この記事の対象:タクシー・バス事業で特定技能外国人の運転者を受け入れたい事業者の人事・運行管理の担当者、候補者の日本語試験の結果がJFT-BasicのA2.2相当やJLPT N4にとどまる場合の進め方を知りたい担当者
運転者区分の日本語水準:B1相当が基本、A2.2相当は条件つき
出入国在留管理庁の運用要領(自動車運送業分野)は、タクシー運転者区分とバス運転者区分の日本語を「日本語教育の参照枠」のB1相当以上としています。
令和8年10月9日の改正で、運用要領は区分ごとの日本語水準を次のように示しました。タクシー運転者区分とバス運転者区分は、B1相当以上です。
合格を確認する試験として、日本語能力試験(JLPT)N3以上が挙げられ、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB1相当以上と判定された場合に限る、という注記があります。トラック運転者区分はA2.2相当以上で、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2.2相当以上またはJLPT N4以上の合格が示されています。
タクシー・バスの運転者区分では、A2.2相当で可とするための要件を満たす場合に限って、A2.2相当の人も受け入れられます。この場合の試験は、JFT-BasicのA2.2相当またはJLPT N4です。要件は3つで、運用要領は次のいずれにも該当することが必要としています。
運用要領は、令和9年4月1日以降はB1相当以上が求められるが、その取扱いは別途お知らせするとも書いています。時期の詳細は、日本語水準の適用時期を整理した別のガイドも参照してください。
B1相当以上が求められる区分と適用時期は、日本語B1相当以上のガイドにまとめています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 業務の範囲 | 1号特定技能外国人が従事する業務が貸切バスでないこと |
| ② 日本語学習プラン | B1相当の日本語能力の修得に向けた日本語学習プラン(分野参考様式第15-16号)を作成すること |
| ③ 日本語サポーター | 乗客、営業所、警察署、消防署などとの日本語での意思疎通を補助する日本語サポーターを乗務させること(離島・半島の乗合バス等の例外あり) |
日本語学習プラン:分科会の審査と更新時の再提出
A2.2相当の人を受け入れるときは、本人の同意を得て日本語学習プランを作り、分科会の審査を受けます。
運用要領によれば、タクシー運送業またはバス運送業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く)で、業務に従事しようとする1号特定技能外国人の日本語水準がA2.2相当の場合、事業者はその人の同意の上で日本語学習プラン(分野参考様式第15-16号)を作成します。目的は、B1相当以上の日本語能力の修得に向けることです。
プランは、自動車運送業分野特定技能協議会のタクシー分科会(タクシー)またはバス分科会(バス)が定めた基準に基づき、内容が適当であるという審査を経たものでなければなりません。審査では、プランの案に加えて、運転者職場環境良好度認証制度に基づく認証を受けた際の提出書類のうち、自認書の写しを添付します。
在留期間更新許可申請の時点でB1相当以上の日本語能力水準にあることを証明できない場合は、更新時に、再度、分科会の認証を受けた日本語学習プランを提出します。運用要領は、在留諸申請の前に、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になることも求めています。
日本語サポーターの同乗:誰がなれるか
A2.2相当の運転者には、原則として日本語サポーターを乗務させます。運用要領は、サポーターの適格性の考え方を示しています。
日本語サポーターは、緊急時などに、特定技能外国人と乗客、営業所、警察署、消防署などの関係機関との間のコミュニケーションを補助する人です。運用要領は、自社で6か月以上雇用された人を想定しており、例として、運転士を引退して引き続き事務職などで勤務している人や、高速バスの交代運転士を挙げています。
自社での雇用期間が6か月未満の人(例:運転未経験者)も、緊急時の対応など安全や接遇に関する研修を実施すれば、日本語サポーターとして同乗できます。研修の修了には、タクシーは全国ハイヤー・タクシー連合会、バスは日本バス協会が定めた効果測定の基準に達する必要があります。
