この記事の対象:製造、塗装、建設、資源循環などで可燃性ガスや引火性の物を扱う現場に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生・現場責任者
蒸気・ガス・粉じんがある場所:通風・換気・除じん
労働安全衛生規則第261条は、爆発や火災が起きるおそれのある場所の、基本の措置を定めています。
引火性の物の蒸気、可燃性ガス、可燃性の粉じんが存在して、爆発や火災が生ずるおそれのある場所について、事業者は、通風、換気、除じんなどの措置を講じなければなりません(第261条)。
措置の中身は、場所や物質によって異なります。条文は、具体的な風量や設備の種類を定めておらず、爆発や火災を防止できる措置を講じることを求めています。
火気・点火源の使用禁止と、防爆構造の電気機械器具
第279条は点火源の使用禁止を、第280条は電気機械器具の防爆性能を定めています。
危険物以外の可燃性の粉じん、火薬類、多量の易燃性の物、危険物が存在して、爆発や火災が生ずるおそれのある場所では、火花やアークを発する機械等、高温になって点火源となるおそれのある機械等、火気を使用してはなりません(第279条第1項)。その場所で作業する人も、同じ機械等と火気を使用してはなりません(同条第2項)。
第261条の措置を講じても、引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれがある箇所では、電気機械器具は、蒸気やガスの種類と濃度に応じた防爆性能を持つ防爆構造電気機械器具でなければ使用できません(第280条第1項)。労働者も、防爆構造以外の電気機械器具を使用してはなりません(同条第2項)。
第280条でいう電気機械器具には、電動機、変圧器、コード接続器、開閉器、分電盤、配電盤などが含まれ、配線と移動電線は除かれます。第280条は蒸気とガスの場所の規定で、可燃性の粉じんの場所は別の条文(第281条・第282条)が定めています。修理や変更などの臨時の作業に関する適用除外(第283条)と、移動式・可搬式の防爆機器の点検(第284条)も、このガイドでは扱いません。
ガス溶接等に使うガス容器の取扱い
第263条は、ガス溶接等の業務に使うガス等の容器(可燃性ガスと酸素の容器)について、置き場所と取扱いの9項目を定めています。
通風や換気の不十分な場所、火気を使用する場所とその附近、火薬類や危険物などの爆発性・発火性の物または多量の易燃性の物を製造し、または取り扱う場所とその附近では、容器を設置、使用、貯蔵、放置してはなりません(第263条第1号)。
容器の温度は40度以下に保ちます。転倒のおそれがないように保持し、衝撃を与えてはなりません。運搬するときはキャップを施します。
使うときは、口金に付いた油類とじんあいを除き、バルブの開閉を静かに行います。溶解アセチレンの容器は立てて置き、使用前または使用中の容器とそれ以外の容器の区別を明らかにしておきます。
- ガス容器を、風通しの悪い場所や火気の近くに置いていない
- 容器の温度を40度以下に保っている
- 容器が転倒しないように保持している
- 溶解アセチレンの容器を立てて置いている
- 使用前・使用中の容器と、それ以外の容器を区別している
可燃物の多い作業場・自然発火・油のしみたぼろ
第265条から第267条は、可燃性の物を多量に扱う場所の構造、自然発火、油のしみたぼろの処理を定めています。
起毛、反毛などの作業、または綿、羊毛、ぼろ、木毛、わら、紙くずその他の可燃性の物を多量に取り扱う作業を行う場所や設備は、火災防止のために適当な位置または構造としなければなりません(第265条)。
自然発火の危険がある物を積み重ねるときは、危険な温度に上昇しない措置を講じます(第266条)。油または印刷用インキ類がしみたぼろ、紙くずなどは、不燃性のふた付きの容器に収めるなど、火災防止の措置を講じます(第267条)。
| 場面 | 根拠 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 蒸気・ガス・粉じんがある場所 | 規則第261条 | 通風、換気、除じんなどの措置 |
| 危険物などがある場所の点火源 | 規則第279条 | 火花・アーク・高温の機械等と火気の使用を禁止 |
| 爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所 | 規則第280条 | 防爆構造の電気機械器具を使用 |
| ガス溶接等に使うガス容器 | 規則第263条 | 置き場所の制限、40度以下、転倒防止など9項目 |
| 可燃物・自然発火・油のしみたぼろ | 規則第265条〜第267条 | 場所や構造、積み重ね方、不燃性のふた付き容器 |
よくある質問
可燃性ガスのある場所で、換気の方法は決まっていますか?
第261条は、通風、換気、除じんなどの措置を講じることを求めていますが、風量や設備の種類は定めていません。爆発や火災を防止できる措置を、場所と物質に応じて講じます。
引火性の物の蒸気や可燃性ガスがある場所では、防爆構造の電気機械器具はどんなときに必要ですか?
第261条の場所のうち、同条の措置を講じても引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれがある箇所です(第280条)。蒸気やガスの種類と濃度に応じた防爆性能が求められます。可燃性の粉じんがある場所の電気機械器具は別の条文(第281条・第282条)が定めており、このガイドでは扱いません。
ガス溶接に使うガス容器は、どこに置いてはいけませんか?
通風や換気の不十分な場所、火気を使用する場所とその附近、爆発性・発火性の物や多量の易燃性の物を製造し、または取り扱う場所とその附近です(第263条第1号)。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第261条・第280条(通風・換気・除じん等の措置、防爆構造の電気機械器具)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月27日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第279条(危険物等がある場所における火気等の使用禁止)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月28日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第263条(ガス等の容器の取扱い)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月29日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第265条〜第267条(火災のおそれのある作業の場所等・自然発火の防止・油等の浸染したボロ等の処理)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月30日)