この記事の対象:育成就労計画の認定申請を準備する企業の担当者、監理支援機関の担当者
禁止される4つの行為
規則第15条第10号ニは、送出機関や外国の準備機関との間で、社会通念上相当と認められる程度を超える利益のやり取りをしないことを求めます。
運用要領第4章第2節第6(14)によると、対象は取次送出機関と外国の準備機関です。単独型育成就労では申請者が、監理型育成就労では申請者と監理支援機関の両方が、次の行為をしていないことが求められます。
1つ目と2つ目は、受ける側の行為です。金銭、物品その他の財産上の利益の供与を受けること、供応接待を受けることを、社会通念上相当と認められる程度を超えて行うことが禁止されます。
3つ目と4つ目は、求める側の行為です。同じ程度を超える利益の供与や供応接待を要求すること、その申込みを承諾することが禁止されます。
| 方向 | 行為 | 相手方 |
|---|---|---|
| 受ける | 金銭、物品その他の財産上の利益の供与を受ける | 取次送出機関・外国の準備機関 |
| 受ける | 供応接待を受ける | 取次送出機関・外国の準備機関 |
| 求める | 利益の供与や供応接待を要求する | 取次送出機関・外国の準備機関 |
| 求める | 利益の供与や供応接待の申込みを承諾する | 取次送出機関・外国の準備機関 |
確認される書類と、役職員も対象になる点
確認対象の書類は、申請者の誓約書(参考様式第1-8号)です。
運用要領は、確認対象の書類として申請者の誓約書(参考様式第1-8号)を挙げています。この項目で、ほかの添付書類は示されていません。
留意事項として、育成就労実施者または監理支援機関に所属する役職員についても対象になると書かれています。会社や団体として受け取っていなくても、役職員が送出機関から受け取る場合は、この基準の対象に含まれます。
社会通念上相当と認められる例
運用要領は、相当と認められる例を、国家公務員倫理規程の考え方に当てはめて示しています。
第4章(14)では例として、送出機関から、宣伝用物品または記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けることが挙がっています。詳細は第5章第5節(法第28条関係)を参照するよう書かれています。
第5章第5節では、参考として、国家公務員倫理規程における「社会通念上相当と認められ得る供応接待」に相当するものとして、次の例が示されています。多数の者が出席する立食パーティーで送出機関から記念品や飲食物の提供を受けること。職務として送出機関を訪問した際に、提供される物品を使うこと。
職務として出席した会議で、茶菓や簡素な飲食物の提供を受けることなどです。これらは運用要領が「考えられる例」として挙げたものです。個別の場合に当たるかどうかは、関係機関に確認してください。
- 広く一般に配布する宣伝用物品・記念品か
- 多数の者が出席する立食パーティーでの提供か
- 職務として出席した会議での茶菓・簡素な飲食物か
- 個人として受け取っていないか(役職員も対象)
監理支援機関の場合:報酬の受領にあたることがある
監理支援機関が送出機関から、社会通念上相当と認められる程度を超える金銭等を受けた場合は、法第28条の「報酬を受ける」ことに当たり得ます。
運用要領第4章(14)の留意事項は、監理支援機関が送出機関から金銭等の利益の供与や供応接待を受けた場合は、法第28条が禁止している「報酬を受ける」ことに該当すると書いています。第5章第5節も、手数料や報酬の名義でなくても、社会通念上相当と認められる程度を超える利益を受けること(役職員が個人として受け取る場合も含む)は、いかなる名義であっても、法第28条第1項に抵触し得るとしています。
同じ節には、育成就労外国人等が送出機関へ支払う手数料が送出機関を経由して監理支援機関に流れている場合や、送出管理費の不必要な払戻し(いわゆるキックバック)を受けた場合も、法第28条第1項に抵触するとあります。送出機関等に対して要求または申込みの承諾をする行為は、規則第67条第7号で禁止され、反した場合は法第39条第4項に抵触するとされています。
よくある質問
送出機関から記念品をもらうことは、すべて禁止ですか?
すべてが禁止ではありません。運用要領は、広く一般に配布するための宣伝用物品や記念品の贈与を受けることを、社会通念上相当と認められるものの例に挙げています。禁止されるのは、社会通念上相当と認められる程度を超える場合です。
役職員が個人として接待を受けた場合も対象ですか?
対象です。運用要領は、育成就労実施者または監理支援機関に所属する役職員についても対象になると書いています。監理支援機関の役職員が個人として受け取る場合も、法第28条の規定に抵触し得るとされています。
この基準で確認される書類は何ですか?
運用要領が確認対象として挙げているのは、申請者の誓約書(参考様式第1-8号)です。
送出機関に利益の提供を求めた場合だけでなく、申込みを受け入れた場合も禁止ですか?
禁止です。規則第15条第10号ニは、要求することのほか、申込みを承諾することも、社会通念上相当と認められる程度を超える場合の禁止行為として定めています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。