この記事の対象:特定技能外国人の賃金の決め方を確認する受入れ企業の担当者
第27条は、出来高払制などの労働者に、労働時間に応じた一定額の賃金を保障する義務
労働基準法第27条は、出来高払制その他の請負制で使用する労働者について、使用者は労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならないと定めています。
第27条は「労働者」を対象とし、国籍による区別を設けていません。特定技能外国人にも、日本人の労働者と同じ規定がそのまま当てはまります。
違反した場合の罰則は、第120条第1号により、30万円以下の罰金です。第27条は、第120条第1号に列挙されています。
| 要素 | 条文の内容 |
|---|---|
| 対象 | 出来高払制その他の請負制で使用する労働者 |
| 使用者の義務 | 労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない |
| 罰則 | 第120条第1号により、30万円以下の罰金 |
保障する額は、第27条には書かれていない
第27条は「労働時間に応じ一定額」の保障を求めていますが、その額の計算方法や割合は、条文に書かれていません。
このガイドは、条文の確認だけを行っています。額の目安に関する厚生労働省の通達は、原文を確認できていないため、数値は書いていません。
賃金の額の決め方は、雇用契約書や賃金規程の定めと、厚生労働省や労働基準監督署の案内を確認してください。個別の扱いは社会保険労務士などの専門家に確認してください。
出来高払制の賃金も、第11条の「賃金」に含まれる
第11条は、賃金を、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものと定めています。
出来高に応じた支払いが賃金に当たるかどうかは、名称ではなく、労働の対償として支払われるかどうかで判断される条文の書き方です。
特定技能外国人の報酬は、基準省令第1条第1項第3号により、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることが求められます。出来高払制を採る場合も、この要件は別に確認します。
男女の賃金の差別的取扱いの禁止は、男女同一賃金の原則(労基法第4条)で確認できます。
出来高払制でも、最低賃金額以上の支払いは別に必要
最低賃金法第3条は最低賃金額を時間によって定めるとし、第4条第1項は、最低賃金の適用を受ける労働者に最低賃金額以上の賃金を支払うよう使用者に求めています。
第27条の保障給は「一定額」の保障であり、最低賃金法の水準を満たすかどうかは別の問題です。第4条第2項は、最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約は、その部分について無効とし、最低賃金と同様の定めをしたものとみなすと定めています。
同条第3項は、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金など、厚生労働省令などで定める賃金を最低賃金の算入から除くと定めています。出来高に応じた賃金のどの部分が算入されるかは、条文だけでは決まらないため、都道府県労働局や労働基準監督署の案内で確認してください。
| 条 | 条文の内容 |
|---|---|
| 労働基準法第27条 | 労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない(額は条文に書かれていない) |
| 最低賃金法第3条 | 最低賃金額は、時間によって定める |
| 最低賃金法第4条第1項・第2項 | 最低賃金額以上の賃金を支払う義務。達しない部分の労働契約は無効 |
派遣先の事業に適用される条の列挙に、第27条は含まれていない
労働者派遣法第44条第2項は、派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用する労働基準法の条を列挙しています。
列挙されているのは、第7条、第32条、第33条から第35条まで、第36条第1項と第6項などで、第27条は含まれていません。
派遣形態の特定技能外国人に出来高払制を用いる場合に、派遣元と派遣先のどちらが義務を負うかは、条文ごとの責任分担を別のガイドで確認してください。
第44条の全体は、労働者派遣での労働基準法の責任分担で確認できます。
受入れ企業が点検する項目
条文に照らして点検できるのは、出来高払制や請負制の賃金を採る労働者について、労働時間に応じた一定額の保障が賃金の定めに入っているかの1点です。
従業員が違反行為をした場合、第121条により、事業主にも罰金刑が科されます。ただし、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合は除かれます。
労働基準法第104条第1項は、事業場にこの法律に違反する事実がある場合、労働者がその事実を行政官庁または労働基準監督官に申告できると定めています。同条第2項は、申告したことを理由とした解雇その他の不利益な取扱いを禁じています。
この点検は条文との照らし合わせにとどまります。賃金の定めが第27条に適合するかどうかの個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。
- 出来高払制や請負制で働く特定技能外国人がいるか確認したか
- その労働者の賃金の定めに、労働時間に応じた一定額の保障が入っているか
- 報酬が日本人が従事する場合と同等以上であるか、別に確認したか
- 申告したことを理由に、不利益な取扱いをしていないか
よくある質問
労働基準法第27条は、何を使用者に求めていますか?
出来高払制その他の請負制で使用する労働者について、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をすることです。違反には、第120条第1号により30万円以下の罰金が定められています。
保障する額は、第27条に書かれていますか?
書かれていません。条文は「労働時間に応じ一定額」の保障を求めるだけで、額の計算方法や割合は定めていません。個別の扱いは専門家に確認してください。
特定技能外国人にも第27条は適用されますか?
第27条は「労働者」を対象としており、国籍による区別はありません。特定技能外国人にも、日本人の労働者と同じ規定が当てはまります。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)(確認日:2026年10月8日、次回確認:2027年1月8日)
- e-Gov法令検索「労働基準法」第104条(監督機関に対する申告)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年1月26日)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日、次回確認:2026年12月6日)
- e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(確認日:2026年10月21日、次回確認:2027年1月21日)
- e-Gov法令検索「最低賃金法」(確認日:2026年10月10日、次回確認:2027年2月7日)