この記事の対象:漁業・養殖業分野で育成就労外国人の受入れを検討する漁業者

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上乗せ基準の位置づけと出典

漁業分野は、上乗せ基準が定められた5分野の一つです。

外国人技能実習機構のページは、監理支援機関の許可基準に関し上乗せ基準が定められる5分野の一つに漁業分野を挙げています。上乗せ基準は農林水産省告示第575号(令和8年4月15日、農林水産大臣鈴木憲和による制定)として公布されました。

適用開始は令和9年4月1日で、同日付けで技能実習の漁船漁業職種及び養殖業職種の基準を定めていた平成29年農林水産省告示第937号は廃止されます。

乗船人数の上限(漁業・養殖業で異なる規定)

1隻あたりに乗船させられる育成就労外国人の数には上限があり、申請者の評価水準によって枠が変わります。

上限の中身は下の表のとおりです。監理型育成就労では、12人までとなるのは監理支援機関も高水準と認められる場合に限られます。

表の第六号は漁業、第七号は法人以外の者が行う養殖が対象です。自社の業務区分と申請者の形態がどちらに当たるかを先に確かめてから、上限を読んでください。

乗船人数の上限(農林水産省告示第575号 第一条)
条対象上限
第六号業務区分が漁業の漁船1隻あたり乗り組む育成就労外国人の数が、その漁船の乗組員数(申請者の役員・職員に限り、育成就労外国人を除く)を超えないこと。かつ、通常の申請者は6人、規則第19条第1項第2号の基準に適合する高評価の申請者は12人を超えないこと
第七号申請者が法人以外の者で業務区分が養殖の場合(監理型育成就労では監理支援機関が漁業協同組合である場合に限る)同様に通常6人・高評価者12人を超えないこと

無線通信手段の確保と定期報告

洋上で就労する育成就労外国人については、通信手段の確保と定期的な報告が求められます。

通信手段の確保と報告の頻度を、条番号ごとに下の表へ並べました。第七条の報告は、分野に特有の事情に鑑みて定める方法として求められています。

単独型か監理型かで、通信手段を確保する相手が申請者側か監理支援機関側かに分かれます。船上で育成就労が行われない日・月は、報告の対象から除かれます。

通信手段と定期報告(農林水産省告示第575号)
条対象求める内容
第一条第四号単独型育成就労申請者(陸上側の役員・職員)と乗船する外国人との間で、無線その他の通信手段を確保すること
第一条第五号監理型育成就労監理支援機関と乗船する外国人との間で、無線その他の通信手段を確保すること
第七条業務区分が漁業育成就労指導員が各漁船の実施状況について無線等で毎日1回以上(船上で育成就労が行われない日を除く)報告を受けること
第七条業務区分が漁業育成就労外国人から毎月1回以上(船上で行われない月を除く)実施状況に係る文書の提出を受けること

監理支援機関の業務実施基準・監理支援事業を遂行する能力

監理支援機関には、分野別協議会に関する要件と体制面の数値要件の両方が課されます。

第六条は、監理型育成就労実施者に漁業の業務区分で業務を行わせる場合の、監理支援機関の体制を求めています。第八条の協議会の要件とあわせて、下の表に並べました。漁業以外の場合の人員基準はこれより緩やかで、実施者数を8で除した数と外国人数を40で除した数が基準になります。

人員の数値は、実施者数と外国人数のそれぞれから求めた数をどちらも超える必要があります。どちらか一方だけを満たしても足りません。

監理支援機関に求められる要件(農林水産省告示第575号)
条項目求める内容
第八条分野別協議会漁業分野の分野別協議会に加入していること、協議事項に関する措置を講ずること、協議会への協力、農林水産大臣又はその委託を受けた者への協力を満たすこと
第六条監理支援する実施者数2以上(見込みを含む)であること
第六条常勤の役員・職員数実施者数を16で除した数と外国人数を32で除した数のどちらも超えること

閑散期の一時帰国と旅費負担

漁業分野は、農業分野とともに、季節性のある業務として閑散期の一時帰国を組み込んだ育成就労計画が認められる分野です。

出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aは、労働者派遣形態による育成就労が認められる分野として設定される農業分野及び漁業分野において、育成就労外国人が1年ごとに業務の閑散期に本国へ一時帰国して育成就労を一定期間休止し、その後再来日して育成就労に従事する計画を認めることとしていると説明しています。一時帰国の時期は毎年同じでなければならず、帰国期間を含めずに日本での育成就労期間が合計3年になる計画を作成します。

同Q&Aは、この一時帰国の期間は最大6か月であり、一時帰国に要する旅費について、単独型育成就労の場合は受入れ機関(育成就労実施者)が、監理型育成就労の場合は監理支援機関が負担することが必要だと明記しています。

告示の条番号ごとの自己点検表

農林水産省告示第575号の第一条・第六条〜第八条を、条番号と確認する内容に対応させた表です。

表は告示本文を要約したものです。自社が基準に合うかどうかは、告示の本文を直接読んで確かめ、農林水産省と外国人技能実習機構の案内も参照してください。

告示は令和9年4月1日から適用されます。条ごとに現状(乗船人数、通信手段、報告の手順、監理支援機関の体制)を書き出し、不足があれば適用日までの準備事項として整理します。

農林水産省告示第575号の条番号と自己点検の内容
条番号点検する内容
第一条第四号・第五号単独型は申請者と、監理型は監理支援機関と、乗船する育成就労外国人との間で無線その他の通信手段を確保していること
第一条第六号業務区分が漁業の場合、1隻あたりの育成就労外国人の数が、乗組員数以下であり、かつ通常6人・高評価の申請者12人以内であること
第一条第七号法人以外の申請者で業務区分が養殖の場合も、通常6人・高評価の申請者12人の上限を満たすこと
第六条漁業の業務区分で監理型育成就労を行う場合、監理支援機関の実施者数と常勤の役員・職員数が基準を満たすこと
第七条育成就労指導員が毎日1回以上無線等で報告を受け、外国人から毎月1回以上実施状況の文書提出を受けること
第八条監理支援機関が分野別協議会に加入し、協議事項の措置と、協議会・農林水産大臣等への協力を行うこと

よくある質問

漁業分野の育成就労「上乗せ基準」の根拠は?

農林水産省告示第575号(令和8年4月15日制定、令和9年4月1日施行)です。

1隻に何人まで乗船させられますか?

業務区分が漁業の場合、通常の申請者は6人まで、規則の基準に適合する高評価の申請者(監理型は監理支援機関も高水準)は12人までです。法人以外の申請者による養殖業務でも同じ上限が適用されます。

洋上での報告義務はありますか?

育成就労指導員が各漁船の実施状況について毎日1回以上無線等で報告を受けること、育成就労外国人から毎月1回以上実施状況の文書提出を受けることが求められます。

旧技能実習の基準はどうなりますか?

技能実習の漁船漁業職種・養殖業職種の基準を定めていた平成29年農林水産省告示第937号は、令和9年4月1日付けで廃止されます。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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