この記事の対象:運転免許の取得費用を貸し付ける、または補助することを考えている自動車運送事業者の総務・人事担当者

費用の負担:事業者負担が望ましい

運用要領別冊は、運転免許の取得費用の負担について、所属機関が負担することが望ましいとしています。

本人が負担する場合は、採用時などに、受入れ外国人(受け入れる予定の人を含む)が十分に理解できる言語で説明するなど、丁寧な説明を心掛け、事前に本人の了承を得るよう求めています。

この留意事項は、別冊の「上陸許可に係る基準」の項にあり、確認対象の書類として自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第15-1号、特定技能所属機関)が挙げられている箇所に続いて書かれています。

誓約書を含む第15号系の様式は自動車運送業分野の分野参考様式のガイドで一覧にしています。

抵触のおそれがある契約:返済免除の条件と一括返済

別冊は、受入れができなくなるおそれがある例として、二つの契約を挙げています。

一つ目は、受入れ外国人が一定期間勤務することを停止条件として、免許取得費用の返済を免除する内容の契約です。二つ目は、受入れ外国人が返済の途中で退職した場合に、貸付金の残額を一括で返済する内容の契約です。

別冊は、特定技能制度では、特定技能の適正な活動が阻害されることを防ぐため、労働基準法第16条とは別に、上陸基準省令と特定技能基準省令で、保証金の徴収、財産の管理、違約金を定める契約、不当に財産の移転を予定する契約を禁止しているとします。阻害される場合には、労働を強制される契機になることや、自由に転職・退職できないことを含むと説明しています。

保証金・違約金の禁止の範囲は保証金・違約金の禁止のガイドでも確認できます。

別冊が例に挙げる契約と、問題とされる点
契約の内容別冊が示す扱い
一定期間の勤務を停止条件として、免許取得費用の返済を免除する基準に抵触して、受入れができなくなるおそれがある例
返済の途中で退職したら、貸付金の残額を一括で返済する基準に抵触して、受入れができなくなるおそれがある例

賃金に含めて補填する場合と、日本人との取扱いの違い

別冊は、費用を賃金に含めて補填する方法は基準に抵触しないとしています。

別冊の記載は、受入れ外国人の運転免許の取得費用について、所属機関が当該費用を賃金に含めて補填することは、上陸基準省令及び特定技能基準省令の基準に抵触しない、というものです。

また、上の基準に基づいて日本人と異なる取扱いになったとしても、特定技能基準省令第1条第1項第4号に掲げる報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇についての差別的な取扱いには該当しないとされています。

個別の契約が基準に当たるかどうかは、このサイトでは判断できません。契約の内容を決める前に、管轄の地方出入国在留管理局や、社会保険労務士など専門家へ確認してください。

別冊が参考に挙げる条文:労働基準法第16条と特定技能基準省令第2条

別冊は、(参考)として三つの規定を載せています。

労働基準法第16条は、使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定めています。

上陸基準省令は、申請人やその親族などが、特定技能雇用契約に基づく活動に関連して、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず金銭その他の財産を管理されず、かつ、特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約が締結されておらず、締結されないことが見込まれることを求めています。

特定技能基準省令第2条第4号リ(7)は、特定技能雇用契約の締結の日前5年以内またはその締結の日以後に、保証金の徴収、財産の管理、違約金を定める契約その他不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結する行為をした者を、基準に適合しない者の類型に挙げています。

別冊の(参考)に載る規定
規定内容の要約
労働基準法第16条労働契約の不履行について違約金を定め、損害賠償額を予定する契約の禁止
上陸基準省令(特定技能1号)保証金の徴収、財産の管理、違約金を定める契約などがないこと
特定技能基準省令第2条第4号リ(7)契約の締結前5年以内または締結後に、保証金・違約金などの契約を結んだ者は適合しない

よくある質問

運転免許の取得費用は、事業者が負担しなければなりませんか?

運用要領別冊は、所属機関が負担することが望ましいとしています。本人が負担する場合は、十分に理解できる言語で説明し、事前に了承を得るよう求めています。

一定期間勤めれば返済を免除する、という貸付けは問題になりますか?

別冊は、一定期間の勤務を停止条件として返済を免除する契約を、基準に抵触して受入れができなくなるおそれがある例に挙げています。個別の契約がこれに当たるかは、管轄の地方出入国在留管理局へ確認してください。

免許取得費用を賃金に含めて補填するのは問題ありませんか?

別冊は、所属機関が費用を賃金に含めて補填することは、上陸基準省令と特定技能基準省令の基準に抵触しないとしています。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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