この記事の対象:育成就労計画の認定申請を準備する企業の担当者、監理支援機関の担当者

何を確認されるか:申請者と監理支援機関が法令を遵守していること

規則第15条第10号ハは、労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令の3つを守っていることを求めます。

運用要領第4章第2節第6(13)によると、この基準を満たす必要があるのは、単独型では申請者、監理型では申請者と監理支援機関です。育成就労実施者と監理支援機関が、3分野の法令を遵守していることを求める規定とされています。

労働関係法令に違反する行為は、法第10条の欠格事由の対象となり、5年間育成就労外国人の受入れが認められないことになり得ると、運用要領は注意を促しています。法令を遵守していないことで関係行政機関から指導や処分を受けた場合は、その旨を外国人育成就労機構に申し出る必要があります。

労働関係・社会保険関係の確認書類と、遵守とされる状態

労働保険の適用事業所は未納なし証明、社会保険は適用事業所かどうかで書類が分かれます。

労働関係法令を遵守しているとは、労働基準法等の基準にのっとって雇用契約が締結されていること、雇用保険と労災保険の適用事業所であれば、適用手続と保険料の納付を適切に行っていることです。確認書類は労働保険料等納付証明書(未納なし証明)で、都道府県労働局へ申請します。受付と交付は郵送で、返信用切手を貼った返信用封筒を同封する必要があるため、余裕をもって申請するよう運用要領は求めています。

社会保険は、健康保険・厚生年金保険の適用事業所(任意適用事業所を含む)か、それ以外かで書類が異なります。適用事業所は、申請日の属する月の前々月までの24か月分の領収証書の写し、または社会保険料納入確認書が必要で、事業主本人が国民健康保険・国民年金に加入している場合は、下の表の書類を用意します。猶予制度(分割納付)の許可を受けている場合は、その通知書の写しも添えます。

労働・社会保険の確認書類(運用要領第4章第2節第6(13))
対象確認書類
労働保険の適用事業所労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
健康保険・厚生年金保険の適用事業所領収証書の写し(申請日の属する月の前々月までの24か月分全て)、または社会保険料納入確認書(同24か月分)。納付猶予・換価の猶予を受けている場合は許可通知書の写し
上記の適用事業所ではない場合(事業主本人)医療保険の資格情報の写しまたは資格確認書の写し(番号をマスキング)、国民健康保険料(税)納付証明書(直近2年度分)、国民年金保険料領収証書の写し(24か月分。この場合は被保険者記録照会回答票は不要)、または被保険者記録照会回答票と被保険者記録照会(納付Ⅱ)

租税関係の確認書類:法人と個人事業主で税目が違う

国税は納税証明書(その3)、地方税は直近2年分の納税証明書を、税目をそろえて用意します。

租税関係法令を遵守しているとは、法人であれば国税の源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税と、地方税の法人住民税を適切に納付していることです。個人事業主は、国税が源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税、地方税が個人住民税です。換価の猶予、納税の猶予、納付受託を受けている場合は、納付した扱いに含まれます。

運用要領は、育成就労外国人から特別徴収をした個人住民税を実施者が納入していないために個人住民税の未納がある場合は、租税関係法令を遵守しているものと評価しないとしています。確認書類は、国税が納税証明書(その3)、未納がある税目は未納税額のみの納税証明書(その1)で、備考欄に猶予中などの記載があるものです。地方税は、法人住民税または個人住民税の納税証明書(直近2年分)を用います。

租税関係で納付を確認される税目(運用要領第4章第2節第6(13))
区分国税の税目地方税の税目
法人源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税法人住民税
個人事業主源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税個人住民税

未納があった場合と、書類の再利用の注意点

未納があっても、機構の助言・指導に基づいて納付すれば、遵守と評価されます。

運用要領は、労働保険料、社会保険料、税のいずれも、未納があった場合でも、機構(地方事務所・支所)の助言・指導に基づいて納付手続をすれば、法令を遵守しているものと評価するとしています。未納となっている分は納付するよう求められています。

書類の再利用については、同一年度内の別の認定申請であれば改めて提出する必要はありませんが、年度をまたぐ場合は各種証明書の提出が必要です。同一年度内に地方出入国在留管理局へ特定技能の申請や届出で出した書類の写しは転用できます。ただし、証明の対象期間が足りない場合は、不足する期間分を追加で取得します。

たとえば、過去2年分を求められているのに特定技能では1年分を出していたなら、残りの期間の書類が必要です。出入国在留管理局は、提出済み書類の写しの交付や返却はしません。機構が検査で必要に応じて領収書や証明書の提出を求めることもあります。

  • 労働保険、社会保険、税のそれぞれについて、未納がないか申請前に確認したか
  • 証明書の対象期間(社会保険は24か月分、地方税は直近2年分)が足りているか
  • 特定技能の申請で出した書類を使い回す場合に、対象期間が不足していないか
  • 特別徴収した個人住民税を、期限までに納入しているか

よくある質問

社会保険料などの未納があると、認定は受けられませんか?

運用要領は、未納があっても、外国人育成就労機構の助言・指導に基づいて納付手続をした場合は、法令を遵守しているものと評価するとしています。未納分は納付する必要があります。

特別徴収した外国人従業員の個人住民税を納めていない場合はどうなりますか?

運用要領は、育成就労外国人から特別徴収した個人住民税を実施者が納入していないことで個人住民税の未納がある場合は、租税関係法令を遵守しているものとは評価しないとしています。

特定技能の申請で出した納税証明書などを、育成就労の認定申請に使えますか?

同一年度内に特定技能の申請や届出で提出した写しは転用できます。ただし、必要な対象期間に足りない場合は、不足する期間分を別に取得して提出します。

労働関係法令に違反すると、どのような影響がありますか?

運用要領は、特に労働関係法令に違反する行為は法第10条の欠格事由の対象となり、5年間育成就労外国人の受入れが認められないことになり得るとしています。

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