この記事の対象:監理型育成就労の受入れを検討する企業の担当者、監理支援機関の担当者、監理支援機関の見積書を比べる人事担当者
監理支援費は4種類で、実費の範囲に限られる
監理支援機関が受入れ企業から徴収できるのは、規則第56条の4種類の監理支援費だけです。
外国人育成就労機構の運用要領第5章によると、監理支援機関が受入れ企業などから徴収できるのは、規則第56条が定める種類と額の監理支援費です。用途と金額をあらかじめ明示したうえで、実費のみを徴収できます(法第28条第2項)。
それ以外の場合は、いかなる名義でも手数料や報酬を徴収できません。育成就労外国人には、直接にも間接にも負担を求められません(法第28条第1項)。種類は職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費の4つで、いずれも実費に限る旨が規則に書かれています。
| 種類 | 対象となる費用 | 徴収の始まる時点 |
|---|---|---|
| 職業紹介費 | 受入れ企業と外国人との雇用関係の成立のあっせんに係る事務の費用 | 受入れ企業から求人の申込みを受理した時以降 |
| 講習費 | 監理支援機関が実施する入国前講習と入国後講習の費用 | 入国前講習は入国前講習の開始日以降、入国後講習は入国後講習の開始日以降 |
| 監査指導費 | 受入れ企業に対する監査と指導の費用 | 外国人が受入れ企業の事業所で働き始めた時以降、一定期間ごと |
| その他諸経費 | 育成就労の適正な実施と外国人の保護に資する費用 | その費用が必要となった時以降 |
種類ごとに含まれる費用の例:運用要領が挙げる項目
運用要領は、4種類のそれぞれに含まれる費用の例を挙げています。
職業紹介費の例は、募集と選抜に要する人件費と交通費(送出機関や受入れ企業との連絡・協議を含む)、外国の送出機関へ支払う費用です。送出機関への費用には、監理支援機関への取次ぎに要する人件費・事務諸経費・送出管理費などと、取り次ぐ前に送出機関が行った事前講習(入国前講習に当たらない日本語学習や生活指導)や健康診断の費用が含まれます。
送出機関が外国で外国人本人から徴収する手数料は、一般論としてあっせんに係るものではなく、職業紹介費に含まれないとされています。講習費の例は、監理支援機関が支出する施設使用料、講師と通訳人への謝金、教材費、外国人に支給する講習手当、講習を委託する場合の委託費です。監査指導費は、受入れ企業への監査と指導に要する人件費、交通費などです。
その他諸経費は、前の3つに含まれない費用で、監理支援事業の実施に要する人件費、事務諸経費、会議などの管理的費用も含まれます。主な例は、外国人の渡航と帰国の費用(帰国までの生活支援を含む)、相談対応や支援の費用、受入れ企業の倒産などで育成就労を続けられなくなった場合の対応費用、在留資格に関する申請の取次ぎの費用です。ただし、申請手数料(印紙代)や各種証明書の発行費用など、申請者である外国人本人が当然に負担する費用は除かれます。
- 見積書の項目が4種類のどれに当たるか分かれているか
- 外国で外国人本人から徴収する手数料を職業紹介費に入れていないか
- 外国人本人が負担する申請手数料や証明書の費用を、その他諸経費に入れていないか
徴収時点・料金表・預託:実費の確定前でも預託は認められる
実費は決算などで後から確定する部分があるため、運用要領は料金表に基づく事前の預託を認めています。
徴収時点として規則に書かれた「求人の申込みを受理した時以降」などは、費用の精算の時点を示すものです。渡航・帰国の費用や、受入れ企業の倒産時の対応費用のように、急に必要となる費用は、受入れ企業が事前に一定の金銭を預託し、費用が発生した時点で監理支援費として精算する方法もできます。この場合は、精算した時点が徴収時点です。
実費の確定前に、実費に相当する額を載せた監理支援費の料金表を定め、受入れ企業に預託させることもできます。ただし、預託した分は決算などの結果に基づき、実費として適正だったかを後から確認する必要があります。
料金表も、実費にふさわしい設定か不断に見直すことが求められます。料金表は業務運営規程の別表であり、これに基づいて徴収または預託させることが明確になるよう、インターネットで公表しなければなりません。
徴収額と支出額が一致することが原則です。預託額が精算した額を上回るときは、決算後の精算や次回以降の預託額の減額などで受入れ企業に返還する必要があります。
返還せずに他の用途に使った場合は、禁止されている手数料または報酬を受けたと認められることがあります。毎月定額を預託する場合も、種類ごとの預託額を明確にしておく必要があります。
