この記事の対象:特定技能所属機関の定期届出の作成担当者、所属機関から支援の実施状況の共有を求められる登録支援機関の担当者

月平均に入れる月・入れない月と、四捨五入の位置

「労働条件等」の欄は、対象期間(4月1日から翌年3月31日)に受け入れた特定技能外国人について、月平均の数字を書きます。

作成要領は、月の途中で受入れを始めた月、または終えた月は、平均に含めないとしています。反対に、休業日(短時間休業を含む)があった月は、1か月まるごと休業した月も含めて平均を出します。

対象期間中に特定技能2号へ移った人は、2号の欄に、変更許可を受けた月(月の途中なら翌月)以後の状況だけを書きます。作成要領の例では、9月15日に2号への変更許可を受けた場合、9月分までは書かず、10月分以降で平均を出します。

1号または2号としての雇用期間が1か月未満になる場合は、その列の(1)から(6)に0を書き、備考欄に「1か月未満」と書きます。作成要領の例では、2024年4月15日に受入れを始め、2025年4月14日に雇用契約を終えた人は、2025年4月分が4月1日から14日までしかないため、この扱いになります。

同じ機関で別の在留資格から「特定技能」へ変更した人は、Q&Aによると、変更許可を受けた月の翌月に支給された給与から算定の対象にします。

これらの数字を書いて届け出るのは、特定技能所属機関です。入管庁の「よくある誤り集」は、登録支援機関に支援を委託していても、定期届出ができるのは特定技能所属機関だけで、登録支援機関は定期届出を行えないとしています。入管庁の届出のページによると、支援の全部を委託している場合は、登録支援機関による支援の実施状況も所属機関が取りまとめて提出します。

第3-6号「労働条件等」の数字の丸め方(作成要領)
項目書き方
(1)実労働日数、(2)所定内実労働時間数、(3)超過実労働時間数月平均を小数点第1位で四捨五入し、整数で書く
(4)きまって支給する現金給与額、(5)賞与・期末手当等の特別給与額(4)は月平均、(5)は支払われた人数で割った平均額。ともに小数点第1位で四捨五入し、整数で書く
(6)控除額①から④それぞれを小数点第1位で四捨五入し、整数で書く
(7)昇給率小数点第2位で四捨五入し、小数点第1位まで書く

(1)から(6)の個別項目:数え方で間違えやすい点

実労働日数は、有給休暇で全く働いていない日や休業日を含みません。短時間休業で1時間でも働いた日と、休日労働の日は含みます。

(4)きまって支給する現金給与額は、超過労働給与額を含めた月平均です。休業手当のように、労働契約や就業規則で支給条件があらかじめ決まっていて、①から④に当てはまらない手当は、項目名を書かず、金額を(4)に含めます。Q&Aは、控除前の支給額を書くよう答えています。

作成要領が挙げる「よくある間違い」は2つです。1つ目は、①超過労働給与額に、割増し分(0.25倍の部分)だけを書く、または所定労働時間内の深夜労働を含めるもの。時間外手当は全額(1.25倍分)を書きます。

2つ目は、①から④以外の手当を支給しているときに、①から④の手当名を書き換えて金額を入れるもの。手当名は修正せず、その金額は(4)に含めます。

超過労働給与額の記載例は、所定労働時間が7時間30分で、19時30分まで働き、時給900円の場合です。所定労働時間を超えて法定労働時間(8時間)以内の0.5時間は割増しがつかず、法定労働時間を超えた2時間は1.25倍です。

900円×0.5時間=450円、900円×2時間×1.25=2,250円で、合計2,700円になります。超過実労働時間は2.5時間です。

(5)の特別給与額には、賞与や期末手当のほか、一時的・突発的な理由で支給された給与(大入袋など)、算定期間が3か月を超えて支給された給与(半年ごとに6か月分払う通勤手当など)が含まれます。なお、社会保険の賞与支払届は、定期届出とは別の手続です。

社会保険の賞与支払届は賞与支払届のガイドで確認できます。

  • 月の途中で受入れを始めた月・終えた月を平均から外した
  • 休業があった月も平均に入れた
  • (4)は控除前の額で、①から④以外の手当も含めた
  • ①の超過労働給与額は、割増し分だけでなく時間外手当の全額にした
  • ①から④の手当名を書き換えていない

