この記事の対象:育成就労外国人の受入れを準備する企業の人事・総務担当者と、説明を担当する監理支援機関の職員
第1-13号は雇用条件書の内容を母国語で説明した記録で、申請時は提出不要
重要事項説明書は、育成就労の待遇を外国人になろうとする者へ説明したことを残す書類で、育成就労実施者が保管します。
入管庁の運用要領は、育成就労外国人の待遇(変更する場合も含む)について、育成就労実施者または監理支援機関の職員が直接、母国語で内容を詳しく説明し、理解を確実に得る必要があるとしています。その際に、母国語を併記した育成就労の期間中の待遇に関する重要事項説明書(参考様式第1-13号)を作成します。
この書類は、育成就労計画の認定申請や軽微変更の届出では提出不要です。育成就労実施者が保管し、電子データでの保管も認められています。ただし、石綿を含む建材等が使われた建築物等の解体等の業務に従事させる可能性がある場合は、後述のとおり第1-14号と一緒に提出します。
実施者が保管する書類の全体は育成就労実施者が保管する書類のガイドで確認できます。
| 書類 | 運用要領での位置づけ | 内容 |
|---|---|---|
| 雇用契約書及び雇用条件書(第1-2号) | 報酬・宿泊施設などの確認対象の書類(写し) | 契約期間、場所、業務、労働時間、賃金、退職、宿泊施設など |
| 報酬・宿泊施設・徴収費用の説明書(第1-15号) | 報酬・宿泊施設・入国後講習の確認対象の書類 | 報酬の額の根拠、宿泊施設、徴収する費用 |
| 重要事項説明書(第1-13号) | 認定申請では提出不要、実施者が保管 | 待遇の説明をしたことの記録(説明者と本人の署名) |
記載欄は5つ:育成就労中の待遇・入国後講習中の待遇・実施者の変更・石綿・その他
第1-13号は、冒頭に宛名を書き、5つの事項を順に説明して、最後に説明者と外国人本人が署名する様式です。
1の育成就労中の待遇は、雇用契約期間、就業の場所、従事する業務、労働時間、休日、休暇、賃金、退職、宿泊施設などを、別紙の雇用契約書及び雇用条件書のとおりとして示す欄です。宿泊施設の概要を明らかにするため、様式は施設の見取り図と周辺地図を添付するよう求めています。
2の入国後講習中の待遇は、入国後講習を実施しない場合は省略できます。講習手当は支給の有無(有の場合は支給額・内容)を、食費と居住費は支給の有無と外国人の負担の有無を選び、居住費では形態(寮・賃貸住宅・その他)、名称、所在地、規模(面積・収容人員・1人当たり居室)も書きます。3は育成就労実施者の変更、4は石綿を含む建材等が使われた建築物等の解体等の業務への従事、5はその他の事項です。
| 番号 | 事項 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 1 | 育成就労中の待遇 | 別紙の雇用契約書及び雇用条件書のとおり。宿泊施設の見取り図・周辺地図を添付 |
| 2 | 入国後講習中の待遇 | 講習手当は支給の有無、食費・居住費は支給の有無と本人負担の有無。講習を実施しない場合は省略 |
| 3 | 育成就労実施者の変更 | 変更できる場合の説明(次の節) |
| 4 | 石綿の業務への従事 | 従事しない/従事することがある、のどちらかを選ぶ。従事することがある場合は第1-14号を別紙とする |
| 5 | その他の事項 | 特記すべき事項がある場合に記載 |
実施者の変更の説明:転籍制限期間と技能・日本語の要件を伝える
3の欄は、育成就労先を変えられる場合の条件を、本人に前もって知らせるための説明文です。
様式の文言では、育成就労実施者の変更ができるのは、次の3つがそろった場合です。分野ごとの転籍制限期間を過ぎていること、技能と日本語能力の要件を満たしていること、優良な育成就労実施者が受入れを希望していることです。
ただし、やむを得ない事情がある場合は別です。やむを得ない事情には、経営上・事業上の都合、育成就労認定の取消し、労使間の諸問題、暴行等の人権侵害行為などが挙げられています。
様式の注記は、育成就労実施者が分野の転籍制限期間より短い期間を定めている場合があるため、詳細は雇用契約書及び雇用条件書で確認するよう案内しています。運用要領も、直接説明する事項に、本人意向の転籍を制限する期間を含めています。
転籍できる水準の詳細は本人意向転籍の技能・日本語能力の水準のガイドで確認できます。
石綿の業務がある場合は、その他の欄に記載し第1-14号を提出する
解体等の業務に従事させる可能性があるときだけ、運用要領は追加の説明と書類を求めています。
