この記事の対象:特定技能外国人の引越しや寮の移動に立ち会う受入れ企業の担当者、住居地の届出を案内する登録支援機関の担当者、届出を忘れていないか心配な本人
住居地を変えたら、移転した日から14日以内に届け出る
入管法第19条の9は、中長期在留者が住居地を変更したときの届出を定めています。
届出の期限は、新住居地に移転した日から14日以内です。届出先は新住居地の市区町村長で、在留カードを提出して手続をします。住居地とは、入管法第19条の4で「本邦における主たる住居の所在地」と定義されています。
条文上の義務の主体は中長期在留者本人です。受入れ企業が代わりに届け出る義務を、この条文は定めていません。会社の寮から別の寮や賃貸住宅へ移る場合も、主たる住居の所在地が変わるなら、この変更届出の場面に当たります。
| 場面 | 条文 | 期限の起算日 |
|---|---|---|
| 入国して初めて住居地を定めた | 第19条の7 | 住居地を定めた日から14日以内 |
| 在留資格の変更などの許可で新たに中長期在留者になった | 第19条の8 | 住居地を定めた日(すでに定めている人は許可の日)から14日以内 |
| 引越しや寮の移動で住居地を変更した | 第19条の9 | 新住居地に移転した日から14日以内 |
市区町村で住民基本台帳法の届出をすれば、入管法の届出をしたとみなされる
引越しのたびに入管への届出と市区町村への届出を別々に出す必要はありません。
入管法第19条の9第3項は、在留カードを提出して住民基本台帳法第22条(転入届)、第23条(転居届)または第30条の46の届出をしたとき、住居地の変更届出をしたものとみなすと定めています。出入国在留管理庁の案内にも、在留カードを市区町村の窓口に持参して住民基本台帳法の届出をした場合は、住居地届出書の提出は不要とあります。
実務では、市区町村の窓口で転入届または転居届を出す際に、在留カードを必ず持参することが要点です。窓口で在留カードに新しい住居地が記載されます(入管法第19条の7第2項の準用)。手数料はかかりません。
入社直後の同行を含む役割分担は公的手続等への同行のガイドで確認できます。
本人が窓口に行くのが原則で、代理は入管庁の案内が定める範囲に限られる
出入国在留管理庁の案内は、届出人を本人(16歳未満を除く)と定め、代理人は限定しています。
代理人になれるのは、本人が16歳未満または疾病などで出頭できない場合の同居の16歳以上の親族、本人の依頼を受けた同居の16歳以上の親族、さらにその人から依頼を受けた人または法定代理人です。依頼による代理は、疎明資料として委任状の持参などを求めています。
案内には、会社の担当者という類型は挙がっていません。同居の親族から依頼を受けた人は代理人の類型に当たり得ますが、依頼や委任状の要否は届出先の市区町村で確認してください。代理人が届け出る場合は、在留カードの写しを本人に携帯させるよう案内に注記があります。
届出書の様式は「住居地届出書」で、日本産業規格A4で印刷して使えます。登録支援機関の支援としては、運用要領が住居地に関する届出の情報提供を必須の区分に挙げているので、本人が自分で届け出られるよう、日程と持ち物を伝える形が基本になります。
届出をしないと、罰金と在留資格の取消しの対象になる
届出の懈怠には、刑事罰と行政処分の2つが条文に書かれています。
入管法第71条の5は、第19条の7・第19条の8・第19条の9の届出をしなかった人を20万円以下の罰金に処すると定めています。
在留資格の取消しは第22条の4第1項に3つの類型があります。新たに中長期在留者になってから90日以内に住居地の届出をしないこと(第8号)、届け出た住居地から退去して90日以内に新住居地の届出をしないこと(第9号)、虚偽の住居地を届け出たこと(第10号)です。第8号と第9号は、届出をしないことに正当な理由がある場合は対象外です。
取消しは法務大臣が「取り消すことができる」とする規定で、取り消す前には入国審査官による意見聴取があります(第2項)。第10号に当たるのは虚偽の住居地を届け出た場合で、住居地の届出を実際の居住に合わせて行うことが前提です。
- 引越しや寮の移動が決まったら、移転した日を記録して14日の期限を逆算する
- 転入届または転居届の窓口に、在留カードを持参してもらう
- 届け出る住所は、実際に住んでいる所在地にする
- 届出の漏れに気づいたら、速やかに窓口で手続する
よくある質問
住居地の変更は、入管と市区町村のどちらに届け出ますか?
届出先は新住居地の市区町村です。市区町村長を経由して出入国在留管理庁長官に届け出る仕組みで、在留カードを持参して住民基本台帳法の届出をすれば、入管法の変更届出をしたものとみなされます。
期限はいつから数えますか?
新住居地に移転した日から14日以内です(入管法第19条の9第1項)。入国後に初めて住居地を定めた場合は、定めた日から14日以内です(第19条の7)。
届出に手数料はかかりますか?
出入国在留管理庁の案内では、住居地の変更届出に手数料はかかりません。
届出を忘れるとどうなりますか?
入管法第71条の5で20万円以下の罰金の定めがあり、第22条の4第1項では、退去から90日以内に新住居地の届出をしないと在留資格の取消しの対象になり得ます。正当な理由がある場合は除かれます。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第19条の18 届出・第19条の19〜21 指導助言・報告徴収・改善命令・第19条の26 登録の拒否・第19条の31〜34 登録支援機関への指導・取消し・第71条の3・第71条の4 罰則)(確認日:2026年10月1日、次回確認:2026年12月1日)
- 出入国在留管理庁「新規上陸後の住居地の届出(中長期在留者)」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-」(確認日:2026年10月20日、次回確認:2026年11月22日)