この記事の対象:育成就労外国人の受入れを検討する企業・監理支援機関で、自社の分野の評価試験がいつ始まるか確認したい担当者

育成就労評価試験とは:初級・専門級の2段階と水準

育成就労評価試験は、育成就労開始からの経過年数に応じて初級と専門級の2段階で構成されます。

法務省・厚生労働省が令和7年3月11日に定めた「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」によると、育成就労評価試験は、育成就労開始から1年経過時までに受験する初級と、3年経過時までに受験する専門級の2段階に分かれます。分野所管行政機関は、初級について技能検定基礎級と同等の水準、専門級について技能検定3級と同等の水準を設定するとされています。

試験科目は、初級が学科試験及び実技試験、専門級が実技試験(学科試験の実施は任意)です。実施場所は国内で、監理支援機関又は育成就労実施者の要請に応じた適切な場所とされ、実施回数は監理支援機関又は育成就労実施者の要請に応じ育成就労外国人が適切な時期(随時)に受験できるようにすることを基本としています。合否は受験日から2週間以内に通知されます。

分野・業務区分ごとの試験はどう決まるか

試験実施要領は分野所管行政機関が作成し、専門家会議での意見聴取を経て確定します。

試験方針によると、育成就労評価試験の実施要領は、分野を所管する行政機関が業務区分(又は職種・作業単位)ごとに作成し、法務省・厚生労働省(制度所管行政機関)の確認を経て、「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」の下に設けられた「特定技能制度及び育成就労制度の技能評価に関する専門家会議」に提出、意見聴取されます。専門家会議は必要に応じて試行的な試験の実施結果も確認したうえで、検討結果を有識者会議へ報告します。

つまり、ある業務区分が専門家会議の議題に上がったことは試験設計の検討が始まったことを示すものであり、試験実施要領の正式な公表や試験の開始そのものを保証するものではありません。実際にその業務区分の試験が始まっているかどうかは、分野所管行政機関が公表する試験実施要領で個別に確認する必要があります。

専門家会議で議題に上がった分野・業務区分(第1回〜第10回)

専門家会議は令和7年2月から令和8年6月までに10回開催され、分野・業務区分ごとに順次審議されています。

厚生労働省が公表する専門家会議の開催一覧によると、第1回(2025年2月12日)から第10回(2026年6月22日)までに、工業製品製造業・自動車整備・航空・鉄道・建設・自動車運送業・林業・介護・ビルクリーニング・造船舶用工業・農業・外食業・木材産業・資源循環・宿泊・物流倉庫・漁業・飲食料品製造業・リネンサプライの各分野について、業務区分(職種・作業)単位で議題に取り上げられてきました。

第7回(2025年10月29日)では、建設分野(土木・建築・ライフライン設備の各業務区分)で育成就労評価試験を新規に作成する議題も扱われています。

ただし、議事要旨と資料の両方が公表されているのは第1回と第8回(2025年11月17日、フォローアップと有識者会議への報告案が議題)のみで、それ以外の回は議事要旨のみか、議事要旨・資料ともに未掲載(「-」表記)です。個々の業務区分について試験内容や実施時期がどこまで固まっているかは、この開催一覧だけでは判断できません。

専門家会議で議題に取り上げられた分野・業務区分(第2回〜第10回、フォローアップのみの第8回を除く)
開催回開催日議題に上がった分野(業務区分)
第2回2025年6月16日工業製品製造業(紙器・段ボール、コンクリート製品製造、RPF製造、印刷・製本)、自動車整備、航空(航空機整備)、鉄道(軌道整備)
第3回2025年6月30日建設(土木、建築、ライフライン・設備)、自動車運送業(トラック運転者)、林業
第4回2025年9月9日介護、ビルクリーニング、造船・舶用工業(造船、舶用機械、舶用電気電子機器組立て)、鉄道(電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員、駅・車両清掃)
第5回2025年9月24日自動車整備(車体整備)、農業(耕種農業、畜産農業)、外食業、木材産業、資源循環(廃棄物処分業)
第6回2025年10月6日工業製品製造業(機械金属加工など13業務区分)
第7回2025年10月29日建設(育成就労評価試験を新規作成)、航空(空港グランドハンドリング)、宿泊、自動車運送業(バス運送業、タクシー運送業)、物流倉庫、漁業(漁業、養殖業)、飲食料品製造業(飲食料品製造業、水産加工)、リネンサプライ
第9回2026年3月26日工業製品製造業、航空(空港グランドハンドリング)、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環(廃棄物処分業(中間処理))、林業
第10回2026年6月22日工業製品製造業、自動車整備(自動車整備、車体整備)、航空(航空機整備)、ビルクリーニング、鉄道(軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員)、宿泊

