この記事の対象:建設、資源循環、林業などで不整地運搬車のある現場に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生・現場責任者
作業計画と荷の積載:まず運行経路と作業方法を決める
不整地運搬車は、労働安全衛生規則で車両系荷役運搬機械等の1つに数えられ、作業計画と荷の積載の決まりが適用されます。
規則第151条の2は、車両系荷役運搬機械等として、フォークリフト、ショベルローダー、フォークローダー、ストラドルキャリヤー、不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車を挙げています。不整地運搬車はこの区分の中の1つです。
作業計画は、不整地運搬車と貨物自動車では道路上の走行の作業を除き、あらかじめ定めて、その計画どおりに作業を行います(第151条の3)。計画には、作業場所の広さと地形、機械の種類と能力、荷の種類と形状に合わせて、運行経路と作業の方法を示し、関係する労働者に周知します。
荷を積むときは、偏荷重が生じないように積みます。不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車では、荷崩れや荷の落下による危険を防ぐため、荷にロープやシートを掛けるなどの措置を講じます(第151条の10)。能力を超える使用も禁じられています(第151条の44)。
荷掛けと積卸しの作業:昇降設備・保護帽・作業を指揮する人
第151条の45から第151条の49は、不整地運搬車への積込みと荷卸し、荷掛けに使うロープの扱いを定めています。
最大積載量が5トン以上の不整地運搬車では、荷を積む作業(ロープ掛けとシート掛けを含む)と荷を卸す作業(ロープ解きとシート外しを含む)のとき、床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降する設備を設けます。作業する人は、その設備を使って昇降します(第151条の45)。同じく5トン以上のときは、作業する労働者に保護帽を着用させます(第151条の52)。
荷掛けに使う繊維ロープは、ストランドが切断しているもの、著しい損傷や腐食があるものを使ってはなりません(第151条の46)。使うときは、その日の使用を開始する前に点検し、異常があれば直ちに取り替えます(第151条の47)。
1つの荷の重さが100キログラム以上のものを積み卸しするときは、作業を指揮する人を定めます(第151条の48)。指揮する人は、作業手順と方法の決定と直接の指揮、器具と工具の点検と不良品の除去、関係労働者以外の立入りの禁止、ロープ解きとシート外しの前に荷の落下の危険がないことの確認、昇降設備と保護帽の使用状況の監視を行います。
荷を卸す作業では、中抜きをさせてはならず、労働者も中抜きをしてはなりません(第151条の49)。関係する作業従事者以外の人(労働者を除く)が積卸しの箇所へ立ち入ることも、見やすい箇所に禁止を表示するなどの方法で禁止します(第151条の48第2項)。
- 最大積載量5トン以上の不整地運搬車に、荷台の荷の上面へ昇る昇降設備を設けている
- 5トン以上の積卸し作業で、保護帽を着用させている
- 荷掛けのロープを、その日の使用開始前に点検している
- 100キログラム以上の荷の積卸しに、作業を指揮する人を定めている
- 荷の積卸しの箇所へ、関係者以外が立ち入らないようにしている
荷台への乗車:あおりの有無で分かれる決まり
第151条の50と第151条の51は、不整地運搬車を走行させるときに荷台へ人を乗せる場合の決まりです。
労働者が作業を行う作業場で、荷台にあおりのない不整地運搬車を走行させるときは、その荷台に作業従事者を乗車させてはなりません。作業従事者も乗車してはなりません(第151条の50)。
荷台にあおりのある不整地運搬車を走行させて、労働者を荷台に乗せるときは、移動して危険を及ぼすおそれのある荷に歯止めや滑止めなどの措置を講じます。乗る労働者には、あおりを確実に閉じること、あおりなど車両の動揺で墜落するおそれのある箇所に乗らないこと、身体の最高部を運転者席の屋根の高さ(荷の最高部がそれを超えるときは荷の最高部)より上に出さないことを行わせます(第151条の51第1項・第2項)。
労働者以外の作業従事者を乗せる場合にも、墜落するおそれのある箇所や、運転者席の屋根の高さを超える位置に乗せてはならないことが、同条第3項から第6項に定められています。
| 荷台の状態 | 走行中の乗車 | 根拠 |
|---|---|---|
| あおりがない | 作業従事者を乗車させてはならない | 第151条の50 |
