この記事の対象:特定技能外国人の受入れを検討していて、決算で債務超過や欠損金がある場合に在留申請でどう扱われるかを確認したい企業の経営者・経理担当者

財政的基盤が求められる根拠:特定技能雇用契約を継続して履行する体制

受入れ機関には、特定技能雇用契約を継続して履行する体制が求められます。

特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の第2条第十一号は、特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていることを基準の1つに挙げています。

運用要領(令和8年8月版)は、この体制を、特定技能所属機関が事業を安定的に継続し、結んだ契約を確実に履行し得る財政的基盤を有していることと説明しています。目的は、特定技能外国人の安定した就労活動を確保することです。

判断の方法:事業年度末の欠損金と債務超過の有無などで総合的に見る

財政的基盤の有無は、決算の数字から総合的に判断されます。

運用要領は、財政的基盤を有しているかを、事業年度末における欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に判断するとしています。運用要領は、債務超過を純資産または元入金がマイナスの場合として書いています。

運用要領は、債務超過があるときに、次の節の追加書類を確認対象とする形で書いています。個別の審査結果は、管轄の出入国在留管理局が判断します。

債務超過の状況ごとの確認書類

確認対象の書類は、直近の決算の状況で3つに分かれます。

全ての場合に確認対象となるのは、特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)です。直近期末に債務超過がある場合は、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通しについて評価を行った書面が加わります。

直近2期末のいずれも債務超過の場合は、この評価書面に加えて、労働保険料、社会保険料および租税の納付に関する領収書の写しや証明書等も確認対象です。

決算の状況と確認対象の書類(運用要領 令和8年8月版 第5章)
決算の状況確認対象の書類
直近期末に債務超過がない特定技能所属機関概要書(第1-11-1号)
直近期末に債務超過がある概要書(第1-11-1号)に加えて、公的資格を有する第三者による改善の見通しの評価書面
直近2期末のいずれも債務超過がある概要書、第三者による評価書面に加えて、労働保険料・社会保険料・租税の納付に関する領収書の写しや証明書等

概要書の提出は、一定の基準を満たすと在留申請で省略できる

概要書は適格性書類の1つで、省略の対象になる場合があります。

運用要領は、一定の基準を満たす場合に、適格性書類の提出を省略できるとしています。適格性書類には、特定技能所属機関概要書(第1-11-1号)が含まれ、省略した場合は、年に1度提出する定期届出の添付書類として提出します。

運用要領が省略できる書類として挙げる適格性書類の一覧に、第三者による評価書面は含まれていません。一方、債務超過の節の留意事項は、評価書面の提出が必要になるとしています。省略できるかは申請前に、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

省略の基準と、雇用関係の書類の使い分けは雇用契約書・雇用条件書・報酬説明書のガイドで整理しています。

よくある質問

債務超過があると、特定技能外国人は受け入れられませんか?

運用要領(令和8年8月版)は、事業年度末の欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に判断するとしています。債務超過があるときは、第三者による改善の見通しの評価書面等が確認対象になります。

改善の見通しを評価できるのは誰ですか?

運用要領は、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者としています。具体的にどの資格まで含まれるかは、管轄の出入国在留管理局へ確認してください。

財政的基盤は、どの様式で確認されますか?

運用要領の確認対象の書類は、特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)です。債務超過がある場合は、第三者による評価書面等が加わります。

直近2期とも債務超過の場合、何が増えますか?

第三者による評価書面に加えて、労働保険料、社会保険料および租税の納付に関する領収書の写しや証明書等が確認対象になります。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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