この記事の対象:工場・現場・事務所に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生担当者・総務担当者

救急用具:備える、場所と使い方を周知する、清潔に保つ

事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具と材料を備える義務があります。

労働安全衛生規則第633条第1項は、事業者が、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所と使用方法を労働者に周知させなければならないと定めています。第2項は、備えた救急用具と材料を常時清潔に保つことを求めています。

備える品目の種類や数は、この条文には書かれていません。事業場の業務の内容と人数に応じて、何を備えるかを決める必要があります。個別の判断は、所轄の労働基準監督署などの確認を優先してください。

事務所には、事務所衛生基準規則第23条が同じ内容を定めています。事務作業に従事する労働者が主として使う建築物は、この規則が適用され、附属の食堂と炊事場を除き、労働安全衛生規則の第3編(衛生基準)は適用されません(事務所衛生基準規則第1条)。

救急用具の備付けの根拠
場所根拠求められること
工場・現場など労働安全衛生規則第633条救急用具・材料の備付け、備付け場所と使用方法の周知、常時清潔に保つ
事務所事務所衛生基準規則第23条同上

休養室:常時50人以上、または常時女性30人以上で男女別に設ける

一定の人数以上の労働者を使う事業場には、横になって休める休養室または休養所を設ける決まりがあります。

労働安全衛生規則第618条は、常時50人以上、または常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床(横になること)できる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならないと定めています。

事務所では、事務所衛生基準規則第21条が同じ人数の基準で、休養室または休養所の設置を定めています。

常時50人は男女を合わせた労働者の人数、常時女性30人は女性の労働者の人数で、いずれも特定技能外国人だけでなく、常時使用する労働者を数えます。

休養室または休養所を設ける人数の基準
条件設けるもの根拠
常時50人以上の労働者を使用臥床できる休養室または休養所(男性用と女性用に区別)労働安全衛生規則第618条、事務所衛生基準規則第21条
常時女性30人以上の労働者を使用同上同上

急迫した危険時の措置:作業の中止と退避、雇入れ時の教育

労働災害が発生する急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を退避させます。

労働安全衛生法第25条は、事業者が、労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させるなど必要な措置を講じなければならないと定めています。

労働安全衛生規則第35条第1項は、労働者を雇い入れ、または作業内容を変更したときに、遅滞なく行う安全衛生教育の項目の一つとして、事故時等における応急措置及び退避に関することを挙げています。教育は、その労働者が従事する業務に関する事項について行います。

雇入れ時の安全衛生教育の全体は、別のガイドで整理しています。

雇入れ時の教育の全項目と省略できる場合は、雇入れ時の安全衛生教育で確認できます。

救護の訓練:特定の工事だけ、1年以内ごとに1回

爆発や火災に備えた救護の機械等の備付けと訓練は、政令で定める特定の工事を行う事業者に限られます。

労働安全衛生法第25条の2は、建設業その他政令で定める業種の仕事で政令で定めるものを行う事業者に、救護に必要な機械等の備付けと管理、救護に必要な事項の訓練などを求めています。施行令第9条の2は、対象の仕事として、出入口からの距離が1,000メートル以上の場所で作業を行うずい道等の建設、深さ50メートル以上のたて坑の掘削を伴うずい道等の建設、ゲージ圧力0.1メガパスカル以上で行う圧気工法による作業を挙げています。

労働安全衛生規則第24条の3は、備える機械等として、空気呼吸器または酸素呼吸器、メタン・硫化水素・一酸化炭素・酸素の濃度を測る測定器具、懐中電灯などの携帯用照明器具を挙げています。第24条の4は、機械等の使用方法、救急そ生の方法その他の救急処置、安全な救護の方法についての訓練を、備付けの時までに1回、その後1年以内ごとに1回行うよう定めています。

訓練を行ったときは、実施年月日、訓練を受けた者の氏名、訓練の内容を記録し、3年間保存します(第24条の4第3項)。一般の工場や事務所の救急用具の備付けとは別の仕組みです。

救護の訓練の決まり(労働安全衛生規則第24条の4)
項目内容
訓練の事項機械等の使用方法、救急そ生の方法その他の救急処置、安全な救護の方法
回数機械等の備付けの時までに1回、その後1年以内ごとに1回
記録実施年月日、訓練を受けた者の氏名、訓練の内容を3年間保存
  • 救急用具と材料を備え、備付け場所と使用方法を労働者に周知する
  • 救急用具と材料を常時清潔に保つ
  • 常時50人以上、または常時女性30人以上の場合は、男女別の休養室または休養所を設ける
  • 雇入れ時と作業内容の変更時の教育に、事故時等の応急措置と退避を含める
  • 特定の工事(長いずい道・圧気工法など)に当たる場合は、救護の訓練を1年以内ごとに行い、3年間記録を保存する

よくある質問

救急箱には何を入れればよいですか?

労働安全衛生規則第633条は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備えることを定めていますが、品目や数は条文に書かれていません。事業場の業務に応じて決め、備付け場所と使用方法を労働者に周知します。個別の判断は所轄の労働基準監督署などの確認を優先してください。

休養室は、何人から必要ですか?

常時50人以上、または常時女性30人以上の労働者を使用するときに、臥床できる休養室または休養所を男性用と女性用に区別して設けます(労働安全衛生規則第618条、事務所では事務所衛生基準規則第21条)。

事務所にも救急用具の備付けは必要ですか?

必要です。事務所衛生基準規則第23条が、労働安全衛生規則第633条と同じ内容を定めています。

救護の訓練は、すべての事業場で必要ですか?

いいえ。労働安全衛生法第25条の2と施行令第9条の2が定める、長いずい道等の建設や、ゲージ圧力0.1メガパスカル以上の圧気工法による作業などを行う事業者が対象です。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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