この記事の対象:特定技能外国人に業務の研修を受けさせたい受入れ企業の人事・総務担当者

外国人の訓練も対象になるか:国籍ではなく雇用保険と訓練内容で決まる

人材育成支援コースの対象労働者は、事業主が雇用する雇用保険の被保険者です。厚生労働省のQ&Aは、訓練を受ける人が外国人かどうかにかかわらず、コースの支給要件を満たす訓練なら支給対象になるとしています。

令和8年度版の詳細版パンフレットでは、申請事業主が雇用保険適用事業所の事業主であること、訓練を受ける人がその事業所の雇用保険被保険者であることが、チェックリストの最初の項目に挙がっています。特定技能外国人の雇用保険の加入は、別のガイドで確認できます。

厚生労働省の事業主向けQ&A(令和6年11月版)のQ27は、就労が認められる在留資格を持つ外国人への訓練について、外国人かどうかにかかわらず、職務に関連した専門的な知識と技能を習得させる訓練などの支給要件を満たせば支給対象になると答えています。このQ&Aに、特定技能の在留資格を名指しした記載は見当たらないため、特定技能だから対象、または対象外とは読み取れません。

同じQ&Aは、一部が対象外になる例も挙げています。技能実習生は、OJTへの助成を含む認定実習併用職業訓練と有期実習型訓練が対象外です。外国人家事使用人やワーキングホリデーは、雇用保険の適用対象外のため対象外です。

対象になる訓練とならない訓練:日常会話の日本語だけでは対象外

助成の対象は、職務に関連した専門的な知識と技能を身につけるための訓練で、実訓練時間数が10時間以上あるものです。

パンフレットは、助成対象にならない訓練の例を挙げています。職務に間接的に必要な知識を身につける訓練(普通自動車の免許取得の講習など)、接遇やマナーなど職業人として共通して必要なスキルの講習、日常会話程度の語学の習得だけを目的とする講習、自社の経営方針や社内制度の説明などです。

日本語の研修について、Q&AのQ28は次のように答えています。職務に関連した専門用語を習得させる訓練であれば対象となり得ますが、日常会話程度の日本語の習得だけを目的とする講習は対象になりません。たとえば、介護業務に従事する外国人に介護や医療の専門用語を学ばせる研修は対象となり得ますが、私生活で必要な日本語の研修は対象外です。

つまり、日常会話程度の日本語の習得だけを目的とする講座は対象外で、分野の専門用語を学ばせる研修は、カリキュラムの内容で判断されることになります。実際に対象になるかどうかは、計画届を出す前に管轄の労働局へ確認します。

  • 訓練が職務に直接関連する内容だと、カリキュラムで説明できる
  • 実訓練時間数(移動や対象外の時間を除く)が10時間以上ある
  • 日常会話や生活場面の日本語だけを目的とした講座ではない
  • 自社の制度説明や社内の業務説明だけで構成していない

助成率と上限額:中小企業の人材育成訓練の場合

令和8年度版パンフレットの人材育成訓練(OFF-JT)では、中小企業の経費助成率は正規雇用労働者等で45%、有期契約労働者等で70%です。賃金要件等を満たすと、いずれも15ポイント加算されます。

賃金助成は、訓練時間内に支払った賃金への助成で、中小企業は1人1時間あたり800円です。賃金要件等を満たすと200円が加算されて1,000円になります。大企業は経費助成率が30%(加算後は45%)、賃金助成が400円(加算後は500円)です。

賃金要件等とは、訓練の修了後に賃金を5%以上引き上げた場合、または資格等手当を就業規則等に規定して支払い、手当の支払い前後で賃金が3%以上上がった場合です。経費助成には、実訓練時間数に応じた1人1訓練あたりの限度額があります。

助成は、訓練にかかった費用や賃金の全額ではなく一部です。事業主が訓練経費を支給申請日までに全額負担していることも要件のため、先に費用を立て替える形になります。

人材育成訓練(OFF-JT)の助成(令和8年度版パンフレットより)
項目中小企業大企業
経費助成率(正規雇用労働者等)45%(賃金要件等を満たすと60%)30%(同45%)
経費助成率(有期契約労働者等)70%(賃金要件等を満たすと85%)パンフレットに別の率の記載なし
賃金助成(1人1時間)800円(同1,000円)400円(同500円)
経費助成の限度額:10時間以上100時間未満15万円10万円
経費助成の限度額:100時間以上200時間未満30万円20万円
経費助成の限度額:200時間以上50万円30万円

手続の期限:計画届は訓練開始の6か月前から1か月前まで

計画届は、訓練開始日から数えて6か月前から1か月前までの間に労働局へ提出します。この期間を外れると支給されません。

計画届を出す日までに、職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定して労働者に周知しておく必要があります。選任や策定をしていない場合は、計画届を出す日までに済ませます。

訓練が終わったら、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請書と必要書類を提出します。パンフレットは、この期限を厳守としています。期限を過ぎた申請は支給の対象外です。

このパンフレットは、令和8年8月3日以降に提出された職業訓練実施計画届に基づく訓練が対象です。年度の途中で制度が変わることもあるため、申請の前に厚生労働省の最新の案内と管轄の労働局で確認します。

  1. 雇用保険の被保険者かを確認する

    訓練を受ける外国人が、自社の雇用保険適用事業所の被保険者であることを確認します。

  2. 訓練の内容と時間を決める

    職務に直接関連し、実訓練時間数が10時間以上になるカリキュラムを作ります。

  3. 計画届を出す

    訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、管轄の労働局へ提出します。

  4. 訓練を実施して経費を支払う

    計画どおりに訓練を行い、訓練経費を支給申請日までに全額負担します。

  5. 支給申請をする

    訓練終了日の翌日から2か月以内に、支給申請書と必要書類を提出します。

よくある質問

特定技能外国人は人材開発支援助成金の対象ですか?

厚生労働省のQ&Aは、外国人かどうかにかかわらず、人材育成支援コースの支給要件を満たす訓練なら支給対象になるとしています。対象労働者は雇用保険の被保険者です。特定技能を名指しした記載は確認できないため、個別の可否は管轄の労働局へ確認してください。

日本語の研修にも使えますか?

日常会話程度の日本語の習得だけを目的とする講習は対象外です。職務に関連した専門用語を習得させる訓練であれば、対象となり得ます。

計画届はいつまでに出しますか?

訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、労働局へ提出します。この期間に出していない場合は支給されません。

訓練が終わったあと、いつまでに申請しますか?

訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請書と必要書類を提出します。パンフレットはこの期限を厳守としています。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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