この記事の対象:登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する特定技能所属機関の担当者、委託契約書を用意する登録支援機関の担当者

第5-10号は、提出せず事務所に備え置く委託契約書の様式

支援を登録支援機関に任せるときの契約書の雛形で、在留申請や届出の添付書類ではありません。

入管庁の参考様式のページには、第5-10号が「支援委託契約書」として、Word様式と記載例つきで掲載されています。記載例の欄外には、この契約書は在留諸申請の際に提出が必要なものではなく、支援を行う事務所に備え置くよう注記があります。

運用要領(令和8年8月版)は、特定技能所属機関が作る「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」の1つとして、「支援の委託契約に関する管理簿」を挙げています。この管理簿のうち、支援業務に関する事項には、支援委託契約書(参考様式第5-10号)が示されています。もう1つの記載事項は、支援経費の収支(支援委託費を含む)です。

委託契約を結んだ後の届出(締結・変更・終了は14日以内)は支援委託契約の届出のガイドで確認できます。

記載例の条文は第1条から第9条

記載例は、甲(特定技能所属機関)、乙(登録支援機関)、丙(1号特定技能外国人)の3者を置き、9つの条で構成されています。

冒頭では、甲が雇用する丙の1号特定技能外国人支援計画について、乙に支援業務を委託する契約であることを書きます。末尾は、本書面を2通作成し、甲乙が各1通を保有する旨と、締結日、甲乙の記名押印欄です。

各条の見出しと中身は次のとおりです。記載例に入っている社名・金額・期間の具体的な数字は例示なので、自社の契約に合わせて決めます。

第5-10号の記載例の条文
条見出し記載例の中身
第1条委託する支援業務支援計画の全部の実施を乙に委託。11の支援を列挙
第2条委託料別紙の内訳のとおり月額を支払う。支払方法。第1条に無い業務が生じたときは別途協議
第3条費用の負担第1条の業務に必要な費用は乙が負担
第4条乙の遵守すべき事項法令の遵守、個人情報・業務上の機密情報の漏えいと目的外使用の禁止
第5条実施状況の報告乙が甲へ適時報告。丙からの相談・苦情は本人の同意なく甲に報告しない
第6条契約期間等期間、期間満了1か月前までの意思表示がなければ同一条件で更新、1か月前までの申出による解約
第7条解除相手方が欠格事由または登録拒否事由に該当すると認められたとき、直ちに解除できる
第8条専属的合意管轄裁判所第一審の専属的合意管轄裁判所を定める
第9条協議定めのない事項や解釈の疑義は誠意をもって協議

第1条は支援計画の「全部の実施」を委ねる書き方

記載例の第1条は、支援計画の一部ではなく全部の実施を乙に委託する形で書かれています。

第1条の1から10は、事前ガイダンス、出入国の送迎、住居の確保と生活に必要な契約の支援、入国後の生活に関する情報提供、関係機関への同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流の促進、転職の支援、定期的な面談と法令違反の通報の10項目を、条文の言葉で書いています。

11は、分野ごとの上乗せ支援です。記載例は農業分野の例で、分野を所管する関係行政機関の長が基準を定める告示の規定に基づいて定められた支援を実施する、と書いています。委託する分野に告示で定めた支援がある場合は、この11に当たる行を、自社の分野に合わせて書きます。

委託できる範囲(全部か一部か)の考え方は支援の委託範囲のガイドで確認できます。

別紙は1名当たりの月額を10項目で示す費用内訳

第2条の「別紙に記載した内訳」にあたる書類が、第5-10号の別紙「支援委託費用内訳(特定技能外国人1名当たりの月額)」です。

別紙には、事前ガイダンス費用、出入国する際の送迎、住居確保・生活に必要な契約支援、生活オリエンテーション、公的手続等への同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援、定期的な面談・行政機関への通報の10項目が並びます。各項目に金額と、徴収時期(随時か定期か)を書き、最後に合計欄があります。

注意書きは、1名当たりの月額を書くことと、合計欄に1から10までの合計を書くことです。複数の支援を1つの項目にまとめて書いてよいこと、項目を「人件費」「交通費」などの費目で示してもよいことも、欄外に書かれています。

欄外には、この内訳は予定費用であり、契約を結ぶときの額が必ずしも説明書と一致する必要はないが、受入れ機関に対して支援業務に要する費用の額とその内訳を示す必要がある、という注記もあります。

登録の申請で出す同じ趣旨の様式(第2-8号)は支援委託手数料の説明書のガイドで整理しています。

  • 金額は特定技能外国人1名当たりの月額で書いた
  • 10項目の合計が合計欄と合っている
  • 各項目の徴収時期(随時か定期か)を書いた
  • 契約書の第2条の月額と別紙の合計が対応している

別紙の月額を、試算ツールで初年度の費用の中に置いて見る

別紙は1名当たりの月額の内訳なので、見積の月額を受入れ費用の全体の中で見るには、初年度の合計に入れて確かめます。

試算ツールには、支援の体制として「全部委託」を選ぶ入力があります。委託先から別紙つきの見積が届いたら、その金額を入力し、見積済みの金額として初年度の合計に含めて概算できます。

概算はあくまで目安です。契約書の別紙の金額は予定費用で、実際の費用は委託先の見積書と、管轄の地方出入国在留管理局の案内で確認します。

委託費を入れた初年度の概算は、受入れ費用の試算ツール(全部委託)で出せます。

契約を結ぶ前に、記載例と自社の契約案を並べて確かめる点

記載例は雛形です。自社の契約案を、条文の骨格と別紙に照らして確かめます。

委託先から契約案が出てきたら、第1条に支援の項目が漏れなく書かれているか、別紙の10項目と第2条の月額が結びついているかを見ます。委託料の月額に含まれない支援や実費がある場合は、記載例の第2条第3項のような別途協議の定めで扱われることになるため、その範囲を契約の前に書面で確かめておくと、後の食い違いを防げます。

契約書の様式は参考様式であり、個別の契約内容が適切かどうかは、このガイドでは判断できません。個別の契約は、委託先の登録支援機関と、管轄の地方出入国在留管理局の案内に基づいて確認してください。

委託先の比べ方と見積書の見方は支援機関の選び方のガイドで確認できます。

  • 第1条に、委託する支援の全項目と分野ごとの上乗せ支援が書かれている
  • 第2条の月額と別紙の内訳が対応している
  • 月額に含まれない費用の範囲が、書面で分かる
  • 契約期間・更新・解約の期限が、第6条の形で書かれている
  • 契約書を事務所に備え置く場所と担当者を決めた

よくある質問

第5-10号は、在留申請や届出のときに出しますか?

記載例の注記は、在留諸申請の際に提出が必要なものではなく、支援を行う事務所に備え置くよう求めています。運用要領は、支援の委託契約に関する管理簿に、この契約書を示しています。

契約書や管理簿は、どのくらいの期間保存しますか?

運用要領は、1号特定技能外国人支援の状況に係る文書を、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上、支援を行う事業所に備え置くよう求めています。

別紙の費用内訳は、第2-8号と同じものですか?

どちらも1名当たりの月額を10項目で示す様式で、予定費用であり契約時の額と一致する必要はないという注記も共通です。第2-8号は登録支援機関が登録申請で出す書類、第5-10号の別紙は委託契約書に付ける内訳です。

様式はどこで入手できますか?

入管庁の特定技能の参考様式のページに、第5-10号がWord形式と記載例で掲載されています。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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