この記事の対象:宿泊分野で育成就労外国人の受入れを検討する旅館・ホテル事業者・監理支援機関
育成就労の宿泊分野に固有の基準を定めた国土交通省告示第515号について、旅館・ホテル営業の許可を受けた者であること、分野別協議会への措置・協力、風俗営業に係る施設での就労の禁止、接待を行わせない措置を、告示の本文から整理します。 金額が未確認の項目は0円とせず、公式資料または個別見積で確認する前提で整理します。
宿泊も育成就労の対象分野:告示は令和9年4月1日から適用
宿泊は育成就労の対象分野です。基準は国土交通省告示第515号(令和8年4月3日)に定められ、令和9年4月1日から適用されます。
外国人技能実習機構の「分野別運用方針・告示・運用要領等」のページには、宿泊分野の運用方針と、宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準が掲載されています。出入国在留管理庁の分野別運用方針では別紙9が宿泊です。
附則は、適用日を令和9年4月1日としています。3ページの本文には、旧技能実習の告示を廃止する条項が見当たりませんでした。見当たらないことは、廃止されないことの証明ではないため、廃止の有無は断定しません。
出典:国土交通省告示第五百十五号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月3日)(確認日:2026年10月9日)、外国人技能実習機構「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野(介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業の各分野)」(確認日:2026年9月4日)
告示が定める基準:旅館・ホテル営業の許可と、体制の6項目
告示は、第1条で申請者の営業許可を、第2条で6項目の体制を定めています。日本語能力や人数に関する項目はありません。
第1条は、申請者が旅館業法第3条第1項の許可を受けて、同法第2条第2項に規定する旅館・ホテル営業を営む者であることを求めています。特定技能の宿泊分野でも、旅館・ホテル営業の許可を受けた者であることが受入れ機関の条件です。
第2条の第1号から第3号は、分野別協議会などとの関係の基準です。協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずること、協議会に必要な協力を行うこと、国土交通大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導・情報収集・意見の聴取などに必要な協力を行うことが求められます。第4号から第6号は、働く場所と業務の内容に関する基準です。
| 条・号 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1条 | 申請者の営業許可 | 旅館業法第3条第1項の許可を受けて、旅館・ホテル営業を営む者であること |
| 第2条第1号 | 協議会の協議事項 | 分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずることとしていること |
| 第2条第2号 | 協議会への協力 | 分野別協議会に必要な協力を行うこととしていること |
| 第2条第3号 | 調査への協力 | 国土交通大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導・情報収集・意見の聴取などに必要な協力を行うこととしていること |
| 第2条第4号 | 就労場所の制限 | 風営法第2条第6項第4号に規定する施設で業務に従事させないこととしていること |
| 第2条第5号 | 接待の禁止 | 接待(風営法第2条第3項)を行わせないこととしていること |
| 第2条第6号 | 接待を行わせない措置 | 接待を行わせないための必要な措置を講じていること |
出典:国土交通省告示第五百十五号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月3日)(確認日:2026年10月9日)
第4号の施設とは:異性同伴客の宿泊用の施設を設ける営業
第4号が挙げる施設は、風営法第2条第6項第4号の営業に係る施設です。一般の旅館・ホテルとは別の営業として、風営法で定義されています。
e-Gov法令検索の風営法第2条第6項は、店舗型性風俗特殊営業を定義しています。その第4号は、専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造または設備を有する個室を設けるものに限る)を設け、その施設を宿泊に利用させる営業です。
旅館・ホテル営業の許可を受けていることと、この施設で働かせないことは、別々の基準です。自社の施設の営業形態と許可の内容は、受入れの前に保健所などの窓口で確認してください。個別の施設がこの号に当たるかどうかは、当サイトでは判断しません。
特定技能の宿泊分野の営業許可と業務範囲は宿泊分野のガイドで確認できます。
- 旅館業法第3条第1項の許可を受けた旅館・ホテル営業であることを確認する
- 風営法第2条第6項第4号の施設で働かせないことを社内で決めておく
- 接待を行わせないための措置(業務範囲の明示など)を文書で用意する
- 分野別協議会の加入手続の案内を、国土交通省の最新のページで確認する
出典:国土交通省告示第五百十五号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月3日)(確認日:2026年10月9日)、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月9日)
告示に書かれていないこと:人数の上限と日本語の水準
告示に、受入れ人数の上限、指導員の資格、日本語能力に関する項目はありません。日本語の水準は分野別運用方針に書かれています。
告示を確認した範囲では、人数の上限や指導員の資格に関する項目は見当たりませんでした。宿泊分野の育成就労の協議会について、加入の時期や手続を定めた公式の案内は、今回の確認では見つけられていないため、このページでは扱いません。
日本語の水準は、出入国在留管理庁の分野別運用方針に書かれています。当サイトが確認した範囲では、宿泊は、開始時と1年経過時がA1相当以上、終了時がA2.2相当以上、本人意向の転籍時がA2.1相当以上です。育成就労の分野別受入れ見込数は、運用方針の別紙で5,200人とされています。
日本語の水準を分野別に比べた表は本人意向転籍の水準のガイドで確認できます。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」(確認日:2026年9月9日)、国土交通省告示第五百十五号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月3日)(確認日:2026年10月9日)
よくある質問
宿泊分野は育成就労の対象ですか?
対象です。外国人技能実習機構のページに宿泊分野の運用方針と告示が掲載されており、出入国在留管理庁の分野別運用方針では別紙9が宿泊です。
宿泊分野の育成就労の基準は、何に定められていますか?
国土交通省告示第515号(令和8年4月3日)です。令和9年4月1日から適用されます。
どのような事業者が受け入れられますか?
告示は、旅館業法第3条第1項の許可を受けて、旅館・ホテル営業を営む者であることを求めています。簡易宿所や下宿の営業は、告示の本文には挙げられていません。
接待について、告示は何を定めていますか?
接待を行わせないこと、そのための必要な措置を講じていること、風営法第2条第6項第4号の施設で業務に従事させないことの3点です。
参照した公的一次資料
- 国土交通省告示第五百十五号「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき宿泊分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(令和8年4月3日)(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年1月9日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」(確認日:2026年9月9日、次回確認:2026年12月9日)
- 外国人技能実習機構「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野(介護・工業製品製造業・自動車整備・物流倉庫・漁業の各分野)」(確認日:2026年9月4日、次回確認:2026年12月4日)
- 「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙9)(確認日:2026年9月26日、次回確認:2026年12月26日)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年1月9日)
次に確認すること
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