この記事の対象:育成就労外国人の採用を検討する企業の人事担当者、監理支援機関・登録支援機関の担当者、現在の在留資格から育成就労への切替を考える候補者を支援する担当者
入国時と就労開始前の日本語要件(A1相当)
出入国在留管理庁の育成就労制度Q&A(Q55)は、入国時と就労開始前で、求める日本語能力を分けて説明しています。
Q&Aによると、入国時に求められる技能や日本語能力に係る要件はありません。就労開始前までに求められるのは、日本語能力A1相当以上の試験に合格すること、またはこれに相当する認定日本語教育機関の「就労」課程のA1相当の講習を100時間以上受講することです。
当分の間は、認定日本語教育機関による講習のほか、日本語教育機関認定法に基づき登録を受けた登録日本語教員による講習も、一定の要件の下でA1相当講習として認められます。必要となる日本語能力のレベルは、育成就労産業分野ごとに、より高い水準を設定することもできます。
A1相当講習を実施する機関は、日本語講習の実施機関のガイドで確認できます。
前職要件と帰国後従事要件:育成就労では求められない
技能実習で必要だった2つの要件について、Q&A(Q56)は、育成就労では求められないと答えています。
技能実習制度では、帰国後に、日本で修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていることを求める「帰国後従事要件」(技能実習法施行規則第10条第2項第3号ハ)と、日本で従事する業務と同種の業務に外国で従事した経験を求める「前職要件」(同号ホ)がありました。
育成就労制度では、このどちらも求められません。技能実習のときの基準を、育成就労の募集にそのまま当てはめないよう注意します。
特定技能で在留していた人:上限まで在留した人は育成就労外国人になれない
過去に在留資格「特定技能」で在留していた人が育成就労を行えるかは、Q&A(Q60)が答えています。
Q&Aは、育成就労制度は特定技能制度へのステップアップを前提とする制度だと説明しています。このため、すでに1号特定技能外国人として通算在留期間の上限まで在留しており、特定技能に移行する余地がない人などは、育成就労外国人になることができません。
「など」とあるため対象外の範囲はこの例に限られず、上限まで在留していない人の扱いはQ&Aに書かれていません。個別の可否は、出入国在留管理局への確認が必要です。
1号の通算5年の上限と例外は、通算在留期間の上限と例外のガイドで確認できます。
他の在留資格からの変更:計画の認定を受けてから変更許可を申請する
日本にすでに在留している人が「育成就労」に切り替える手続は、Q&A(Q61)と運用要領に同じ内容で書かれています。
Q&Aと運用要領は、他の在留資格から「育成就労」の在留資格への変更も認められる場合があるとしています。その場合は、現に有している在留期間内に、外国人育成就労機構から育成就労計画の認定を受け、その通知書等を添付書類として、地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行います。
運用要領は、計画の認定を受けていることをもって変更が許可されることが保証されるものではなく、これまでの在留活動の状況や育成就労での在留の必要性等を考慮したうえで、変更を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限り許可されると書いています。詳細は別途お知らせするとされているため、出入国在留管理庁の育成就労ページで最新の案内を確認します。
| 論点 | Q&Aの答え |
|---|---|
| 入国時の技能・日本語 | 要件なし |
| 就労開始前までの日本語 | A1相当以上の試験合格、またはA1相当の「就労」課程の講習を100時間以上受講 |
| 前職要件・帰国後従事要件 | 求められない |
| 特定技能で上限まで在留した人 | 育成就労外国人になれない(移行する余地がない人など) |
| 他の在留資格からの変更 | 認められる場合がある。計画の認定後、現在の在留期間内に変更許可を申請 |
- 候補者が就労開始前までにA1相当の試験または講習を満たす見込みを確認した
- 技能実習の前職要件・帰国後従事要件を条件に入れていないか確認した
- 候補者に特定技能での在留歴があれば、通算期間の状況を確認した
- 在留中の候補者は、現在の在留期間内に計画の認定と変更申請が間に合うか確認した
よくある質問
育成就労では、入国前に日本語の試験に合格している必要がありますか?
出入国在留管理庁のQ&Aは、入国時に求められる技能や日本語能力の要件はないとしています。就労開始前までに、A1相当以上の試験に合格するか、認定日本語教育機関の「就労」課程のA1相当の講習を100時間以上受講することが求められます。
育成就労にも、技能実習の前職要件や帰国後従事要件はありますか?
どちらもありません。Q&Aは、技能実習で求められた帰国後従事要件(施行規則第10条第2項第3号ハ)と前職要件(同号ホ)は、育成就労では求められないとしています。
日本に在留中の外国人は、育成就労に切り替えられますか?
Q&Aと運用要領は、他の在留資格から変更が認められる場合があるとしています。現在の在留期間内に育成就労計画の認定を受けて変更許可を申請しますが、認定があっても許可が保証されるものではありません。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「日本語講習の提供に関する調査結果一覧(認定日本語教育機関『就労のための課程』のみ)」(確認日:2026年10月4日、次回確認:2026年11月4日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。