この記事の対象:1号特定技能外国人への生活オリエンテーションを自社で行う受入れ機関や、委託先の説明項目を点検したい登録支援機関の担当者
根拠:省令の「本邦での生活一般」8項目
生活オリエンテーションのうち、生活一般に関する情報提供の事項は8つに分かれています。
運用要領の別冊(1号特定技能外国人支援計画の基準について)は、特定技能基準省令第3条第1項第1号ニ(1)の「本邦での生活一般に関する事項」として、情報提供しなければならない事項を8つ挙げています。
8項目は、金融機関の利用方法、医療機関の利用方法等、交通ルール等、交通機関の利用方法等、生活ルール・マナー、生活必需品等の購入方法等、気象情報や災害時に行政等から提供される災害情報の入手方法等、我が国で違法となる行為の例です。防災・防犯・急病の対応は、同じ号ニの(5)にあり、別のガイドで扱っています。
緊急時の通報先や避難情報の説明項目は緊急・災害時の説明項目のガイドで確認できます。
| 項目 | 別冊が挙げる主な内容 |
|---|---|
| 金融機関の利用方法 | 入出金・振込の方法、利用できる時間、ATMの使い方、手数料、出国時の口座閉鎖 |
| 医療機関の利用方法等 | 症状別に利用できる医療機関、受診方法、保険証の持参、アレルギー・宗教上の治療の制限の申告 |
| 交通ルール等 | 歩行者と車両の通行、自転車損害賠償責任保険への加入、運転免許の必要性 |
| 交通機関の利用方法等 | 通勤に最適な公共交通機関、勤務先までの経路と所要時間、定期券・切符・ICカード |
| 生活ルール・マナー | ごみの分別・収集日・粗大ごみ、騒音、無断で空き地や畑に入らないこと、喫煙の制限 |
| 生活必需品等の購入方法等 | 地域のスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、家電量販店の所在地 |
| 気象・災害情報の入手方法 | 気象情報・災害情報のホームページ、アプリ、出身国別の外国人向けコミュニティサイト |
| 我が国で違法となる行為の例 | 銃砲刀剣類の所持の禁止、違法薬物の所持等は犯罪、在留カードの不携帯は犯罪、在留カード・健康保険証等の貸し借りの禁止 |
金融機関と医療機関:口座の閉鎖と、治療の制限の申告まで説明する
金融機関と医療機関の項目は、利用開始時だけでなく、出国時や受診時の注意も含みます。
金融機関では、入出金や振込の方法、利用できる時間、ATMの使い方、手数料を説明します。出国するなどで自己名義の口座が不要になるときは、口座を閉鎖する手続を行うこと、将来再び入国するときのために口座を使い続けたい場合は出国前に銀行に相談することも、別冊に書かれています。
医療機関では、症状別に利用できる医療機関、受診の方法、保険証を持参することを説明します。アレルギーや宗教上の理由で治療に制限がある場合は、医療機関にその旨を説明することも項目に入っています。
交通ルール・交通機関・生活ルール・買い物:本人の通勤と住まいに即して伝える
この4項目は、地域や勤務先によって内容が変わるため、本人の生活圏に合わせて準備します。
交通ルール等では、歩行者は右側通行、車両は左側通行で歩行者優先であること、自転車を運転する場合は自転車損害賠償責任保険への加入などを挙げています。自動車やバイクを運転する場合は運転免許が必要であることを説明し、必要に応じて運転免許の取得方法や自動車保険の任意保険への加入にも触れます。
交通機関では、就労・生活する地域の公共交通機関とその利用方法、勤務先までの経路と所要時間、通勤定期や切符、ICカードの購入と利用方法を挙げています。生活ルール・マナーでは、ごみの分別・出し方・収集日・粗大ごみの捨て方、夜中の騒音を控えること、空き地や畑に無断で入らないこと、喫煙に一定の制限があることを説明します。
生活必需品等の購入方法では、就労・生活する地域のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、家電量販店の所在地等を伝えます。
- 勤務先までの経路と所要時間を、本人と一緒に実際の経路で確認した
- ごみの分別表と収集日を、住居の地域のものにして渡した
- 自転車を使う場合の損害賠償責任保険の案内をした
- 最寄りのスーパー・コンビニ・ドラッグストアの所在地を示した
気象・災害情報と、参考にできる入管庁の資料
最後の項目は気象・災害情報で、別冊は参考にできる入管庁の資料も案内しています。
気象・災害情報の入手方法では、気象情報や災害情報に関するホームページ、アプリ、出身国別の外国人向けコミュニティサイトなどを挙げています。
別冊は、情報提供の参考として、入管庁の外国人生活支援ポータルサイトと生活・就労ガイドブックを参照するよう案内しています。生活オリエンテーション動画は17言語で、生活上のルールや仕事、税金などの基本情報を紹介しており、実施の際に活用できます。
生活一般に関する事項や防災・防犯・急病の対応に関する情報は、必要に応じて、後記の定期的な面談で改めて提供することが求められる、とも書かれています。一度説明して終わりにせず、面談の機会に確認します。
実施時間や確認書など全体の進め方は生活オリエンテーションのガイドで確認できます。
よくある質問
生活一般の項目は、いくつありますか?
運用要領の別冊は、金融機関、医療機関、交通ルール、交通機関、生活ルール・マナー、生活必需品の購入、気象・災害情報の入手方法、違法となる行為の例の8項目を挙げています。
出国時の銀行口座についても説明しますか?
はい。別冊は、自己名義の口座が不要になるときは閉鎖の手続を行うこと、再入国に備えて口座を使い続けたい場合は出国前に銀行に相談することを挙げています。
自転車の保険も説明の対象ですか?
別冊の交通ルール等の項目に、自転車を運転する場合は自転車損害賠償責任保険への加入等が入っています。
説明した内容は、後でもう一度伝えますか?
別冊は、生活一般に関する事項などを、必要に応じて定期的な面談で改めて提供することが求められるとしています。
参照した公的一次資料
- 法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 出入国在留管理庁「外国人生活支援ポータルサイト」(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)