この記事の対象:農業分野で育成就労外国人の受入れや労働者派遣形態の受入れを検討する農業者・農業法人・監理支援機関
育成就労の農業分野に固有の基準を定めた農林水産省告示第648号について、申請者の雇用経験と講義の要件、分野別協議会への協力、労働基準法第41条の扱い、労働者派遣の派遣先の要件を、外国人技能実習機構が掲載する告示の本文から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
告示の位置づけと適用日:令和9年4月1日から
農業分野の基準は、農林水産省告示第648号(令和8年4月30日)に定められています。令和9年4月1日から適用されます。
外国人技能実習機構の「分野別運用方針・告示・運用要領等」のページは、農業分野について、運用方針と、農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準を掲載しています。告示は、育成就労の適正な実施と育成就労外国人の保護に関する法律の施行規則の規定にもとづいて定められました。
告示の附則は、適用日を令和9年4月1日としています。告示の本文4ページを確認した範囲では、旧技能実習告示を廃止する条項は見当たりませんでした。確認できないことと、廃止されないことは別なので、断定はしません。同じページに、農業分野の分野別運用要領のリンクは確認できませんでした。
出典:農林水産省告示第六百四十八号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(確認日:2026年10月8日)、外国人技能実習機構「分野別運用方針・告示・運用要領等」(確認日:2026年9月4日)
育成就労の内容の基準:雇用経験と安全衛生の講義
申請者には、労働者を6か月以上継続して雇用した経験などが求められます。ただし、労働者派遣形態の育成就労を行わせる場合は除かれます。
第1条の第1号は、申請者が労働者を6か月以上継続して雇用した経験、またはこれに準ずる経験を持つことを求めています。育成就労計画が労働者派遣型育成就労を行わせるものである場合は、この要件の対象から除かれます。
第1条の第2号は、施行規則が定める科目のうち、労働安全衛生に関する事項について、農林水産省の組織令に定める農林水産研修所が実施する研修を受けた人が講義を行うこととしていることを求めています。研修の対象は、労働安全衛生規則第35条第1項の各号に掲げる事項です。
出典:農林水産省告示第六百四十八号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(確認日:2026年10月8日)
分野別協議会への協力と、労働基準法第41条の扱い
告示は、分野別協議会に対する協力と、農林水産大臣が行う調査などへの協力を求めています。労働時間の規定の扱いも定めています。
第2条は、体制の基準として3点を挙げています。農業分野の分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずること、協議会に対して必要な協力を行うこと、農業分野の育成就労外国人の受入れに関して農林水産大臣が行う調査・指導・情報収集・意見の聴取などに必要な協力を行うことです。
第3条は、育成就労外国人の待遇の基準として、労働基準法第41条の規定を適用しないこととしていることを求めています。e-Govで確認すると、第41条は、農業などの事業に従事する人について、労働時間・休憩・休日に関する規定を適用しないと定める条文です。告示の文言どおりに読むと、農業の育成就労外国人には、この適用除外を使わず、労働時間などの規定を適用する扱いが求められます。個別の取扱いは、労働基準監督署などに確認してください。
| 条 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1条 | 育成就労の内容 | 申請者の6か月以上の雇用経験(労働者派遣型を除く)。安全衛生の科目は農林水産研修所の研修を受けた人が講義 |
| 第2条 | 体制 | 分野別協議会の協議事項の措置・協力。農林水産大臣の調査・指導などへの協力 |
| 第3条 | 待遇 | 労働基準法第41条の規定を適用しないこと |
| 第4条 | 労働者派遣等監理型の実施 | 派遣先が、6か月以上の雇用経験者、または派遣先責任者講習などの受講者を派遣先責任者に選任している者 |
| 第5条 | 労働者派遣等監理型の体制 | 第2条の各号の基準に適合すること |
出典:農林水産省告示第六百四十八号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(確認日:2026年10月8日)、e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)第41条(確認日:2026年10月8日)
労働者派遣形態の派遣先の要件と、閑散期の一時帰国
農業は、労働者派遣形態の育成就労が認められる分野です。派遣先には、雇用経験か派遣先責任者講習のどちらかが求められます。
第4条は、労働者派遣等監理型育成就労の実施の基準として、派遣先が次のどちらかに当たることを求めています。労働者を6か月以上継続して雇用した経験を持つこと、または派遣先責任者講習など、それに準ずる講習を受けた人を派遣先責任者に選任していることです。第5条は、労働者派遣等監理型を行わせる体制として、第2条の基準に適合することを求めています。
出入国在留管理庁の育成就労制度Q&A(Q18)は、労働者派遣形態による育成就労が認められる分野として農業分野と漁業分野を挙げ、1年ごとに閑散期に本国へ一時帰国する計画を認めるとしています。一時帰国は最大6か月で、旅費は単独型は育成就労実施者が、監理型は監理支援機関が負担することが必要です。
もう一つの派遣対象分野は漁業分野の上乗せ基準のガイドで確認できます。
- 自社が単独型・監理型・労働者派遣形態のどれで受け入れるかを決める
- 申請者または派遣先の、6か月以上の雇用経験を確かめる。経験がなければ派遣先責任者講習の受講者を選任できるか確認する
- 分野別協議会の協議事項と、協力の内容を確認する
- 労働時間・休憩・休日の管理を、労働基準法の規定を適用する前提で組み立てる
- 分野別運用要領の掲載状況を、外国人技能実習機構のページで確認する
出典:農林水産省告示第六百四十八号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(確認日:2026年10月8日)、出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日)
よくある質問
農業分野の育成就労の基準は、何に定められていますか?
農林水産省告示第648号(令和8年4月30日)です。令和9年4月1日から適用されます。
農業の育成就労では、労働時間の規定は適用されますか?
告示の第3条は、育成就労外国人について労働基準法第41条の規定を適用しないこととしていることを求めています。第41条は農業などの労働時間・休憩・休日の規定の適用除外を定める条文なので、この適用除外を使わない扱いが求められると読めます。個別の取扱いは労働基準監督署などで確認してください。
労働者派遣形態の派遣先には、どんな要件がありますか?
告示の第4条は、派遣先が、労働者を6か月以上継続して雇用した経験を持つこと、または派遣先責任者講習などを受けた人を派遣先責任者に選任していることのどちらかを求めています。
農業の運用要領はもう公表されていますか?
外国人技能実習機構の「分野別運用方針・告示・運用要領等」のページで、農業分野の分野別運用要領のリンクは確認できませんでした。掲載状況は更新されるため、申請の前に同ページで確認してください。
参照した公的一次資料
- 農林水産省告示第六百四十八号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき農業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(確認日:2026年10月8日、次回確認:2027年1月8日)
- 外国人技能実習機構「分野別運用方針・告示・運用要領等」(確認日:2026年9月4日、次回確認:2026年12月4日)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)第41条(確認日:2026年10月8日、次回確認:2027年1月8日)
- 外国人技能実習機構「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野(介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業の各分野)」(確認日:2026年9月4日、次回確認:2026年12月4日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年9月22日、次回確認:2026年10月22日)
次に確認すること
個別の申請可否や審査結果を保証するものではありません。申請時点の最新資料と関係機関の案内を優先してください。