サポーターの適格性を示すため、新任運転者研修の修了を証する書類には、告示第3条第4号ロの要件を確認したという記載が必要です。この書類は、タクシーは全国ハイヤー・タクシー連合会、バスは日本バス協会が作成します。在留資格の申請書類でも、同乗させる必要がある場合は、この記載のある修了書類が求められます。
新任運転者研修の内容は、タクシー・バスの新任運転者研修のガイドで確認できます。
離島・半島のバス:サポーターなしの単独乗務の条件
バスでは、離島・半島地域に限り、2つの条件を満たせば日本語サポーターを同乗させずに単独で乗務できます。
対象は、バス運送業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く)です。告示は、一般乗合旅客自動車運送事業または特定旅客自動車運送事業に係る業務に限っています。離島振興対策実施地域、奄美群島、小笠原諸島、沖縄の離島、半島振興対策実施地域が対象で、営業所を含む乗務する区間の全体が、この地域内でなければなりません。
1つ目の条件は、運転業務に従事する路線をその区域に含む自治体から、協力同意書(分野参考様式第15-17号)を受領することです。協力同意書は自治体ごとに受領します。
記載が必要な協力内容は、A2.2相当の人が単独で乗務することの地域住民への周知啓発、事業者が行う日本語教育(方言を含む)のサポート、緊急時の対応や運行の安全確保などに係る関係機関との協議の3つで、自治体との合意で他の項目を追加することもできます。日本語サポーターを同乗させる場合は、協力同意書の提出は不要です。
2つ目の条件は、事故対応などの緊急事態に所属機関と連絡するための情報通信技術などを車内に備えることです。運用要領は、車内の状況が営業所でリアルタイムにわかるドライブレコーダーやウェアラブルカメラ、コミュニケーションを補助する翻訳機器を想定しています。該当する市町村の一部だけが対象になる場合があるため、運用要領は自治体にも確認するよう求めています。
- 候補者の日本語試験の結果がB1相当以上か、A2.2相当(JFT-BasicまたはJLPT N4)かを確認した
- A2.2相当の場合、業務が貸切バスでないことを確認した
- 日本語学習プランを本人の同意の上で作り、分科会の審査を受ける段取りを決めた
- 日本語サポーターの候補者の雇用期間と、新任運転者研修の修了書類の記載を確認した
- 離島・半島のバスで単独乗務を考える場合、自治体ごとの協力同意書と車内の通信機器を確認した
よくある質問
タクシー・バスの運転者は、JLPT N4でも特定技能で受け入れられますか?
運用要領は、A2.2相当で可とするための3つの要件(貸切バスでないこと、日本語学習プランの作成、日本語サポーターの乗務)を満たす場合に、JFT-BasicのA2.2相当またはJLPT N4でも受け入れられるとしています。基本はB1相当以上です。
技能実習2号を修了した人にも日本語試験は必要ですか?
運用要領は、技能実習2号を良好に修了した人は、当面の間、これらの事実をもってA2.2相当の日本語能力を有していることが証明されたものとし、別途JFT-BasicやJLPT N4を受験する必要はないとしています。免除されるのは試験で、B1相当とみなされるわけではありません。日本語学習プランや日本語サポーターの扱いは、運用要領が明示していないため、協議会の分科会などに確認してください。
日本語サポーターは、必ず運転士の経験がある人でなければなりませんか?
運用要領は、自社で6か月以上雇用された人を想定しています。6か月未満の人(例:運転未経験者)も、安全や接遇に関する研修を実施して効果測定の基準に達すれば同乗できます。
離島・半島のバスなら、日本語サポーターは常に不要ですか?
いいえ。乗務する区間の全体が離島・半島地域内であること、自治体ごとの協力同意書の受領、車内の連絡手段の備えの条件をすべて満たす場合に限ります。一般貸切旅客自動車運送事業は対象外です。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁 運用要領 自動車運送業分野の基準の一部改正について(令和8年10月9日)(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 出入国在留管理庁「自動車運送業分野」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙10)(確認日:2026年9月26日、次回確認:2026年12月26日)
- e-Gov法令検索「旅客自動車運送事業運輸規則」(第38条 従業員に対する指導監督・第39条)(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)