この記事の対象:技能実習2号を修了した人を特定技能1号で受け入れる企業の担当者、元の実習先に評価調書の作成を頼む登録支援機関・監理団体の担当者
評価調書が要るのは、技能検定3級等に合格していないとき
技能実習2号を2年10か月以上修了し、従事する業務が技能実習2号の職種・作業と関連する人は、特定技能1号の技能水準を試験なしで満たす扱いになります(関連性は分野別の運用要領で定められています)。入管庁の運用要領は、2号を良好に修了したことの証明書類として2つの組み合わせを挙げています。
運用要領の確認対象の書類は、技能検定3級またはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格している場合は、その合格証明書の写しです。合格していない場合は、技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)を出します。どちらにも「提出を省略できる場合あり」と注記があります。
「良好に修了している」とは、運用要領では2つのどちらかを指します。1つ目は、第2号技能実習計画で目標にした技能検定3級または専門級の実技試験に合格していること。
2つ目は、合格していないものの、実習実施者が出勤状況、技能等の修得状況、生活態度等を書いた評価の書面により、良好に修了したと認められることです。この2つ目の書面が評価調書です。
| 状況 | 出す書類 | 省略 |
|---|---|---|
| 技能検定3級(または専門級)の実技試験に合格している | 合格証明書の写し | 省略できる場合あり |
| 合格していない | 技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号) | 省略できる場合あり |
| 受検を申し込んだが、病気等のやむを得ない事情で受検できなかった | 評価調書などで、受検できなかった理由を説明する | 運用要領は、評価調書等で理由を説明するとしている |
様式は7つの欄で、技能・出勤・生活態度を実習先と監理団体が書く
入管庁の参考様式(全体版)にある第1-2号は、対象の実習生の情報、月ごとの出勤状況、試験の結果、4者の所見で構成されています。
欄の1は対象技能実習生で、氏名、性別、生年月日、国籍・地域、実習実施者、職種・作業を書きます。監理団体の欄は、団体監理型の場合のみ記入する注記があります。欄の2は技能実習の実施状況で、月ごとに実習予定日数、出勤日数、出勤率、欠勤日数、有休取得日数を書き、合計の欄があります。
欄の3は技能検定・技能実習評価試験で、試験名、試験実施団体、受検日、合格・不合格を書きます。未受検の場合は、その理由を書く欄があります。
欄の4から7は所見です。技能実習指導員、生活指導員、技能実習責任者、監理責任者の順に、それぞれの立場から記載します。
所見の欄には記載の注記が付いています。技能実習指導員の所見は、どのような技能を修得し、現在何がどの程度できるかを、日本語能力にも触れながら具体的に書くとされています。様式の末尾には「事実と相違ありません」の文言と日付があり、実習実施者と監理団体の署名欄が並びます。
| 欄 | 書く内容 | 注記 |
|---|---|---|
| 1. 対象技能実習生 | 氏名、性別、生年月日、国籍・地域、実習実施者、監理団体、職種・作業 | 監理団体は団体監理型の場合のみ記入 |
| 2. 技能実習実施状況 | 月ごとの実習予定日数、出勤日数、出勤率、欠勤日数、有休取得日数と合計 | 年ごとの表が2段ある |
| 3. 技能検定・技能実習評価試験 | 試験名、試験実施団体、受検日、合否 | 未受検の場合は理由を書く |
| 4. 技能実習指導員の所見 | 修得した技能、現在できること | 日本語能力にも触れて具体的に記載 |
| 5. 生活指導員の所見 | 生活態度等 | 日本語能力にも触れて記載 |
| 6. 技能実習責任者の所見 | 技能等と日本語能力の向上、生活態度等を踏まえた総合評価 | - |
| 7. 監理責任者の所見 | 4から6の所見と、定期監査等での本人との面談を踏まえた総合評価 | 監理団体の責任者が書く欄 |
同じ実習実施者が受け入れるなら、合格証の写しと評価調書を省ける
運用要領は、受け入れる企業が、その人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合に、提出を省略できるとしています。
対象は、特定技能所属機関が、当該外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合です。技能実習2号を修了して帰国したあとに、同じ実習実施者と特定技能雇用契約を結ぶ場合も含まれます。
省略できる条件は、過去1年以内に技能実習法の改善命令を受けていないことです。この場合、技能検定3級または専門級の実技試験の合格証明書の写しと、評価調書の提出を省略できます。他の企業へ移る場合や、別の実習先にいた人を受け入れる場合は、この省略の対象に当たりません。
- 候補者が技能実習2号を修了した実習実施者が、自社と同じかを確認した
- 過去1年以内に技能実習法の改善命令を受けていないかを確認した
- 技能検定3級(または専門級)の実技試験の合否を、本人の書類で確認した
- 合格していない場合は、元の実習実施者に評価調書の作成を依頼する日程を取った
元の実習先から出してもらえないときは、理由書と実施状況の説明文書を添える
評価調書を実習先から受け取れず、技能実習2号を良好に修了したことを証明できない場合の扱いも、運用要領に書かれています。
運用要領は、評価調書を提出できないことの経緯を説明する理由書(任意様式)を出すよう求めています。あわせて、評価調書に代わる文書として、例えば当時の技能実習指導員など、本人の実習状況を知り得る立場の人が作成した、技能実習の実施状況の説明文書(任意様式)を出します。
これらを出したうえで、出入国在留管理庁が、技能実習2号を良好に修了したかを総合的に評価できるとされています。許可が出ると決まっているわけではなく、まずは地方出入国在留管理局へ相談します。このサイトは申請の代行をせず、個別の判断は管轄の局に確認してください。
技能実習から特定技能1号への移行の全体は技能実習から特定技能への移行のガイドで確認できます。
よくある質問
評価調書は誰が書きますか?
様式の末尾には実習実施者と監理団体の署名欄があります。所見欄は技能実習指導員、生活指導員、技能実習責任者、監理責任者の順に並んでいます。特定技能で受け入れる企業が書く書類ではありません。
技能検定に合格していれば評価調書は不要ですか?
運用要領は、合格している場合の確認対象の書類を合格証明書の写しとし、評価調書は合格していない場合の書類としています。
元の実習先と同じ会社で特定技能になる場合も出しますか?
過去1年以内に技能実習法の改善命令を受けていなければ、合格証明書の写しと評価調書の提出を省略できると運用要領に書かれています。
評価調書に決まった記載例はありますか?
入管庁の様式一覧には様式そのものが載っています。所見の欄に、技能は何がどの程度できるか、生活態度などを日本語能力にも触れて具体的に書く注記があります。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の参考様式(全体版)」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2027年1月22日)
- 出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」」(申請の提出書類一覧)(確認日:2026年10月6日、次回確認:2026年11月6日)