| あおりがある | 荷の歯止め・滑止め、あおりを閉じる、墜落のおそれのある箇所と屋根の高さを超える位置に乗らない、などの条件を満たす場合に乗せる | 第151条の51 |
毎日の点検と、1か月・2年ごとの自主検査
第151条の53から第151条の58は、不整地運搬車の定期自主検査、特定自主検査、作業前の点検、補修を定めています。
作業前の点検は、その日の作業を開始する前に、制動装置と操縦装置の機能、荷役装置と油圧装置の機能、履帯または車輪の異常の有無、前照灯、尾灯、方向指示器、警報装置の機能の4項目を行います(第151条の57)。異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じます(第151条の58)。
定期自主検査は2種類あります。2年を超えない期間ごとに1回、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、荷役装置、油圧装置、電気系統、車体などの9項目を検査します(第151条の53)。
もう1つは1か月を超えない期間ごとに1回、制動装置・クラッチ・操縦装置と、荷役装置・油圧装置を検査します(第151条の54)。月次は1か月を超えて、年次は2年を超えて使わない期間は検査が不要で、使用を再開するときに検査します。
検査をしたときは、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した人の氏名、補修などの措置の内容を記録して、3年間保存します(第151条の55)。2年ごとの検査は特定自主検査とされ、検査した不整地運搬車の見やすい箇所に、検査を行った年月を明らかにする検査標章を貼ります(第151条の56)。
| 種類 | 頻度 | 主な内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 作業前の点検 | その日の作業を開始する前 | 制動・操縦装置、荷役・油圧装置、履帯または車輪、灯火と警報装置の4項目 | 第151条の57 |
| 月次の自主検査 | 1か月を超えない期間ごとに1回 | 制動装置・クラッチ・操縦装置、荷役装置・油圧装置 | 第151条の54 |
| 年次の自主検査(特定自主検査) | 2年を超えない期間ごとに1回 | 原動機、動力伝達装置、走行装置など9項目。検査標章を貼る | 第151条の53・第151条の56 |
| 記録 | 検査のたび | 6項目を記録して3年間保存 | 第151条の55 |
- その日の作業前に、4項目の点検を行っている
- 1か月以内ごとの検査と、2年以内ごとの検査の予定を管理している
- 検査の記録を3年間保存している
- 異常を認めたときは、直ちに補修している
よくある質問
不整地運搬車の荷台に、作業する人を乗せて走ってもよいですか?
荷台にあおりがない場合は、事業場内の作業場で走行させるとき、荷台に作業従事者を乗車させてはなりません(第151条の50)。あおりがある場合は、荷の歯止めや滑止め、あおりを閉じること、墜落するおそれのある箇所と運転者席の屋根の高さを超える位置に乗らないことなどの条件があります(第151条の51)。
昇降設備や保護帽は、どの大きさの不整地運搬車から必要ですか?
最大積載量が5トン以上の不整地運搬車に荷を積む作業と荷を卸す作業が対象です。昇降設備は第151条の45、保護帽は第151条の52に定められています。
不整地運搬車の自主検査は、どのくらいの頻度で行いますか?
1か月を超えない期間ごとに1回(第151条の54)と、2年を超えない期間ごとに1回(第151条の53)の2種類です。このほかに、その日の作業を開始する前の点検があります(第151条の57)。記録は3年間保存します。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の2・第151条の3・第151条の10(車両系荷役運搬機械等の定義・作業計画・荷の積載)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の43〜第151条の49・第151条の52(不整地運搬車の灯火・昇降設備・繊維ロープ・積卸し・中抜き・保護帽)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の50・第151条の51(不整地運搬車の荷台への乗車制限)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第151条の53〜第151条の58(不整地運搬車の定期自主検査・特定自主検査・点検・補修)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年1月20日)