この記事の対象:特定技能外国人に給与を現金などで渡している受入れ機関の総務・経理担当者、定期届出の書類をそろえる登録支援機関の担当者

根拠は基準省令:口座振込以外は裏づけを出す

報酬支払証明書は、報酬を預貯金口座への振込み以外で払ったときに、その事実を入管庁に示すための書類です。

入管庁の運用要領(令和8年8月版)が引く基準省令の定めは、特定技能雇用契約に基づく報酬を、外国人が指定する金融機関の預金口座・貯金口座への振込み、または外国人に現実に支払われた額を確認できる方法で支払うこととしていること、というものです。あわせて、振込み以外の方法で払った場合は、支払の事実を裏付ける客観的な資料を出入国在留管理庁長官に出して確認を受けることとしていること、も求められます。

運用要領は、この基準の趣旨を、報酬の支払をより確実かつ適正にするためと説明しています。受入れ機関は、報酬の支払方法として預金口座への振込みがあることを外国人に説明し、同意を得たうえで、特定技能雇用契約に預貯金口座等へ振り込むと定めるよう努めます。

報酬の支払方法に関する基準と書類(運用要領の記載)
項目運用要領の記載
支払方法外国人が指定する金融機関の預金・貯金口座への振込み、または現実に支払われた額を確認できる方法
振込み以外で払った場合支払の事実を裏付ける客観的な資料を出し、出入国在留管理庁長官の確認を受ける
確認を受ける場面特定技能所属機関が1年に1度出す受入れ・活動・支援実施状況の届出(定期届出)のとき
出す書類報酬支払証明書(参考様式第5-7号)
確認対象の書類雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)

出す場面は定期届出:別紙1の「それ以外の方法」にチェックを入れたとき

報酬支払証明書は、在留申請のときではなく、年1回の定期届出に添えます。

定期届出の作成要領によると、提出期間は届出対象年度の翌年度の4月1日から5月31日です。提出方法は、電子届出システム、または地方出入国在留管理局の窓口への郵送・持参です。

受け入れた外国人ごとの状況を書く参考様式第3-6号別紙1には「報酬の支払方法」の欄があり、「それ以外の方法」の欄にチェックを入れたときは、報酬支払証明書(第5-7号)を出す必要があると、作成要領は注意を促しています。提出資料一覧表も、預貯金口座への振込み以外の方法で報酬を払っている場合に必要で、対象となる特定技能外国人全員分を出すとしています。

定期届出の全体の添付書類は定期届出の書類のガイドで確認できます。

報酬支払証明書を出すときの要点(作成要領・提出資料一覧表)
項目内容
提出する場面年1回の定期届出(届出対象年度の翌年度の4月1日〜5月31日)
出す条件別紙1の「報酬の支払方法」欄で「それ以外の方法」にチェックを入れた
出す人数対象となる特定技能外国人全員分
様式参考様式第5-7号(入管庁の参考様式のページにWord形式で掲載)
  • 外国人ごとの報酬の支払方法(振込みか、それ以外か)を一覧にした
  • 「それ以外の方法」の人は、別紙1のチェックと報酬支払証明書がそろっている
  • 「それ以外の方法」で払っている外国人の全員分を用意した
  • 提出期間(翌年度の4月1日〜5月31日)から逆算して、記入の日程を決めた

一緒に確認される書類:雇用条件書と、振込みの場合の口座振込明細書

支払方法は、雇用条件書でも、毎月の支払の記録でも確認されます。

運用要領が報酬の支払方法の確認対象に挙げる書類は、雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)です。雇用条件書は、申請人が十分に理解できる言語で作り、内容を十分に理解したうえで署名していることが求められます。10か国語の翻訳様式が入管庁のページに掲載されています。

毎月の支払の記録については、運用要領は、口座振込なら口座振込明細書を「受入れに要した費用の額及び内訳」の添付資料として、特定技能外国人の活動状況に関する帳簿に編てつするよう求めています。振込み以外で払う場合に帳簿へ何を編てつするかは、運用要領に記載がありません。支払の事実を裏付ける資料の範囲は、管轄の地方出入国在留管理局に確認してください。

雇用契約書・雇用条件書・報酬に関する説明書の使い分けは雇用関係の書類のガイドで確認できます。

報酬の支払に関わる書類と役割(運用要領)
書類役割
雇用条件書の写し(第1-6号)報酬の支払方法の確認対象。本人が理解できる言語で作り、署名してもらう
口座振込明細書口座振込の場合に、受入れに要した費用の添付資料として帳簿に編てつする
報酬支払証明書(第5-7号)振込み以外で払った場合に、定期届出で出す

労働基準法の通貨払の原則との関係:振込みは本人が希望した場合に限る

運用要領は、入管の基準と労働基準法を別の物差しとして並べて説明しています。

運用要領は、労働基準法上、報酬の支払は原則として通貨払とされていると述べています。そのうえで、報酬の支払を確実かつ適正にするという基準の趣旨から、外国人の同意を得て預貯金口座等へ振り込むと雇用契約で定めるよう努めてほしいとしています。

同じ箇所で、労働基準法上は金融機関への振込みは労働者が希望した場合に限られると、注意を促しています。口座振込を勧めるときも、本人への説明と同意を前提にします。

賃金支払の5原則と口座振込に必要な本人の同意は賃金支払の原則のガイドで確認できます。

よくある質問

報酬支払証明書は、口座振込の人も出しますか?

出すのは、別紙1の「報酬の支払方法」で「それ以外の方法」にチェックを入れた人です。口座振込の場合は、運用要領で、口座振込明細書を帳簿に編てつするよう求められています。

いつ、誰の分を出しますか?

年1回の定期届出(届出対象年度の翌年度の4月1日〜5月31日)で、対象となる特定技能外国人全員分を出します。

給与を現金で渡すのは認められますか?

基準は、振込み、または現実に支払われた額を確認できる方法での支払を求めており、振込み以外の場合は裏づけを出して確認を受ける形です。労働基準法との関係と合わせ、個別の扱いは管轄の地方出入国在留管理局と労働基準監督署に確認してください。

様式はどこで入手できますか?

入管庁の特定技能の参考様式のページに、第5-7号がWord形式で掲載されています。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

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