育成就労期間中に石綿を含む建材等が使われている建築物等の解体等の業務に従事させる可能性がある場合、運用要領は、入国前(育成就労に係る雇用契約締結前)に、留意点と労災保険給付について母国語で丁寧に説明し、確実に理解を得るよう求めています。そのうえで、留意点や補償制度等について(参考様式第1-14号)を作成し、育成就労計画認定申請書と第1-13号を併せて提出します。
第1-13号の「その他」には、「石綿を含む建材等が使用されている建築物等の解体等の業務に従事することがあります。」と記載します。育成就労の途中でこの業務に従事させることになった場合は、育成就労計画の変更認定を受け、同じ説明と書類の提出が必要です。
説明は対面かリアルタイムのオンラインで、母国語で読み聞かせる
運用要領は、説明の方法を限定しています。録画の視聴や電話のみの説明は認められません。
説明する事項は、雇用契約の業務内容や労働条件、入国後講習期間の待遇、本人意向の転籍を制限する期間、日本滞在時のその他の待遇です。方法は、直接会って対面で行うか、テレビ電話装置等を使ってオンラインでリアルタイムに行うかのどちらかです。録画したものを視聴させる方法や、電話のみで説明する方法は認められないと、運用要領は明記しています。
説明では、外国人の言語に対応した雇用契約書及び雇用条件書(第1-2号)を示して母国語で読み聞かせます。賃金は総支給額だけでなく、控除される税金・社会保険料や、食費・居住費を徴収する場合の金額と目的、手取りの支給額を、書類の該当箇所を示しながら説明します。
宿泊施設は写真や周辺環境の説明を使います。説明した担当者の氏名、日時、状況は文書にして保管します。
- 対面またはリアルタイムのオンラインで説明した
- 母国語を併記した第1-2号と第1-13号を示した
- 手取りの額と、控除・徴収する費用の内容を説明した
- 宿泊施設の見取り図・周辺地図・写真で説明した
- 説明者の氏名・日時・状況を文書にして保管した
書いた条件と実態が違うと、実施者の契約違反として転籍の理由になり得る
重要事項説明書の記載は、後で待遇が争いになったときの基準にもなります。
運用要領は、育成就労実施者が重大悪質な契約違反を行ったと認められる場合を、転籍が認められるやむを得ない事情の類型の1つに挙げています。雇用契約等の条件や待遇と実態の間に、社会通念上、育成就労を継続し難い相違があり、外国人が是正を申し入れても是正されない場合です。
典型例として、雇用条件書や重要事項説明書に記載した雇用条件のとおりに賃金を払わない、正当な理由なく年次有給休暇を取得させない、食費等を過剰に徴収する、が挙げられています。実際に住む宿泊施設が説明した条件に反している場合も、相違があるといえるとされています。
よくある質問
重要事項説明書は、育成就労計画の認定申請で提出しますか?
運用要領は、第1-13号を認定申請や軽微変更の届出では提出不要とし、育成就労実施者が保管するとしています。石綿の業務に従事させる可能性がある場合は、第1-14号と一緒に提出します。
録画した説明動画を見せるだけでも説明したことになりますか?
認められません。運用要領は、対面か、テレビ電話装置等を使ったリアルタイムのオンラインのどちらかを求め、録画の視聴や電話のみの説明は認められないとしています。
説明は誰が行いますか?
育成就労実施者または監理支援機関の職員が直接行います。様式の末尾には、説明者の氏名と、申請者(育成就労実施者)との関係を書く欄があります。
入国後講習を実施しない場合、第2欄は書きますか?
様式に、入国後講習を実施しない場合は省略すると書かれています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「育成就労制度 参考様式第1-13号 育成就労の期間中の待遇に関する重要事項説明書」(確認日:2026年10月25日、次回確認:2027年2月25日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 第4章(育成就労計画の認定)」(確認日:2026年10月10日、次回確認:2027年2月10日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度 運用要領 別紙1 参考様式一覧」(確認日:2026年10月25日、次回確認:2027年2月25日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。