この記事の対象:育成就労計画の認定申請を準備する企業の総務・労務の担当者、監理支援機関の担当者
保険関係の成立届を出すのは誰か
規則第15条は、育成就労実施者の事業について、労災保険に係る保険関係の成立の届出などの措置を求めています。
運用要領第4章第2節第6(4)によると、単独型育成就労では申請者が、監理型育成就労では申請者または監理支援機関が、申請者の事業に関する労働者災害補償保険法による労災保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じている必要があります。
運用要領は、育成就労実施者または監理支援機関は、育成就労実施者の事業に関する保険関係の成立の届出をしなければならないとしています。注記として、労働保険事務組合のように、事業主の委託を受けて労働保険の事務を処理することについて厚生労働省の認可を受けた中小事業主等の団体が対応する場合があるとも書かれています。
暫定任意適用事業になる場合:手続か民間の任意保険か
労災保険の暫定任意適用事業にあたる場合は、保険関係の手続をするか、民間の任意保険に加入します。
運用要領は、労災保険の暫定任意適用事業となる場合には、暫定任意適用事業として保険関係の手続を行うか、「その他これに類する措置」として民間の任意保険に加入しなければならないとしています。暫定任意適用事業となる事業として、3つが挙げられています。
民間の任意保険に加入する場合で、契約した保険の補償内容では適切に補償されないとき、たとえば業務上の事由または通勤による負傷は補償するものの疾病は補償しないときは、補償の範囲外の項目について育成就労実施者または監理支援機関が自ら補償する必要があると書かれています。
| 事業 | 条件 |
|---|---|
| 個人経営の農家 | 労働者数5人未満で、特定の危険または有害な作業を主として行う事業以外のもの |
| 個人経営の林業 | 労働者を常時は使用せず、年間使用延労働者数が300人未満 |
| 個人経営の畜産・養蚕・水産 | 労働者数5人未満(総トン数5トン未満の漁船による事業等を含む) |
確認される書類:加入先で変わる
確認対象は申請者の誓約書(参考様式第1-8号)に加え、加入する保険によって別の書類が示されています。
労災保険に加入する場合は、労働保険番号が付与された保険関係成立届(事業主控)の写しが確認書類です。年度更新における領収証書または通帳の写し等でもよいとされています。
民間の任意保険に加入する場合は、その加入が確認できる契約書等の書類が確認書類です。
| 加入先 | 書類 |
|---|---|
| 共通 | 申請者の誓約書(参考様式第1-8号) |
| 労災保険 | 労働保険番号が付与された保険関係成立届(事業主控)の写し(年度更新の領収証書または通帳の写し等でも可) |
| 民間の任意保険 | 加入が確認できる契約書等の書類 |
監理型では入国後講習の期間は加入が義務付けられていない
監理型育成就労では、入国後講習の期間は実施者との雇用関係が成立していません。
運用要領は、入国後講習期間中については、監理型育成就労では育成就労実施者との雇用関係が成立していないため、入国後講習期間中の保険の加入は義務付けられていないと書いています。
運用要領が述べているのは、監理型育成就労の入国後講習期間についてです。個別の場合の取り扱いに迷うときは、関係機関に確認してください。
- 保険関係成立届は誰の名義で出すか(実施者か監理支援機関か)
- 暫定任意適用事業にあたるか
- 民間の任意保険の補償範囲に疾病や通勤災害が含まれるか
- 確認書類(保険関係成立届の写しまたは契約書等)がそろっているか
よくある質問
労災保険の保険関係成立届は、監理支援機関が出してもよいですか?
監理型育成就労では、申請者または監理支援機関が措置を講じていることが求められています。運用要領は、育成就労実施者または監理支援機関が実施者の事業に関する成立届をしなければならないとしています。
個人経営の農家で労働者が5人未満のときは、労災保険に入らなくてよいですか?
運用要領は、特定の危険または有害な作業を主として行う事業以外の、労働者数5人未満の個人経営の農家を暫定任意適用事業としています。この場合は、保険関係の手続をするか、その他これに類する措置として民間の任意保険に加入することが示されています。
民間の任意保険で、疾病が補償されない契約でもよいですか?
運用要領は、補償の範囲外の項目について、育成就労実施者または監理支援機関が自ら補償する必要があるとしています。契約内容は、加入前に保険会社等に確認してください。
入国後講習の間も、労災保険への加入が必要ですか?
運用要領は、監理型育成就労の入国後講習期間中は実施者との雇用関係が成立していないため、保険の加入は義務付けられていないとしています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。