この記事の対象:特定技能外国人の育児休業の取得や復帰に対応する中小企業の人事・労務担当者、登録支援機関の担当者
令和8年度の6コースの概要
厚生労働省の令和8年度の手引きは、仕事と育児・介護などの両立に取り組む事業主を支援する両立支援等助成金に、6つのコースを挙げています。
6つのコースは、出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、育休中等業務代替支援コース、柔軟な働き方選択制度等支援コース、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースです。このページは、育児休業の取得と復帰を支える育児休業等支援コースを中心に整理します。
各コースの支給額と要件は、年度ごとに変わることがあります。取組の前に、厚生労働省の最新のリーフレットと支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)で、対象の要件を確認してください。
| コース | 取組の内容 | 手引きの掲載ページ |
|---|---|---|
| 出生時両立支援 | 男性労働者の育児休業の取得や取得率の上昇 | P.2 |
| 介護離職防止支援 | 介護休業の取得、介護両立支援制度の利用、業務代替、介護休暇の有給化 | P.28 |
| 育児休業等支援 | 育休復帰支援プランに基づく育児休業の取得と復帰 | P.78 |
| 育休中等業務代替支援 | 育児休業中などの労働者の業務を代わる労働者への手当、代替要員の新規雇用 | P.94 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援 | 育児期の柔軟な働き方の制度を3つ以上導入、子の看護等休暇の有給化 | P.138 |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援 | 不妊治療のための休暇制度や両立支援制度の整備と利用 | P.165 |
育児休業等支援コースの支給額と要件
手引きによると、育児休業等支援コースは、育休復帰支援プランを作って育児休業の円滑な取得と職場復帰に取り組んだ場合の助成金で、支給の対象は中小企業事業主のみです。育休取得時と職場復帰時に、それぞれ30万円が支給されます。
中小企業事業主の範囲は、手引きの表で業種ごとに定められています。小売業(飲食店を含む)は資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、その他の業種は3億円以下または300人以下です。
育休取得時の要件は7つです。育休復帰支援プランで育児休業の取得と職場復帰を支援する方針を周知すること、育児休業の取得予定者と面談をして面談シートに記録しプランを作ること、プランに基づいて業務の引き継ぎをすること、連続3か月以上の育児休業を取得すること、育児休業制度を就業規則などに定めること、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を作って労働局に届け出ること、育児休業の開始日に雇用保険被保険者として雇用していることです。
職場復帰時は、育休取得時と同じ労働者の同じ育児休業について、取得時の助成金を受けている場合が対象です。復帰までに職務や業務の情報と資料を提供すること、復帰前に面談をして記録すること、原則として元の職務に復帰させること、復帰した日から6か月以上かつ支給申請日まで雇用保険被保険者として継続して雇用することが求められます。育休取得時・職場復帰時とも、1事業主につき2回までで、無期雇用と有期雇用の労働者が1回ずつです。
育児休業の対象になる有期契約の労働者は有期契約の育児休業のガイドで確認できます。
- 自社が手引きの表で中小企業事業主の範囲に入る
- 育児休業の取得と職場復帰を支援する方針を、休業開始日の前日までに文書で周知した(産前・産後休業から続けて取る場合は、その休業の開始日の前日まで)
- 取得予定者と面談をして面談シートに記録し、育休復帰支援プランを作った
- 一般事業主行動計画を作って労働局に届け出ており、対象の労働者は雇用保険被保険者である
男性の育休を支援するコースとの併給
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は、男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した場合などに助成するコースです。手引きによると、支給の対象は取得の場合が中小企業事業主、取得率の上昇等の場合が特定事業主です。
男性労働者の育児休業取得の支給額は、1人目が20万円、2人目・3人目が10万円です。雇用環境整備の措置を4つ以上実施した場合は、1人目が30万円になります。
子の出生後8週間以内に開始する連続5日間以上の育児休業を取得することが要件の1つです。2人目・3人目の日数の要件は1人目と異なるため、手引きで確認してください。
手引きは、同一労働者の同一の育児休業について、出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得)と育児休業等支援コース(育休取得時、職場復帰時)は併給できないと注意しています。同じ育児休業にどちらのコースを使うかは、申請の前に決めておく必要があります。
男性が取る子の出生後8週間以内の休業の制度は、産後パパ育休のガイドで確認できます。
| 対象 | 支給額 |
|---|---|
| 1人目 | 20万円(雇用環境整備の措置を4つ以上実施した場合は30万円) |
| 2人目・3人目 | 10万円 |
申請の前に確認すること
助成金は、申請すれば必ず支給されるものではありません。要件を満たしているかは、手引きの要件と、管轄の都道府県労働局の確認で決まります。
特定技能外国人の育児休業も、育児・介護休業法の制度の中で扱います。助成金の対象になるかは、自社が中小企業事業主の範囲に入ること、対象の労働者が雇用保険被保険者であること、行動計画の届出と就業規則の定めがあることなど、手引きの要件で決まります。
個別の事案は管轄の労働局に確認してください。入管庁の運用要領も、労働関係法令への適合を特定技能の雇用関係の基準としています。
当サイトは、助成金の申請の代行や、受給できるかどうかの判定を行いません。申請書類の書き方や要件の細部は、手引きを読んだうえで、管轄の都道府県労働局に確認します。
よくある質問
育児休業等支援コースでは、いくら支給されますか?
令和8年度の手引きでは、育休取得時が30万円、職場復帰時が30万円です。どちらも1事業主につき2回までで、無期雇用と有期雇用の労働者が1回ずつです。支給の対象は中小企業事業主のみです。
育休取得時の支給には、どのくらいの休業が必要ですか?
手引きでは、対象の労働者が連続3か月以上の育児休業を取得することが要件の1つです。あわせて、方針の周知、面談と育休復帰支援プランの作成、業務の引き継ぎ、行動計画の届出、雇用保険被保険者としての雇用なども求められています。
男性の育休で出生時両立支援コースを使った場合、育児休業等支援コースも使えますか?
手引きは、同一労働者の同一の育児休業について、両コースは併給できないと注意しています。どちらを使うかは、申請の前に労働局に確認してください。
特定技能外国人の育休でも、この助成金の対象になりますか?
対象になるかは、自社が中小企業事業主の範囲に入ること、対象の労働者が雇用保険被保険者であることなど、手引きの要件で決まります。個別の事案は管轄の労働局に確認してください。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「2026(令和8)年度 両立支援等助成金のご案内」リーフレット(確認日:2026年10月17日、次回確認:2027年1月17日)
- 厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)」(確認日:2026年10月17日、次回確認:2027年1月17日)
- 厚生労働省「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」(確認日:2026年10月17日、次回確認:2027年1月17日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)