機関 | 法務大臣が適当と認めて告示した養成講習機関 |
| 経過措置の終了時期 | 入管庁のホームページで改めて知らせるとされている |
講習の中身:合計6時間、5科目とテスト
機関選定の要領は、支援責任者等講習を合計6.0時間と定めています。科目ごとの時間は次のとおりです。
入管法、労働関係法令、支援の行い方に加えて、支援責任者の職務上の留意点も含まれます。法令違反の過去の事例を盛り込んで講義すること、支援の行い方は具体的な事例を盛り込むことが、要領に書かれています。
所定の講義時間とは別に、概ね1時間から2時間ごとに、5分から10分程度の休憩を設けることも求められています。講習機関は科目の内容を充実させられますが、所定の時間を減らすことはできません。
| 講義項目 | 時間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Ⅰ 特定技能制度の概要 | 1.0時間 | 制度の目的と仕組み、分野と業務区分、受入れ機関の基準、登録支援機関、行政処分、二国間取決め(MOC)、罰則 |
| Ⅱ 出入国管理及び難民認定法 | 1.0時間 | 在留許可申請の手続、在留カード、在留資格の取消事由、退去強制事由、不法就労関係の罰則 |
| Ⅲ 労働関係法令 | 1.5時間 | 職業安定法、労働基準法、最低賃金法、労災保険法、労働安全衛生法、均等法、労働施策総合推進法、パート有期法、雇用保険法、労働組合法 |
| Ⅳ 1号特定技能外国人に対する支援の行い方 | 1.5時間 | 義務的支援の内容(基準省令第3条・第4条)。令和9年4月以降は2号への変更を希望する人へのキャリアアップ支援も含める |
| Ⅴ 支援責任者としての職務遂行上の留意点 | 0.5時間 | 支援責任者が統括する事項(届出や公租公課の支払い義務を含む)、令和9年4月以降の支援体制の変更点 |
| Ⅵ 理解度テスト | 0.5時間 | テストと、その内容の解説 |
修了の条件:20問の○×テストで正答率80%以上
講習の終わりにペーパーテストがあり、合格しなければ修了証明書は交付されません。
要領によると、テストは全問が○×方式で、入管庁から配られる問題集の中から20問が選ばれます。正答率80%以上、つまり16問以上の正解で合格です。不合格の人には、修了証明書は交付されません。
テストに合格しても、修了証明書が交付されないことがあります。要領は、本人確認ができない人、遅刻や離席があった人、受講態度が良好でないと講習機関が判断した人、テストを受けなかった人、テストで不正をした人を挙げています。
オンライン受講では、移動中の車内など、受講に適した環境にいない人も同じです。遅刻や離席でも、講習機関がやむを得ないと認めたときは別です。
修了者の名簿は、講習機関から入管庁へ電子媒体で提出されます。講習機関は、受講の申込みの際にその利用目的を示して同意を得ることとされています。
- 顔写真付きの公的証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)を用意する
- オンライン受講では、静かで通信が安定した場所を確保する
- 遅刻や離席があると修了証明書が交付されない場合があるため、休憩時間のほかに6時間を確保する
- 修了証明書は、次の3年以内の再受講の日を数える起点として保管する
受講の方法:オンラインが基本、申込みは各講習機関へ
養成講習はオンラインの非対面方式での実施が必須で、対面の講習を加えるかは各講習機関が決めます。
オンラインの講習は、録画の再生は認められず、音声と映像でその場で講師と受講者がやり取りできる方式で行うと決められています。本人確認も、画面上で顔写真付きの公的証明書で行います。
受講の申込みは、各養成講習機関へ行います。入管庁は、養成講習機関が決まり次第ホームページで公表し、講習の日程も案内する予定だと書いています。申込みは応募順か、締切後の抽選で受け付けられ、機関の会員か非会員かで受講料に差をつけることは認められません。
受講料は、講習機関があらかじめ対象と金額を明示して徴収できるとされています。入管庁の案内や要領には金額が書かれていないため、このページでは示しません。オンラインと対面で額が異なることもあるので、申込み前に各機関の日程書で確かめます。
- 支援責任者を決める
事業所ごとに、常勤の役員または職員から1名以上を選びます。
- 養成講習機関の公表を待つ
入管庁のホームページで、機関と日程が案内される予定です。
- 申込みと受講
各機関に申し込み、6時間の講習とテストを受けます。
- 修了証明書を保管する
交付日から3年以内に次の受講を済ませる必要があります。
いま分かっている日程:機関の公募は令和8年12月から
入管庁は、令和8年度の養成講習機関の公募を、令和8年12月7日から令和9年1月8日まで行うと案内しています。
公募に応募できるのは、入管庁の説明会(令和8年10月14日)に参加した機関だけです。この公募は講習を実施する機関の募集で、受講者の募集ではありません。
養成講習機関の要件には、特定技能や労働関係法令の講習を広く一般に募集して行った実績が直近3年度の各年度にあることが含まれます。登録支援機関、特定技能所属機関、監理支援機関などは、養成講習機関にはなれないと要領に書かれています。そのため、自社が講習機関になって自社の支援責任者に受講させることはできず、告示された別の機関で受講します。
入管庁の更新情報には、2026年9月14日に養成講習の案内が載りました。講習機関の一覧や日程は、これから公表される予定のため、入管庁のページで最新を確かめてください。支援責任者の選任要件そのものは、支援責任者・支援担当者の選任要件のガイドで確認できます。
よくある質問
養成講習は、いつから受けなければなりませんか?
入管庁の案内によると、支援責任者への修了の義務付けは令和9年4月1日からです。ただし、経過措置により当分の間は修了を求められず、終了時期は入管庁のホームページで改めて知らされるとされています。
養成講習を受けるのは誰ですか?
支援責任者です。受入れ機関と、支援を受託する登録支援機関のどちらでも、支援責任者として選ばれた人が対象です。支援担当者には修了の義務はありませんが、受講が推奨されています。
一度修了すれば、ずっと有効ですか?
いいえ。直近の修了証明書の交付日から3年以内に、もう一度受講して修了する必要があります。
講習は何時間で、どんな内容ですか?
要領では合計6.0時間です。特定技能制度の概要が1時間、入管法が1時間、労働関係法令が1.5時間、支援の行い方が1.5時間、支援責任者の職務上の留意点が0.5時間、理解度テストが0.5時間です。
テストに落ちたらどうなりますか?
20問の○×テストで正答率80%以上(16問以上)が合格の条件です。不合格の人には修了証明書は交付されません。
受講料はいくらですか?
入管庁の案内と要領には金額が書かれていません。講習機関が受講料を決め、対象と金額を日程書で示すとされているため、各機関の案内で確かめてください。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における養成講習について」(確認日:2026年10月16日、次回確認:2026年12月16日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における養成講習機関選定に係る要領」(令和8年9月策定)(確認日:2026年10月16日、次回確認:2026年12月16日)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(更新情報)(確認日:2026年10月16日、次回確認:2026年12月16日)