この記事の対象:特定技能の在留諸申請の書類をそろえる受入れ企業の総務・人事担当者、概要書の欄の意味を企業に説明する登録支援機関の担当者
概要書の5つの欄:役員・決算・基準適合性・受入れ実績・支援体制
特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)は、入管庁の様式一覧で在留諸申請の書類に分類されている様式で、特定技能所属機関(受入れ企業)が作成し、末尾に作成責任者の役職・氏名を書きます。
入管庁の参考様式の全体版PDFでは、概要書は「1 所属役員」「2 決算状況」「3 基準適合性に係る事項」「4 中長期在留者の受入れ実績等」「5 支援体制に関する事項」の5つの欄で構成されています。末尾には「上記の記載内容は、事実と相違ありません。」と書かれ、年月日、特定技能所属機関の氏名又は名称、作成責任者の役職・氏名を書く形です。
運用要領は、概要書を、受入れ機関の適格性を確かめる書類の1つとして挙げています。一定の基準を満たす機関が書類の提出を省略できる場合の扱いは、別のガイドで確認できます。このガイドでは、様式の各欄に何を書くかに絞って整理します。
債務超過がある場合の追加書類は財政的基盤と債務超過のガイドで確認できます。
| 欄 | 書く内容 | 1号特定技能外国人支援計画の全部を登録支援機関に委託する場合 |
|---|---|---|
| 1 所属役員 | 役員の役職と氏名(ふりがな付き) | 除外の記載なし |
| 2 決算状況 | 前年度・前々年度・前々々年度の売上高・経常損益・純損益・純資産 | 除外の記載なし |
| 3 基準適合性に係る事項 | 過去1年の離職状況、前1年間の行方不明者数 | 除外の記載なし |
| 4 中長期在留者の受入れ実績等 | 受入れ・管理の実績、生活相談業務の経験、是正勧告の有無 | 記載不要 |
| 5 支援体制に関する事項 | 支援対象者・支援責任者・支援担当者の所属部署・氏名・役職 | 記載不要 |
所属役員と決算状況:複数の役員は全員を書き、個人事業主は元入金を書く
前半の2欄は、会社の登記や決算書から転記できる内容です。
「所属役員」欄は、役職と氏名(ふりがな付き)を書きます。様式の注意書きは、役員が複数名いる場合はその全てについて記載することとし、書ききれない場合は「別紙のとおり」と記載して別紙を添付してよいとしています。
「決算状況」欄は、前年度、前々年度、前々々年度の3期分について、売上高、経常損益、純損益、純資産を円で書きます。個人事業主の場合は、純資産の欄に、所得税青色申告決算書の貸借対照表の元入金を書くと、様式の注意書きにあります。
前年度末に債務超過(純資産の欄がマイナス)がある場合は、中小企業診断士、税理士、公認会計士等の企業評価を行う能力があると認められる公的資格を持つ第三者が、改善の見通しを評価した書面を添付します。この書面が必要になる範囲は、運用要領の記載も合わせて確認してください。
基準適合性の欄:離職状況と行方不明者数を人数で書く
「基準適合性に係る事項」は、直近の離職と行方不明の状況を、人数で書く欄です。
(1)の離職状況は、過去1年に、特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者が何人離職したかを書きます。表は、日本人労働者と外国人労働者の2行に、自発的離職者と非自発的離職者の2列を組み合わせた形です。
様式の注意書きは、自発的離職を特定技能外国人の自己都合による転職や退職、非自発的離職を所属機関の都合で人員整理のために希望退職を募ったり退職勧奨を行ったりした場合などと説明しています。ここでの外国人労働者は、入管法別表第1の1、2及び5の表(就労資格に限る)の在留資格で在留する人です。
(2)の行方不明者数は、前1年間の特定技能外国人(1号及び2号)の行方不明者数を書きます。発生していない場合は0名と書く、と注意書きにあります。所属機関の責めに帰すべき事由による行方不明があるときは「該当あり」、責めによらない理由のときは「該当なし」にチェックを付けます。
所属機関が技能実習の実習実施者でもある場合は、過去1年間の技能実習生の行方不明者の発生状況も、同じ欄に書きます。
行方不明が判明したときの対応は行方不明者が出たときのガイドで確認できます。
受入れ実績の欄:3つの示し方から該当するものを選ぶ
「中長期在留者の受入れ実績等」は、自社で支援を行う機関が、支援を適正に行える体制を示す欄です。
この欄は、(1)から(3)のうち該当するものにチェックを付けて書きます。(1)は、過去2年間に中長期在留者の受入れまたは管理を適正に行った実績で、直近1年前と直近2年前のそれぞれの受入れ・管理人数と、受入れ期間中の法令遵守(「法令遵守」か「法令違反・行政指導あり」)を書きます。
添付書類は、受け入れた中長期在留者リスト(参考様式第1-11-2号)です。ただし、監理団体として実習監理を行っている場合や、登録支援機関として1号特定技能外国人の支援を行っている場合は、添付書類の提出は不要と様式にあります。
