この記事の対象:育成就労外国人の採用面談や雇用契約の説明を担当する企業の担当者、監理支援機関の担当者
規則第13条第2項第6号の全体像:本人・単独型・監理型の3区分
育成就労の実施に関する認定基準は、第6号のイ、ロ、ハに分かれ、ロが単独型、ハが監理型に当たります。
運用要領第4章第2節(6)は、規則第13条第2項第6号を引いています。イは、外国人本人やその親族などが、育成就労に関連して保証金の徴収などで財産を管理されず、契約の不履行について違約金を定める契約をしないことを求めます。
ロは単独型、ハは監理型の基準で、どちらも、関係者間の違約金契約をしていないこと、人権侵害が行われていないことの定期的な確認、雇用契約の締結時の説明を求めます。監理型のハには、送出機関などに支払う費用の額と内訳を外国人が理解して合意していることが加わります。
| 区分 | 求められること |
|---|---|
| イ(共通) | 外国人本人や親族の財産を管理せず、契約不履行の違約金など不当に財産の移転を予定する契約をしない |
| ロ(単独型) | 関係者間の違約金契約なし/人権侵害がないことの定期的確認/雇用契約の内容などの説明 |
| ハ(監理型) | 関係者間の違約金契約なし/人権侵害がないことの定期的確認/送出機関等への支払費用の額と内訳の合意/雇用契約の内容などの説明 |
関係者間の違約金契約の禁止と、人権侵害がないことの定期的な確認
外国人との直接の契約でなくても、関係者間で違約金を定める契約は認められません。
運用要領は、育成就労実施者、監理支援機関、取次送出機関、外国の準備機関の関係者間で、契約不履行についての違約金を定める契約をしないことを求めています。違約金を払う立場の機関が、外国人から保証金や高額な手数料を徴収するおそれがあるためです。想定される例は、外国人が行方不明になった場合に、制裁として取次送出機関が育成就労実施者に違約金を支払う契約です。
人権侵害の確認については、単独型では申請者が、監理型では申請者と監理支援機関が、外国人が暴行、脅迫、自由の制限その他の人権侵害行為を受けていないことを定期的に確認することが定められています。運用要領は、外出禁止などの不当な取決めをしている場合も、人権侵害行為の例に当たるとしています。
雇用契約の直接説明:説明する内容・認められる方法・保管
雇用契約を結ぶ際は、外国人になろうとする者に、対面かリアルタイムのオンラインで直接説明します。
運用要領によると、説明する内容は、業務内容や労働条件などの雇用契約の内容、入国後講習期間の待遇、本人意向の転籍を制限する期間、日本滞在時のその他の待遇です。方法は、直接会う対面か、テレビ電話装置等を使ったリアルタイムのオンラインのどちらかで、録画を視聴させる方法や電話のみの説明は認められません。
説明では、外国人の言語に対応する雇用契約書と雇用条件書(参考様式第1-2号)を示し、母国語で読み聞かせるなどして確実に伝えます。賃金は総支給額だけでなく、控除される税金や社会保険料、食費・居住費を徴収する場合はその金額や目的を含め、手取り額を丁寧に説明します。
宿泊施設は写真や周辺環境の説明を使い、実際の業務を撮影した動画を見せるなどして仕事の内容も伝えます。説明した担当者の氏名、日時、状況は文書にして保管する必要があります。
- 説明は対面か、リアルタイムのオンライン(録画の視聴や電話のみは不可)で行っているか
- 雇用契約書・雇用条件書(参考様式第1-2号)を母国語で読み聞かせ、賃金は手取りまで説明しているか
- 入国後講習期間の待遇と、本人意向の転籍を制限する期間を説明しているか
- 説明した担当者の氏名、日時、状況を文書にして保管しているか
送出機関等に支払う費用の合意:月給2か月分までと、監理支援機関の確認
監理型では、外国人が送出機関などに支払う費用の額と内訳を、外国人が理解して合意していることが基準です。
運用要領は、この規定を、外国人になろうとする者が不当に高額な送出費用を支払い、多額の借金を抱えて来日する事案を防ぐためのものだと説明しています。旅券の取得等に要した費用など、社会通念上、外国人が負担することに合理的な理由が認められるものは、取次送出機関や外国の準備機関が徴収することが可能です。
ただし、外国人が送出機関に支払う費用は月給の2か月分までで、送出機関はこの規制の内容を外国人に説明し、理解させなければなりません。監理支援機関は、取次送出機関や外国の準備機関が徴収した費用の額と内訳を外国人から十分に聴取するなどして、合意の下で徴収されたものであることを確認する必要があります。
確認の対象書類には、申請者の誓約書(参考様式第1-8号)が挙げられ、送出機関の取次ぎを受ける場合は、さらに取次送出機関の誓約書(参考様式第1-9号)、外国の準備機関の概要書及び誓約書(参考様式第1-7号)、本国で支払った費用の申告書(参考様式第1-10号)、外国人と取次送出機関の契約書の写しが挙げられています。
よくある質問
雇用契約の説明は、録画した動画を見せるだけでもよいですか?
認められません。運用要領は、対面か、テレビ電話装置等を使ったリアルタイムのオンラインで説明することを求めており、録画の視聴や電話のみの説明は認められない例として挙げています。
説明したことは記録に残す必要がありますか?
運用要領は、説明を行った担当者の氏名、説明の日時、状況などを文書にして保管することが必要だとしています。
送出機関が外国人から徴収できる費用に上限はありますか?
運用要領は、外国人が送出機関に支払う費用は月給の2か月分までとしています。旅券の取得等に要した費用など、外国人が負担することに合理的な理由が認められるものは、送出機関が徴収することが可能です。
行方不明になったときに送出機関が受入れ側へ違約金を払う契約は結べますか?
運用要領は、関係者間で契約不履行の違約金を定める契約を認めない例として、外国人が行方不明になった場合に制裁として取次送出機関が育成就労実施者に違約金を支払う契約を挙げています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。