この記事の対象:林業分野で育成就労外国人の受入れを検討する林業経営体・素材生産事業者・育林事業者

告示の位置づけ:令和8年4月23日の農林水産省告示で、令和9年4月1日から適用

林業分野の上乗せ基準は、農林水産大臣が定めた告示(農林水産省告示第623号)です。

告示は、育成就労法施行規則の第13条第2項第9号、第15条第1項第13号、第19条第3項、第39条第1項第5号を根拠に、林業分野に特有の事情に鑑みた基準を定めています。条文は第1条(育成就労の内容)、第2条(育成就労を行わせる体制)、第3条(育成就労外国人の数)、第4条(帳簿書類)の4条です。

附則は、育成就労制度を定める改正法の施行日(令和9年4月1日)から適用すると書いています。法務省・厚生労働省・農林水産省は、告示の詳細を示す運用要領を令和8年8月に公表しています。

運用要領に載っている告示の附則は、令和8年4月23日付の告示本文(JILPT掲載)と構成が異なり、講習の実施者に関する経過措置が加わっています。このページの附則の条番号は、運用要領に載っている版に合わせています。受入れ前に最新の告示を確認してください。

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、法務省・厚生労働省・農林水産省編「林業分野 特定の分野に係る育成就労制度運用要領-林業分野の基準について-」(令和8年8月)(確認日:2026年10月12日)

申請者の資格:林業労働力確保促進法の認定事業主、または公表された民間事業者

第1条第1号は、申請者が次のいずれかに該当することを求めています。

1つ目は、林業労働力の確保の促進に関する法律第5条第1項の認定を受けている者です。2つ目は、森林経営管理法第36条第2項または第44条第2項の規定により公表されている民間事業者です。

林野庁のQ&Aは、林業特定技能・育成就労協議会に育林事業者や素材生産事業者が加入する場合も、同じ2つのいずれかである必要があると案内しています。協議会への加入手続は、別のガイドで整理しています。

  • 林業労働力確保促進法の認定を受けているか確認した
  • 認定を受けていない場合は、森林経営管理法に基づく公表の有無を確認した

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、林野庁「林業特定技能・育成就労協議会について」(確認日:2026年10月3日)

安全衛生の講習と育成就労指導員:46時間以上・97時間以上、技能検定または実務3年

第1条第2号は、育成就労の期間に応じた講習の総時間数を標準として示しています。

育成就労の対象となっていた期間の合計が1年に達するまでは総時間数46時間以上、1年に達した日の翌日から育成就労の終了日までは97時間以上を標準とします。講習は、座学、見学、実地訓練を含み、育林・素材生産作業に関する基礎的な知識を修得させる内容です。事項ごとの時間数は告示の別表にあります。

講習を実施できるのは、林業職種の1級または2級の技能検定に合格した者、または3級に合格した後に育林・素材生産作業について3年以上の実務経験がある者です。第2条第1号の育成就労指導員も、同じ2つのいずれかに該当する必要があります。

附則の経過措置は、令和11年3月31日までの間、この要件を広げています。講習の実施者と育成就労指導員は、3級合格後の実務3年以上に代えて、育林・素材生産作業の実務が7年以上の者、または農林水産省の研修修了者名簿に現場管理責任者(フォレストリーダー)として登録された者でもよいとされています。

講習の実施者・育成就労指導員になれる者(告示第1条第2号・第2条第1号と附則第2条・第3条)
区分令和11年3月31日まで令和11年4月1日以降
技能検定1級・2級の合格者(林業職種)なれるなれる
3級合格後に育林・素材生産作業の実務3年以上なれるなれる
育林・素材生産作業の実務7年以上なれる(経過措置)告示本則には書かれていない
研修修了者名簿にフォレストリーダー(現場管理責任者)で登録された者なれる(経過措置)告示本則には書かれていない

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、法務省・厚生労働省・農林水産省編「林業分野 特定の分野に係る育成就労制度運用要領-林業分野の基準について-」(令和8年8月)(確認日:2026年10月12日)