(2)は、支援責任者と支援担当者が、過去2年間に中長期在留者の生活相談業務に従事した経験です。生活相談の期間、業務に従事した機関の名称と所在地、業務内容(生活に必要な契約に係る支援、生活オリエンテーション、定期的な面談、その他から1つ以上)、報酬の有無を、責任者と担当者のそれぞれについて書きます。
添付書類は、生活相談業務を行った中長期在留者リスト(参考様式第1-11-3号)に加えて、対象者の所属機関が同一の場合はその機関で従事した期間を証する書類、同一でない場合は契約書と報酬を受けたことを証する書類です。
(3)は、(1)と(2)のほか、これらと同程度に支援業務を適正に実施できることを示す欄です。立証する資料を添付し、あわせて過去5年間に労働基準監督署から是正勧告を受けたことの有無(是正勧告あり/なし)にチェックを付けます。
(1)の「適正に行った」は、入管法、技能実習法、労働基準法など、出入国または労働に関する法令の規定に違反したことにより、刑に処せられたこと、行政処分を受けたこと、技能実習法上の改善命令または改善勧告を受けたことがないことと、様式の注意書きが説明しています。中長期在留者は、入管法別表第1の1の表、2の表及び5の表(就労資格に限る)の在留資格を持つ人です。
支援責任者・支援担当者の選任要件は支援責任者・支援担当者の要件のガイドで確認できます。
| 項目 | 書き方の要点 |
|---|---|
| 対象 | 過去2年以内に受け入れた全ての中長期在留者 |
| 1人ごとの欄 | 氏名(ローマ字)、性別、生年月日、国籍・地域、在留カード番号、受入れ期間、外国人雇用状況届出の有無 |
| 届出が「無」の場合 | その理由を書いた理由書(任意様式)を添付する |
| 分からない箇所 | 「不明」と書く |
| 書ききれない場合 | 用紙を複製して使う |
支援体制の欄と、書く前の確認:委託する場合は4と5の欄が不要になる
最後の欄は、誰が誰を支援するかを一覧にするものです。
「支援体制に関する事項」は、支援対象者(申請人)、支援責任者、支援担当者のそれぞれについて、所属部署、氏名、役職を書く表です。申請人全員について書ききれない場合は、「別紙のとおり」と記載して別紙を添付してよいと、注意書きにあります。
4と5の欄は、1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合は記載不要です。自社で支援を行うか委託するかで、概要書に書く量と添付書類が変わるため、方式を決めた後に書類を準備します。自社支援と委託の違いは、自社支援のガイドで確認できます。
参考様式は更新されることがあります。実際に出す前に、入管庁の様式一覧で最新の様式と記載例を確かめてください。個別の事案で、どの欄にどう書けば足りるかは、管轄の地方出入国在留管理局に確認するのが確実です。
方式ごとの違いは自社支援のガイドで確認できます。
- 役員が複数名いる場合は、全員の役職と氏名を書いた(書ききれない場合は別紙を付けた)
- 3期分の決算を書き、前年度末に債務超過がないか確かめた
- 過去1年の離職者数を、日本人と外国人、自発と非自発に分けて数えた
- 前1年間の行方不明者数を数え、責めに帰すべき事由の有無にチェックした
- 自社支援の場合、受入れ実績または生活相談の経験のどれで示すかを決め、添付書類を用意した
- 支援を全部委託する場合は、4と5の欄を記載しなくてよいことを確かめた
よくある質問
特定技能所属機関概要書は、どの欄を必ず書く必要がありますか?
様式では、1から3の欄に、支援を委託する場合の除外の記載はありません。4と5の欄は、1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合は記載不要と書かれています。
離職状況の「外国人労働者」には、どの在留資格の人が含まれますか?
様式の注意書きは、入管法別表第1の1、2及び5の表(就労資格に限る)の在留資格で在留する人としています。
行方不明者がいない場合は、何と書きますか?
様式の注意書きは、発生していない場合は0名と書くとしています。所属機関の責めに帰すべき事由による行方不明の有無は「該当あり」「該当なし」でチェックします。
受入れ実績が無い会社は、自社支援ができませんか?
様式の4の欄は、(1)受入れ・管理の実績、(2)生活相談業務の経験、(3)それらと同程度に支援業務を適正に実施できることの3つから、該当するものにチェックを付ける形です。どれに当たるかは、管轄の出入国在留管理局に確認してください。
個人事業主の場合、純資産の欄には何を書きますか?
様式の注意書きは、所得税青色申告決算書の貸借対照表における元入金を書くとしています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の参考様式(全体版)」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2027年1月22日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)