この記事の対象:ガソリンや軽油、溶剤などを貯蔵・取り扱う現場に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生・総務担当者

危険物は6つの類で、燃料は第4類

消防法で規制される危険物は、法の別表第一に掲げる品名の物品で、類ごとの性質を持つものです。燃料のガソリン・灯油・軽油・重油は、第4類の引火性液体に当たります。

消防法の別表第一の備考は、引火性液体のうち、第一石油類をアセトン、ガソリンなどで引火点が21度未満のもの、第二石油類を灯油、軽油などで引火点が21度以上70度未満のもの、第三石油類を重油、クレオソート油などで引火点が70度以上200度未満のものと定めています。ガソリンは第一石油類、灯油と軽油は第二石油類、重油は第三石油類です。

消防試験研究センターの案内では、危険物は第1類(酸化性固体)から第6類(酸化性液体)まであり、第4類にはガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などが入ります。この規制は消防法によるもので、労働安全衛生法令による爆発・火災の防止措置とは別の定めです。

指定数量の基準:貯蔵所・取扱所が必要になる数量と、複数品目の倍数の合算

消防法第10条第1項は、指定数量以上の危険物を、貯蔵所以外の場所で貯蔵し、製造所・貯蔵所・取扱所以外の場所で取り扱うことを禁じています。

指定数量は、危険物の規制に関する政令の別表第3が品名ごとに定めています。大阪市消防局の案内によると、ガソリン(第一石油類の非水溶性)は200リットル、灯油と軽油(第二石油類の非水溶性)は1,000リットル、重油(第三石油類の非水溶性)は2,000リットルです。

品名や指定数量が違う危険物を同じ場所に置く場合は、それぞれの数量を指定数量で割った商の合計が1以上になると、指定数量以上とみなされます(法第10条第2項)。たとえばガソリン100リットル(0.5倍)と灯油500リットル(0.5倍)を同じ場所に置くと、合計が1倍になります。

10日以内の仮貯蔵・仮取扱いは、消防長または消防署長の承認があれば認められます。指定数量未満の危険物は、貯蔵・取扱いの技術上の基準や場所の基準を、市町村条例が定めます(法第9条の4)。条例の内容は市町村ごとに違うため、所轄の消防本部または消防署で確認します。

主な危険物の指定数量(第4類。危険物の規制に関する政令 別表第3。大阪市消防局の案内の一覧)
物品名品名・性質指定数量
ガソリン第一石油類(非水溶性)200リットル
灯油第二石油類(非水溶性)1,000リットル
軽油第二石油類(非水溶性)1,000リットル
重油第三石油類(非水溶性)2,000リットル
ギヤー油・シリンダー油第四石油類6,000リットル
エタノール・メタノールアルコール類400リットル
  • 自社で置く燃料・溶剤の品名と、非水溶性か水溶性かを確かめた
  • 置き場ごとに、数量を指定数量で割った倍数を合算した
  • 倍数が1以上なら貯蔵所・取扱所の基準を、1未満なら市町村条例を、消防署に確認した

危険物取扱者以外が取り扱うときの立会い:甲種または乙種の定め

消防法第13条第3項は、製造所・貯蔵所・取扱所で、危険物取扱者以外の者が危険物を取り扱うときは、甲種または乙種の危険物取扱者が立ち会うことを求めています。

条文が立会いの資格として挙げているのは、甲種と乙種です。丙種は、消防試験研究センターの案内で、乙種第4類のうち指定された危険物に限り取扱作業ができる免状とされています。立会いについては、条文に丙種は出てきません。

政令で定める製造所・貯蔵所・取扱所の所有者・管理者・占有者は、甲種または乙種の危険物取扱者で、6か月以上の実務経験がある人から危険物保安監督者を定め、保安の監督をさせます(法第13条第1項)。定めたとき、解任したときは、遅滞なく市町村長等に届け出ます。

外国人であることを理由に別の扱いをする定めは、これらの条文には見当たりません。製造所・貯蔵所・取扱所では、免状を持たない人は、立会いがあるときに限って取り扱えます。

危険物取扱者の免状と試験:乙種・丙種は受験資格なし、手数料は4,200円〜

危険物取扱者の試験は、法第13条の3により都道府県知事が行い、種類は甲種・乙種・丙種です。実施は消防試験研究センターの中央試験センターと道府県支部が行っています。

消防試験研究センターの案内によると、乙種と丙種は受験資格が必要なく、どなたでも受験できます。甲種は受験資格が必要です。法第13条の3は、甲種の受験者を、大学等で化学に関する学科を修めて卒業した人、または乙種免状の交付後に2年以上の実務経験がある人などと定めています。

試験手数料(非課税)は、甲種が7,200円、乙種が5,300円、丙種が4,200円です。払い込んだ手数料は返金されません。申請は電子申請と書面のどちらも可能ですが、令和10年度から原則として電子申請のみとなる予定とされています。

試験の日程は、試験地ごとに違います。試験の言語や、外国語での受験の可否は、センターの案内に載っていなかったため、このガイドでは扱いません。受験前に、申請予定の支部へ確かめてください。

  1. 置く危険物を確かめる

    ガソリンや軽油など、置く品名と数量を洗い出します。

  2. 倍数を計算する

    数量を指定数量で割り、同じ場所の分を合算します。

  3. 立会う人を決める

    貯蔵所・取扱所で免状を持たない人が取り扱うときは、立ち会う甲種または乙種の人を決めます。

  4. 試験を選ぶ

    第4類の燃料だけなら、乙種第4類の免状が対象です。試験地と日程は消防試験研究センターで確かめます。

よくある質問

ガソリンは何リットルから、貯蔵所が必要ですか?

危険物の政令の別表第3では、ガソリンなどの第一石油類(非水溶性)の指定数量は200リットルです。指定数量以上は貯蔵所で貯蔵する必要があり、未満の扱いは市町村条例が定めます。

灯油とガソリンを一緒に置くときは、どう数えますか?

それぞれの数量を指定数量で割り、合計が1以上になると指定数量以上とみなされます。ガソリン100リットルと灯油500リットルなら0.5+0.5で、合計は1倍です。

危険物取扱者の免状がない人は、危険物を扱えませんか?

貯蔵所・取扱所などでは、免状を持たない人は、甲種または乙種の危険物取扱者が立ち会うときに限り、危険物を取り扱えます(消防法第13条第3項)。

乙種危険物取扱者試験の受験料はいくらですか?

消防試験研究センターの案内では、乙種は5,300円(非課税)です。甲種は7,200円、丙種は4,200円で、乙種と丙種は受験資格が不要です。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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