この記事の対象:特定技能人材の採用前に、分野ごとの技能試験の難しさを知りたい受入れ企業の担当者、登録支援機関、送出し側の関係者
出入国在留管理庁が公表する令和7年度の試験実施状況報告書から、介護・製造・建設・外食業など16の報告書が書く合格率を、1号・2号に分けて並べます。分野で差が出る理由と、数字を使うときの注意点も整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
この合格率は何か:試験実施状況報告書の評価文に書かれた数字
出入国在留管理庁の「特定技能制度に係る試験関係」のページには、分野ごとの令和7年度の試験実施状況報告書(PDF)が載っており、各報告書の評価文に合格率が書かれています。
この表の合格率は、各報告書の評価文に書かれた数字をそのまま転記したものです。報告書の別紙には国・都市・月ごとの受験者数と合格者数が並びますが、全体の合計行はないため、この表では国別の行を足し合わせず、評価文が示す数字だけを使っています。
評価文の書き方は分野ごとに異なります。「約」「程度」と書かれた数字は、そのまま「約」「程度」として扱ってください。農業と自動車整備は、評価文に合格率の数字がないため、表に入れていません。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に係る試験関係」(分野別の令和7年度試験実施状況報告書)(確認日:2026年10月11日)
分野別の合格率:1号は製造約28%から造船・舶用工業86.4%まで
1号の合格率は、製造の約28%が最も低く、造船・舶用工業の86.4%程度が最も高くなっています。
介護は技能評価試験が82%程度、日本語評価試験が66%程度です。建設は1号が39.2%、2号が41.2%で、どちらも令和8年3月時点の数字です。ビルクリーニングは1号が約65.1%、2号が13.1%程度で、2号の合格率が大きく下がります。
航空は、空港グランドハンドリングの1号が59.1%、2号が7.3%で、航空機整備の1号は64.0%です。航空機整備の2号は受験者1名・合格者1名で、割合の比較には使えません。自動車運送業はトラック71.3%、タクシー75.3%、バス84.9%と、業務区分ごとに書かれています。
林業は受験者51名のうち合格者30名で58.8%、木材産業は受験者419名のうち合格者212名で約51%です。この2分野は、評価文が1号・2号を分けずに書いています。
| 分野 | 1号 | 2号 | 報告書の書き方 |
|---|---|---|---|
| 介護 | 技能82%程度・日本語66%程度 | - | 技能と日本語の2試験を別に記載 |
| ビルクリーニング | 約65.1% | 13.1%程度 | 2号は技能検定1級より低いと評価 |
| 製造(工業製品製造業) | 約28% | 約55% | 1号は技能検定3級の約59%より低いと評価 |
| 建設 | 39.2% | 41.2% | 令和8年3月時点 |
| 造船・舶用工業 | 86.4%程度 | 84.1%程度 | 技能検定より高い傾向と評価 |
| 航空(空港グランドハンドリング) | 59.1% | 7.3% | 2号は初回実施で準備期間が短かったと評価 |
| 航空(航空機整備) | 64.0% | 受験者1名・合格者1名 | 2号は人数が少なく比較できない |
| 宿泊 | 67%程度 | 39%程度 | - |
| 自動車運送業 | トラック71.3%・タクシー75.3%・バス84.9% | - | 業務区分ごとに記載 |
| 鉄道 | 約84% | - | 令和8年3月時点 |
| 飲食料品製造業 | 52.9% | 55.0% | - |
| 外食業 | 平均66.0% | 54.1% | - |
| 林業 | 58.8%(受験者51名・合格者30名) | - | 1号・2号を分けず記載 |
| 木材産業 | 約51%(受験者419名・合格者212名) | - | 1号・2号を分けず記載 |
| 漁業 | 約60% | 約30% | - |
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に係る試験関係」(分野別の令和7年度試験実施状況報告書)(確認日:2026年10月11日)
数字の読み方:分野の差は、難しさだけでなく受験者の層でも変わる
合格率の差は、試験の難しさだけでなく、受験者の経験や学習の状況でも変わるため、分野どうしの優劣としては読めません。
製造の報告書は、1号の合格率が技能検定3級より低い理由として、受験者の半数以上が業務経験なし、または1年未満であることを挙げています。2号は受験者の95%以上が1号の在留資格で、実務経験を積んでから受けているため、合格率が高くなると説明しています。
飲食料品製造業と外食業の報告書は、合格率が水準よりやや高めに出た理由として、受験者が公表された学習用テキストで準備していることを挙げています。試験の水準は、実務経験2年程度の人が受けて7割程度が合格する水準などと、各分野の試験実施要領で定められています。
同じ分野でも年度や実施時期で数字は変わります。航空の2号のように初めて実施した試験は、受験者が少なく、その後の結果を見て判断するとされています。
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に係る試験関係」(分野別の令和7年度試験実施状況報告書)(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月8日)
数字を使う前に確認すること:年度・分野の範囲・採用判断への使い方
この合格率は分野全体の試験結果であり、候補者個人の合格や採用の可否を示す数字ではないため、使うときは年度と出典を添えてください。
試験実施状況報告書は年度ごとに公表されます。令和8年度分が掲載されたら、数字は差し替わります。個別の試験の日程や申込方法は、分野ごとの試験実施機関のページで確認してください。
日本語の試験は技能試験とは別の報告書で、合格率の考え方も異なります。採用の判断は、この合格率ではなく、候補者の試験の合格証明や在留資格の要件、受入れ企業側の要件で決まります。個別の判断は、登録支援機関や関係機関へ確認してください。
- 数字を引用するときは、令和7年度の試験実施状況報告書の評価文であることを添える
- 「約」「程度」と書かれた数字は、そのまま「約」「程度」として扱う
- 農業・自動車整備は評価文に合格率の数字がないため、この表から読み取らない
- 分野どうしの合格率は、受験者の経験や学習の状況が違うため、優劣として比べない
- 候補者の試験の合否は、試験実施機関が発行する合格の結果で確認する
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に係る試験関係」(分野別の令和7年度試験実施状況報告書)(確認日:2026年10月11日)、出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日)
よくある質問
特定技能の技能試験で、合格率が最も低い分野はどこですか?
令和7年度の報告書の評価文では、1号は製造(工業製品製造業)が約28%で最も低く、次いで建設の39.2%です。2号は航空(空港グランドハンドリング)の7.3%、ビルクリーニングの13.1%程度が低くなっています。
介護の技能試験の合格率はどのくらいですか?
令和7年度の報告書の評価文では、介護技能評価試験が82%程度、介護日本語評価試験が66%程度です。
農業や自動車整備の合格率が表にないのはなぜですか?
令和7年度の報告書の評価文に、合格率の数字が書かれていないためです。この表は、評価文の数字だけを転記しています。
合格率は国ごとに違いますか?
報告書の別紙には、国・都市ごとの受験者数と合格者数が載っています。この表は分野全体の評価文の数字を使っており、国別の合格率は扱っていません。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に係る試験関係」(分野別の令和7年度試験実施状況報告書)(確認日:2026年10月11日、次回確認:2027年10月31日)
- 出入国在留管理庁「分野別情報」(確認日:2026年10月8日、次回確認:2026年10月15日)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(確認日:2026年7月26日、次回確認:2026年10月26日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
次に確認すること
関連ページ:特定技能2号の評価試験を分野別に確認する
関連ページ:1号の技能試験の合格基準を確認する
関連ページ:日本語試験の種類と合格水準を確認する
関連ページ:国籍別・都道府県別の在留者数を確認する
関連ページ:介護の技能・日本語試験の国別合格率を見る
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