この記事の対象:育成就労外国人を受け入れる企業の育成就労責任者・総務担当者、監理支援機関で実施者の書類を確認する担当者
履行状況の管理簿:月1回の確認を記録して事業所に備え置く
運用要領は、健康状況や生活状況の確認を月に1回は行い、育成就労計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-2号)に記録することを求めています。
育成就労実施者は、育成就労に関する帳簿書類を作成して事業所に備えて置く必要があります(法第20条)。運用要領(令和8年8月版)の第4章は、その一つとして履行状況の管理簿(参考様式第4-2号)を挙げています。
管理簿に記録を求められているのは、健康状況その他の生活状況を把握するための、定期的な聞き取りと確認です。運用要領は、把握する措置の例として、健康状況を把握する措置を、雇入れ時の健康診断や雇用期間中の定期健康診断を適切に行うこと、健康状況に問題がないか外国人から定期的に聞き取ることなどとしています。
生活状況を把握する措置は、緊急連絡網を整備すること、定期的な面談で日常生活の困りごとやトラブルがないかを確認することなどです。定期的な聞き取りと確認は、月に1回は行い、管理簿に記録して帳簿書類として事業所に備えて置くことが求められています。
| 確認の種類 | 運用要領の例 |
|---|---|
| 健康状況の把握 | 雇入れ時・定期の健康診断の実施、健康状況の定期的な聞き取り |
| 生活状況の把握 | 緊急連絡網の整備、定期的な面談での困りごと・トラブルの確認 |
| 頻度と記録 | 聞き取り・確認は月に1回は実施し、管理簿に記録して事業所に備え置く |
試験の受験票の写し:管理簿とあわせて保管する
育成就労実施者には、1年目に受ける試験と、育成就労の目標となる試験を外国人に受験させる義務があります。受験させたことの証明資料は、管理簿とあわせて保管します。
運用要領は、試験を受験させたことの証明資料の例として受験票の写し等を挙げ、育成就労計画の履行状況に関する管理簿(参考様式第4-2号)とともに育成就労実施者において保管するようにとしています。
合格を証明する書面は扱いが異なります。監理支援機関(単独型の場合は実施者)が試験実施機関から書面を受け取ったときは、機関や実施者が保管せず、速やかに外国人本人へ渡すとされています。
受験に要する費用は、受験手数料、交通費、材料費などを含めて外国人に負担させず、実施者または監理支援機関が負担します。受験に要する時間は労働時間に当たると、運用要領は説明しています。
- 受験票の写し等を、受験させた証明資料として管理簿とあわせて保管している
- 合格を証明する書面は、受け取ったら保管せず本人へ渡している
- 受験手数料・交通費・材料費を外国人に負担させていない
日本語講習の受講証明書:A1相当とA2目標で保管先が違う
日本語の講習は、A1相当講習とA2目標講習で、受講完了の資料を一緒に保管する書類が違います。
A1相当講習の受講が完了したときは、認定日本語教育機関からの受講証明書等を、講習の実施記録とあわせて保管します。保管するのは、育成就労実施者または監理支援機関です。
実施記録は、参考様式の第4-4号から第4-7号です。運用要領の様式一覧では、第4-4号が単独型の入国前、第4-5号が単独型の入国後、第4-6号が監理型の入国前、第4-7号が監理型の入国後の講習実施記録です。
A2目標講習の受講が完了したときは、同じ受講証明書等を、履行状況の管理簿(参考様式第4-2号)とともに育成就労実施者が保管します。運用要領は、A2目標講習の保管者を育成就労実施者と書いています。
A2目標講習で、認定申請で申告した受講予定日と実際の受講日が異なっても、その旨を機構へ報告する必要はありません。ただし、3年間の育成就労期間中に必要なA2目標講習の受講機会を与えなかった場合は、育成就労計画の認定の取消し等の対象になります。
講習を行う機関の探し方は、日本語講習の実施機関のガイドで確認できます。
| 講習 | 受講証明書とあわせて保管する書類 | 保管する者 |
|---|---|---|
| A1相当講習 | 入国前・入国後の講習実施記録(単独型は第4-4号・第4-5号、監理型は第4-6号・第4-7号) | 育成就労実施者または監理支援機関 |
| A2目標講習 | 履行状況の管理簿(第4-2号) | 育成就労実施者 |
このガイドの範囲:帳簿書類の全体は別に確認する
ここで扱ったのは、運用要領が管理簿とあわせて保管するよう示している書類です。帳簿書類のすべてを網羅するものではありません。
法第20条の帳簿書類には、ここで挙げた書類のほかにも備え置くものがあり得ます。運用要領の第4章第13節(帳簿の備付け)と、省令の規定を、実施者ごとに確認する必要があります。
管理簿の書式は、出入国在留管理庁が公表する参考様式です。記録の方法や保管の判断に迷う場合は、受入れ先の監理支援機関や、外国人育成就労機構の地方事務所・支所に確認してください。
実施者の要件の全体は、育成就労実施者の要件のガイドで整理しています。
よくある質問
履行状況の管理簿は、何のために備えるのですか?
運用要領は、健康状況や生活状況の定期的な聞き取り・確認を月に1回は行い、育成就労計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-2号)に記録して、帳簿書類として事業所に備え置くことを求めています。
試験の合格証明書は、実施者が保管しますか?
保管しません。運用要領は、合格を証明する書面を受け取ったら、速やかに外国人本人へ渡すとしています。実施者が管理簿とあわせて保管するのは、受験票の写し等の受験させたことの証明資料です。
A2目標講習の受講日がずれたら、機構に報告が必要ですか?
運用要領は、申告した受講予定日と実際の受講日が異なっても、機構への報告は必要ないとしています。ただし、3年間に必要な受講機会を与えなかった場合は、認定の取消し等の対象になります。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度の関係省令等について」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 外国人技能実習機構「分野別運用方針・告示・運用要領等」(確認日:2026年9月4日、次回確認:2026年12月4日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。