体制の基準:協議会への協力・緊急時の連絡体制・伐木現場の指導員配置・習熟度の確認

第2条第2号は、申請者が次の6つのいずれにも該当することを求めています。

いずれも「〜することとしていること」という形で書かれています。申請の時点で、これらを行う方針であることが基準になります。

第4条は、講習の習熟度を確認した結果を記載した書類を、告示が定める帳簿書類としています。講習を行うだけでなく、習熟度の確認結果を書類に残す必要があります。

告示第2条第2号:申請者が該当する必要がある6つの事項
号内容
イ林業分野の分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずる
ロ分野別協議会に対し、必要な協力を行う
ハ農林水産大臣が行う調査、指導、情報の収集、意見の聴取その他の業務に必要な協力を行う
ニ育林・素材生産作業の現場で、緊急時における連絡体制を整備する
ホ伐木の作業の現場で、緊急時に育成就労外国人へ指示できる場所に育成就労指導員を配置する
ヘ講習に係る習熟度を確認するための書類により、習熟度を確認する
  • 分野別協議会への加入手続を確認した
  • 育林・素材生産作業の現場ごとの緊急時の連絡体制を決めた
  • 伐木の現場に指示できる場所で指導員を置く体制を決めた
  • 講習の習熟度を確認する書類の様式を決めた

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)

受入れ人数:常勤職員の総数を超えない範囲で、区分ごとの表で決まる

第3条は、常勤職員の総数に応じた育成就労外国人の数を定めています。ただし、常勤職員の総数を超えない範囲です。

ここでいう常勤職員には、外国にある事業所の常勤職員、育成就労外国人、1号特定技能外国人は含まれません。附則第4条は、改正法の施行後も従前の例によって行う技能実習の実習生も、常勤職員に含まないとしています。

単独型の育成就労は、常勤職員の総数の20分の3(3人未満の場合は0人)です。評価の高い申請者は10分の3になります。

継続的かつ安定的に実施できる体制があると出入国在留管理庁長官と厚生労働大臣が認めた単独型と、監理型の育成就労は、下の表のとおり職員数の区分ごとの人数です。表の右の列は、技能の修得、育成就労を行わせる体制、待遇、問題の発生状況などを総合的に評価して高い水準を満たすと認められた申請者の人数です。

さらに、監理支援機関が高い水準と認められ、申請者の住所が指定区域にある場合は、表の人数がもう一段多くなります。たとえば常勤職員が1人の場合は5人、301人以上の場合は総数の20分の9です。人数を数えるときは、規則と運用要領の定義を、申請前に自社の職員数と照らして確認してください。

監理型育成就労などの受入れ人数(告示第3条第2号イ・ロ)
常勤職員の総数標準の人数評価の高い申請者の人数
1人3人4人
2人6人7人
3人9人10人
4人9人12人
5人9人15人
6人〜30人9人18人
31人〜40人12人24人
41人〜50人15人30人
51人〜100人18人36人
101人〜200人30人60人
201人〜300人45人90人
301人以上総数の20分の3総数の10分の3

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、法務省・厚生労働省・農林水産省編「林業分野 特定の分野に係る育成就労制度運用要領-林業分野の基準について-」(令和8年8月)(確認日:2026年10月12日)

受入れ準備で先に確認すること

適用は令和9年4月1日からですが、認定事業主の認定と協議会への加入は、早めに確認できます。

まず、自社が林業労働力確保促進法の認定を受けているか、森林経営管理法の公表の対象かを確認します。次に、講習を担当する者と育成就労指導員が、技能検定の合格または実務経験の要件に当たるかを確かめます。経過措置は令和11年3月31日までのため、それ以降の体制も見通して人を決めてください。

分野別運用方針や運用要領は改正されることがあります。個別の認定や許可の結果を、このページで保証することはできません。受入れ前に、農林水産省・林野庁と出入国在留管理庁の最新の案内を確認してください。

出典:農林水産省告示第六百二十三号(令和8年4月23日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき林業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等を定める件」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、出入国在留管理庁 別紙17「林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(確認日:2026年10月7日)

よくある質問

林業分野の上乗せ基準は、いつから適用されますか?

告示の附則は、育成就労制度を定める改正法の施行日である令和9年4月1日から適用すると書いています。講習の実施者と育成就労指導員に関する経過措置は、令和11年3月31日までです。

安全衛生の講習は何時間必要ですか?

告示は、育成就労の期間の合計が1年に達するまでは総時間数46時間以上、1年に達した日の翌日から終了日までは97時間以上を標準としています。事項ごとの時間数は告示の別表で確認してください。

どの事業者が育成就労外国人を受け入れられますか?

告示第1条第1号は、林業労働力確保促進法第5条第1項の認定を受けている者、または森林経営管理法で公表されている民間事業者のいずれかであることを求めています。

受入れ人数に上限はありますか?

告示第3条が、常勤職員の総数に応じた人数を表で定めています。いずれの場合も、常勤職員の総数を超えない範囲です。特定技能には、林野庁が、事業者ごとの受入れ人数の上限は現在ないと案内しています。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)

試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。