昇給率:2年以上受け入れた人だけ、手当を除いた額で計算する

昇給率を書くのは、届出書を作る年度の4月1日時点で、同じ機関が同じ在留資格で継続して2年以上同じ人を受け入れている場合です。

作成要領は、1号としての受入れが2年未満の人、または2号としての受入れが2年未満の人しかいない場合は、記載は不要としています。1号と2号の期間を足すと2年以上になっても、どちらの在留資格でも2年に届かないときは不要です(作成要領は、1号の途中で2号へ変更許可を受けた人を例に挙げています)。

計算は、(4)きまって支給する現金給与額から、①から④の合計を除いた額で行います。作成要領の例では、1号の2人(A・B)について、この除いた後の額が、前々年度は185,000円と184,000円、前年度は190,000円と189,000円です。

(379,000円−369,000円)÷369,000円×100=2.71…%で、小数点第2位を四捨五入して「2.7%」と書きます。2号の1人(C)は184,500円から193,000円で、4.6%です。

よくある間違いは、書き方の取り違えです。昇給していないときに「100%」と書くのは誤りで、「0%」と書きます。

昇給率が5%のときに「105%」と書くのも誤りで、「5.0%」と書きます。1号と2号の両方に2年以上の人がいる場合は、それぞれの賃金の平均の上昇率を別々に出します。

別紙1の年間の数字:活動日数と報酬の支給総額

定期届出では、第3-6号本体のほかに、別紙1(特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況)も提出します。別紙1の年間の数字は、月平均ではなく、対象期間の合計を書きます。

Q&Aによると、「活動日数の総数(年間)」には、対象期間中に実際に特定技能所属機関で就労した日数を書きます。有給・無給を問わず、休暇などで就労していない日は含みません。一方、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援(生活オリエンテーションなど)と、職務命令による出張・研修の日は含めます。

交代制勤務や、勤務時間が午前0時をまたぐ設定(例:22時から7時、休憩1時間)の場合は、1日と書きます。Q&Aは、これが当てはまるのは交代制勤務、または雇用条件書で当初から勤務時間が8時間以内で午前0時を超えると指定されている場合に限ると答えています。

「報酬の支給総額(年間)」は、対象期間中に支払われた額を、基本賃金に諸手当を加え、税金などを控除する前の額で書きます。毎月20日締め・翌月10日払いなら、4月10日から翌年3月10日に支払われた給与の合計です。活動日数の総数と対応しない場合でも差し支えない、とQ&Aは答えています。

平均の計算例:在籍月数で割る

年度の途中から働き始めた人がいる場合、Q&Aは、全員の年間の合計を、全員の在籍月数の合計で割る方法を示しています。

Q&Aの例では、月給が30万円のAと20万円のBが12か月、20万円のCが6か月在籍しています。年間の合計は、Aが360万円、Bが240万円、Cが120万円で、合計720万円です。在籍月数の合計は12+12+6=30か月なので、720万円÷30か月=24万円になります。

つまり、人数で割って平均を出すのではなく、金額の合計と月数の合計で割ります。この考え方は「きまって支給する現金給与額」の月平均についてのQ&Aの例です。実際の対象月の扱い(月の途中の開始・終了の月を除く、など)は、前の節の作成要領に従ってください。

よくある質問

定期届出の月平均は、小数点以下をどうしますか?

作成要領は、(1)実労働日数から(6)控除額までを小数点第1位で四捨五入して整数で書くとしています。昇給率だけは、小数点第2位で四捨五入して小数点第1位まで書きます。

「きまって支給する現金給与額」は控除前と控除後のどちらですか?

出入国在留管理庁のQ&A(令和8年5月)は、控除前の支給額を書くと答えています。

昇給していないとき、昇給率は何と書きますか?

作成要領は「0%」と書くよう示しています。「100%」は前々年度から前年度で2倍になったことを意味するため誤りです。5%の昇給なら「5.0%」と書きます。

雇用期間が1か月に満たない人は、労働条件等をどう書きますか?

その人の在留資格(1号または2号)の列の(1)から(6)に0を書き、備考欄に「1か月未満」と書きます。

年度の途中で2号に移った人の労働条件等は、どちらの欄に書きますか?

作成要領は、2号の欄に、変更許可を受けた月(月の途中なら翌月)以後の状況を書くとしています。9月15日に変更許可を受けた例では、9月分までは書かず、10月分以降で平均を出します。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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