この記事の対象:介護分野で特定技能外国人を受け入れる訪問介護事業所などの管理者・採用担当者、施設勤務の特定技能外国人を訪問系に配置換えしたい事業者
対象サービス:4種類は届出が必要、訪問入浴は不要
厚生労働省は、令和7年(2025年)3月31日付の通知で、外国人介護人材の訪問系サービスへの従事を認める留意点を示しました。
通知の名称は「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」で、社援発0331第40号・老発0331第12号です。厚生労働省の案内によれば、施行は技能実習が令和7年4月1日、特定技能が令和7年4月21日です。
訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、介護予防・日常生活支援総合事業の第一号訪問事業は、後の節の遵守事項と事前の届出が求められるサービスです。
訪問入浴介護と介護予防訪問入浴介護も従事は認められますが、複数人で対応するため、遵守事項の報告や巡回訪問等実施機関への事前の届出は不要です。事業者は指導体制を確保し、職場内で入浴などの研修を行います。厚生労働省のQ&Aは、小規模多機能型居宅介護の「訪問」には外国人介護人材の従事を認めないと答えています。
| サービス | 従事 | 遵守事項・事前の届出 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 認められる | 必要 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 認められる | 必要 |
| 夜間対応型訪問介護 | 認められる | 必要 |
| 総合事業の第一号訪問事業 | 認められる | 必要 |
| 訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護 | 認められる | 不要(指導体制と職場内の研修は必要) |
| 小規模多機能型居宅介護の「訪問」 | 認められない | - |
本人の要件:初任者研修等の修了と、実務経験1年以上が原則
訪問系サービスに従事する外国人介護人材には、介護職員初任者研修課程等の修了が前提になります。
通知は、生活援助従事者研修課程のみを修了した場合を除くと定めています。実務経験は、介護事業所等で1年以上あることが原則です。
実務経験が1年未満でも、事業所の判断で例外的に従事できる場合があります。条件は、日本語能力が在留資格の要件より高いこと(例としてN2相当)と、サービスの頻度に応じた期間の同行訪問を行うことです。
同行訪問の期間は、通知では週1回のサービスで半年が目安です。利用者・家族が同意し、見守りカメラなどのICTで常に事業所と連絡できる場合は3か月に短くできます。週2回は3か月、週3回以上は2か月で、2か月より短くはできません。
| サービスの頻度 | 同行訪問の期間 |
|---|---|
| 週1回 | 半年(利用者・家族の同意とICTでの常時連絡があれば3か月) |
| 週2回 | 3か月 |
| 週3回以上 | 2か月(これより短縮できない) |
事業者が行う5つの措置と、利用者・家族への書面の説明
事業者は、通知が示す5つの措置をすべて行い、利用者と家族に書面で説明して署名を求めます。
5つの措置は、訪問介護の基本事項や緊急時の連絡方法などの研修、最初から一人で訪問させない同行訪問、本人と共同で作るキャリアアップ計画、ハラスメント対策、緊急時マニュアルなどの環境整備です。
ハラスメント対策は、対応マニュアルの作成と共有、周知、相談窓口の設置のいずれも必要です。環境整備は、緊急時マニュアル、緊急時を想定した研修、ほかの職員が駆け付けられる体制、記録と申し送りの全員共有のいずれも必要で、ICTツールの活用は望ましいとされています。
措置を行える体制と計画は「訪問系サービスの要件に係る報告書」で示し、従事の前に巡回訪問等実施機関(国際厚生事業団)へ提出します。キャリアアップ計画の評価期間は1年で、終わるたびに新しい計画を作り、前の計画の終期から4か月以内に同機関へ提出します。利用者・家族への説明様式は、実務経験が1年以上か1年未満かで分かれ、厚生労働省のページに掲載されています。
施設での受入れの人数枠や協議会の加入は介護分野の特定技能:対象施設・人数枠・訪問系サービスで確認できます。
ほかの在留資格との違い:「介護」は従来から可
訪問系サービスへの従事は、在留資格によって認められる時期が異なります。
厚生労働省の社会保障審議会の資料によれば、在留資格「介護」とEPAの介護福祉士は、従来から訪問系サービスに従事できました。技能実習と特定技能は、これまで認められていませんでした。
EPAの介護福祉士候補者は今回の対象外で、通知は必要な調整が終わり次第、改めて通知するとしています。育成就労の介護分野の扱いは、別のガイドで確認できます。
育成就労の訪問系の扱いは育成就労の介護分野の上乗せ基準で確認できます。
よくある質問
特定技能の外国人は、いつから訪問介護に従事できますか?
厚生労働省の案内では、特定技能は令和7年(2025年)4月21日に施行されました。技能実習は令和7年4月1日です。
訪問介護に従事するには、どんな資格や経験が必要ですか?
介護職員初任者研修課程等の修了が前提で、生活援助従事者研修のみの修了は除かれます。実務経験は、介護事業所等で1年以上あることが原則です。
実務経験が1年未満でも訪問介護に従事できますか?
事業所の判断で、例外的に従事できる場合があります。条件は、在留資格の要件より高い日本語能力(例としてN2相当)と、サービスの頻度に応じた期間の同行訪問です。
訪問入浴介護でも、事前の届出は必要ですか?
厚生労働省のQ&Aでは、訪問入浴介護と介護予防訪問入浴介護は、巡回訪問等実施機関への事前の届出等は不要です。ただし、指導体制の確保と職場内での研修は事業者が行います。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」(確認日:2026年8月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(令和7年3月31日付 社援発0331第40号・老発0331第12号)(確認日:2026年10月23日、次回確認:2027年1月26日)
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事に関するQ&A」(確認日:2026年10月23日、次回確認:2027年1月26日)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会資料(外国人介護人材の訪問系サービスへの従事)(確認日:2026年10月23日、次回確認:2027年1月26日)