育成就労産業分野として設定されている分野・設定がない分野

分野別運用方針は19分野を整理していますが、航空と自動車運送業には育成就労産業分野の設定がありません。

出入国在留管理庁のページによると、特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針は令和8年1月23日の関係閣僚会議及び閣議で決定され、介護・ビルクリーニング・リネンサプライ・工業製品製造業・建設・造船舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・自動車運送業・鉄道・物流倉庫・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業・資源循環の19分野が別紙1から別紙19として整理されています。

このうち航空(別紙8)と自動車運送業(別紙10)は「育成就労産業分野の設定はありません」と明記されており、この2分野には育成就労制度そのものが適用されません。残り17分野には育成就労産業分野の設定があり、業務区分ごとの育成就労評価試験の整備対象になり得ます。新たに定められた特定産業分野・業務区分は、省令等の準備が整い次第受入れが可能となり、公布・施行時は入管庁ホームページで案内されます。

分野別運用方針の19分野と育成就労産業分野の設定(出入国在留管理庁のページの記載)
区分分野育成就労評価試験の扱い
育成就労産業分野の設定がある17分野介護・ビルクリーニング・リネンサプライ・工業製品製造業・建設・造船舶用工業・自動車整備・宿泊・鉄道・物流倉庫・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業・資源循環業務区分ごとの整備対象になり得る
育成就労産業分野の設定がない2分野航空(別紙8)・自動車運送業(別紙10)育成就労制度が適用されないため対象外

採用計画を立てる前に確認すること

評価試験の整備は分野・業務区分ごとに進み方が異なるため、自社の分野で最新情報を確認する動線を持ちます。

本ページの開催一覧は令和8年6月22日開催の第10回時点の情報です。育成就労評価試験の整備は分野・業務区分ごとに専門家会議での検討を経て順次進むため、採用計画を立てる際は、自社が属する分野・業務区分について、分野所管行政機関が公表する最新の試験実施要領と、専門家会議のページの議事要旨を確認してください。

試験方針は、試験に合格したとしても、そのことをもって「育成就労」の在留資格が付与されること又は育成就労計画の認定がされることが保証されるものではないと明記しています。試験日程や具体的な出題内容は分野所管行政機関・試験実施機関が個別に公表するものであり、本ページはそれを推測しません。出入国在留管理庁の育成就労制度ページでは、分野別運用方針や制度全体の最新情報も確認できます。

育成就労評価試験(法第52条)は運用要領の第7章に載っています。章全体の構成は、運用要領の章立てと読む章で確認できます。

評価試験に不合格だった場合の在留継続と、技能実習との違い

3年経過後に技能試験・日本語試験に不合格だった場合の扱いと、技能実習制度との試験免除ルートの違いを、出入国在留管理庁のQ&Aから確認します。

出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aは、育成就労は原則3年間の就労を通じた人材育成が前提であるとしたうえで、3年を経過した場合であっても、特定技能1号への移行に必要な技能・日本語能力に係る試験に不合格となったときには、最長1年の範囲内で一定の在留継続を認める方針としていると説明しています。

この1年の在留継続について、同Q&Aの本文は「一定の在留継続を認める方針」「一定の在留継続が認められる可能性があります」という表現にとどまり、対象となる具体的な条件(受入れ機関を変更しない場合に限られるか等)や延長を何回まで認めるかは明記していません。個別の可否は施行後の公式案内・関係機関で確認してください。

現行の特定技能制度では技能実習2号を良好に修了した者について、技能実習から特定技能1号への移行に際して技能・日本語能力の試験合格を免除するルートがあります。同Q&Aは、育成就労制度にはこの試験免除ルートは無く、技能に係る試験(技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験)及び日本語能力に係る試験(日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等))の合格が特定技能1号への移行要件になると明記しています。

よくある質問

育成就労評価試験はいつ受けるのですか?

初級は育成就労開始から1年経過時までに、専門級は3年経過時までに受験させることとされています。実施回数は、監理支援機関又は育成就労実施者の要請に応じ、育成就労外国人が適切な時期(随時)に受験できるようにすることが基本です。

自分の分野の業務区分はもう専門家会議で議題に上がっていますか?

第2回(2025年6月)から第10回(2026年6月)までに、工業製品製造業・建設・介護・農業・漁業など多くの分野の業務区分が議題として取り上げられています。ただし議題に上がったことは検討開始を示すもので、試験実施要領の正式公表や試験開始を保証するものではありません。具体的な業務区分は本ページの一覧表で確認してください。

航空分野や自動車運送業分野にも育成就労評価試験はありますか?

出入国在留管理庁の分野別運用方針では、航空(別紙8)と自動車運送業(別紙10)は「育成就労産業分野の設定はありません」と明記されており、この2分野には育成就労制度そのものが適用されないため、育成就労評価試験もありません。

試験に合格すれば在留資格は必ず認められますか?

いいえ。試験方針は、試験に合格したとしても在留資格の付与や育成就労計画の認定が保証されるものではないと明記しています。個別の可否は関係機関で確認してください。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

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試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。