この記事の対象:監理型育成就労の受入れを検討する企業の担当者、監理支援機関の担当者、監理支援機関の許可を検討している事業者
備えて置く帳簿書類は9種類
監理支援機関は、監理支援事業に関する帳簿書類を作成し、監理支援事業を行う事業所に備えて置かなければなりません(法第41条)。
備える帳簿書類は、規則第70条第1項が9種類を定めています。運用要領は、それぞれに記載すべき最低限の事項を示しています。
このうち最後の1種類は、育成就労産業分野のうち告示で定める特定の分野に係るものについて、その分野を所管する行政機関の長が告示で定める帳簿書類です。分野によっては、表にある書類のほかに備える書類が増える場合があります。これらの帳簿書類は、機構が行う実地検査や主務大臣が行う立入検査の際にも提示できるよう、適切に作成して備えて置く必要があります。
| 規則の号 | 帳簿書類 | 運用要領が示す例 |
|---|---|---|
| 第1号 | 監理支援を行う育成就労実施者と、その監理支援に係る育成就労外国人の管理簿 | 実施者の名簿、監理支援の契約書、外国人の名簿、履歴書及び申告書(参考様式第1-4号)、雇用契約書及び雇用条件書(参考様式第1-2号)、育成就労計画の認定に関する事項 |
| 第2号 | 監理支援費に係る管理簿 | 監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)と、記載内容を裏付ける請求書・領収書の写しなど |
| 第3号 | 雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿 | 管理簿(参考様式第4-9号)。求人に関する事項と求職に関する事項を記載 |
| 第4号 | 監査報告書 | 監査報告書(省令様式第23号)の写し |
| 第5号 | 訪問指導の内容を記録した書類 | 訪問指導記録書(参考様式は追って示す予定とされている) |
| 第6号 | 入国前講習・入国後講習の実施状況を記録した書類 | 入国前講習実施記録(参考様式第4-6号)、入国後講習実施記録(参考様式第4-7号) |
| 第7号 | 外国人から受けた相談の内容と対応を記録した書類 | 相談対応記録書(参考様式は追って示す予定とされている) |
| 第8号 | 規則第47条第3項各号に規定する書類 | 外部監査の結果を記録した書類。外部監査報告書と、同行監査の外部監査報告書(参考様式は追って示す予定とされている) |
| 第9号 | 特定の分野について、所管する行政機関の長が告示で定める帳簿書類 | 告示で帳簿書類が上乗せされている場合は、その基準に適合している必要がある |
備える場所と保管期間:育成就労の終了日から1年間
帳簿書類は事業所ごとに備え、基になった育成就労が終わった日から1年間は保管します。
保管期間は、帳簿書類の基となる育成就労が終了した日から1年間です(規則第70条第2項)。
運用要領は、書面に代えて電磁的記録で作成・保存することも認めています。この場合は、ファイルや光ディスク等で保存する方法、書面をスキャナで読み取って保存する方法のいずれかによります。あわせて、必要なときに内容を出力し、すぐに整然とした明瞭な状態で表示し、書面を作成できるようにしておく必要があります。
監理支援費管理簿の記載事項
監理支援費に係る管理簿は、監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)で作成します。
記載する事項は、監理支援費を支払った育成就労実施者の氏名または名称、支出を行った年月日、監理支援費の種類、額、算出の根拠、収支の状況の6つです。種類は、職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費の区分ごとに記載し、より詳しい費目を特定できるなら、特定したうえで書くことが望ましいとされています。
算出の根拠は、人件費や交通費など、金額のもとになった内容が分かるように記載します。管理簿のほかに、徴収した事実や算出の根拠を示す請求書・領収書の写しなどと、支出の事実を裏付ける書類(監査時の交通費や、入国後講習の講師への謝金の領収書など)も、記載内容を裏付ける資料として備えます。
監理支援費の4つの種類と実費の範囲は、監理支援費のガイドで確認できます。
あっせん管理簿の記載事項:求人と求職の両方
雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿は、参考様式第4-9号で作成します。
求人に関する事項として、求人者の氏名または名称、住所、連絡先、求人を受け付けた年月日、求人の有効期間、職業紹介の取扱状況を記載します。取扱状況には、求職者や送出機関の氏名または名称、採用か不採用かの別、採用年月日を書きます。
求職に関する事項として、外国の送出機関の氏名または名称、求職者の氏名、生年月日、希望する業務区分、求職を受け付けた年月日、求職の有効期間、職業紹介の取扱状況を記載します。求人者や求職者とのトラブルを防ぐ観点から、採否に至るまでの経緯を書いても差し支えないとされています。
あっせんのルールは、育成就労職業紹介のガイドで確認できます。
受入れ企業が確認すること
帳簿書類は監理支援機関が備えるものですが、受入れ企業にとっては、費用の説明と記録が合っているかを確かめる手がかりになります。
受入れ企業は、見積書や請求書に書かれた監理支援費の種類と額が、監理支援費管理簿の区分(職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費)と対応する説明になっているかを、監理支援機関に尋ねることが考えられます。
帳簿書類を企業が閲覧できるかどうかは、運用要領の帳簿の備付けの節には書かれていません。個別の機関の運用は、機構などの関係機関でも確かめてください。
- 見積書・請求書の費目が、職業紹介費・講習費・監査指導費・その他諸経費のどれに当たるか説明を受けたか
- 算出の根拠となる人件費や交通費などの内訳を尋ねたか
- 育成就労の終了日から1年間は記録が保管されることを確認したか
よくある質問
監理支援機関の帳簿書類は、何年保管されますか?
運用要領は、帳簿書類の基となる育成就労が終了した日から1年間としています(規則第70条第2項)。
帳簿書類は電子データで保存してもよいですか?
運用要領は、書面に代えて電磁的記録で作成・保存することも認められるとしています。ファイル等で保存する方法と、書面をスキャナで読み取って保存する方法があり、必要に応じて出力し、すぐに表示や書面の作成ができる状態にしておく必要があります。
監理支援費管理簿には、何を記載しますか?
運用要領は、監理支援費を支払った育成就労実施者の氏名または名称、支出の年月日、監理支援費の種類、額、算出の根拠、収支の状況を記載するとしています。種類は職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費の区分ごとに書きます。
参照した公的一次資料
- 外国人技能実習機構「育成就労制度運用要領 第5章 監理支援機関の許可等」(確認日:2026年9月24日、次回確認:2026年12月24日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 厚生労働省法令等データベースサービス「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則」(確認日:2026年9月25日、次回確認:2026年12月25日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。