- 料金表の4種類を確かめる
監理支援機関が公表する料金表が、4種類ごとに用途と金額を分けて載せているか見ます。
- 預託の条件を確かめる
預託金の精算の時期と、余った場合の返還の方法を契約書で確かめます。
- 精算の記録を求める
預託と精算の内訳が、管理簿などで確認できるか尋ねます。
送出管理費・管理簿・禁止されること
送出機関に支払う費用の扱いと、監理支援費管理簿の作成が、運用要領で具体的に示されています。
監理支援費は実費に限って徴収できます。送出機関との契約で送出管理費の支払債務がなくなったのに、その送出管理費に対応する監理支援費を徴収することは認められません。一度徴収した送出管理費は全額を送出機関へ支払う必要があり、外国人の途中帰国や行方不明などを理由に減額して支払うことはできません。
外国人の転籍や途中帰国などが起きたときに、送出機関へ支払う分を引き続き受入れ企業から徴収するかどうかは、料金表や監理支援契約書などで、あらかじめ明示することが望まれるとされています。
監理支援機関は、監理支援費を徴収した場合、収支を明らかにするため監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)を、監理支援事業を行う事業所ごとに作成して備え置く必要があります。会計帳簿の作成をもって管理簿の作成を省略することはできません。管理簿の対象期間は、事業報告書の対象期間(毎年4月1日から翌年3月31日)に合わせることが望まれます。
送出機関から、不必要な送出管理費の払戻し(いわゆるキックバック)を受けることや、外国人が送出機関に払った手数料が監理支援機関に流れていることは、法第28条第1項に抵触します。社会通念上相当と認められる程度を超える金銭や物品などを受けることも、役職員が個人として受け取る場合を含め、いかなる名義でも手数料または報酬の受領とされ得ます。
施行前の準備行為の経費は、3点に留意して徴収できる
育成就労法の施行前に、技能実習の監理団体が準備行為として行うあっせんの経費にも、同じ考え方が当てはまります。
運用要領によると、育成就労計画の認定申請に要した経費を含め、準備行為に要した経費は、育成就労制度の施行前に徴収できます。徴収するときは、監理型育成就労外国人になろうとする人に直接にも間接にも負担させないこと、受入れ企業になろうとする者にあらかじめ用途と金額を明示すること、実費のみを徴収することに留意する必要があります。
この場合も、徴収した監理団体は、収支を明らかにするため監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)を作成して備え置かなければなりません。具体的な金額は、監理団体や準備行為の内容で異なるため、このサイトでは目安額を示しません。見積書の内訳や、外国人育成就労機構の地方事務所など関係機関の案内で確かめてください。
よくある質問
監理支援費に上限額はありますか?
規則第56条は、4種類のそれぞれについて、実費に限る範囲の額を超えない額としています。決まった金額の上限は、確認した運用要領には書かれていません。額は監理支援機関の公表する料金表や見積書で確かめてください。
監理支援費を外国人本人に負担させてもよいですか?
運用要領は、監理支援機関が監理支援費を徴収する場合も、育成就労外国人などに直接にも間接にも負担を求めることはできないとしています。
最初に預託金を求められたら、実費より多く払うことになりますか?
運用要領は、実費の確定前に料金表に基づいて預託させることを認めています。預託額が実費を上回るときは、決算後の精算や次回の減額などで返還することが求められています。
料金表は公表されていますか?
運用要領は、監理支援費の料金表は業務運営規程の別表であり、これに基づいて徴収または預託させることが明確になるよう、インターネットで公表しなければならないとしています。個別の機関の公表状況は、各機関のサイトなどで確かめてください。
参照した公的一次資料
- 外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日、次回確認:2026年12月24日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 厚生労働省法令等データベースサービス「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則」(確認日:2026年9月25日、次回確認:2026年12月25日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。