この記事の対象:プレス機械・フォークリフト・建設機械・換気装置などを使う職場で、特定技能外国人を受け入れる企業の安全衛生担当者
第45条は、定期に自主検査を行い、結果を記録することを事業者に求めている
労働安全衛生法第45条第1項は、ボイラーその他の機械等で政令で定めるものについて、事業者が厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行い、その結果を記録しておくよう定めています。
自主検査は、法令に基づく義務の検査です。「自主」と付いていても、行うかどうかを事業者が選べるものではありません。
自主検査のうち省令で定めるものは「特定自主検査」と呼ばれ、第2項が実施できる人を限っています。第3項は、特定自主検査を厚生労働大臣の定める基準に従って行うよう求めています。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 第1項 | 政令で定める機械等について、定期に自主検査を行い、結果を記録する |
| 第2項 | 政令で定める機械等の特定自主検査は、資格のある事業者本人・資格のある自社の労働者・登録を受けた検査業者のいずれかが行う |
| 第3項 | 特定自主検査は、厚生労働大臣の定める基準に従って行う |
| 第4項・第5項 | 厚生労働大臣が自主検査指針を公表し、必要があれば事業者や検査業者に指導等を行う |
対象の機械等は、施行令第15条第1項が一覧にしている
法第45条第1項の政令で定める機械等は、労働安全衛生法施行令第15条第1項が列挙しています。
第1号は、特定機械等(ボイラー、第一種圧力容器、一定のつり上げ荷重以上のクレーンなど)を含む、施行令の他の条に掲げる機械等を引いています。第2号以下には、動力により駆動されるプレス機械、シャー、遠心機械、化学設備、アセチレン溶接装置とガス集合溶接装置、乾燥設備などが並びます。
局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置は、厚生労働省令で定めるものが対象です。特定化学設備と、透過写真の撮影に用いるガンマ線照射装置も挙げられています。
自社の機械が対象に当たるかは、機械の種類と能力で決まります。このガイドは一覧の主な項目の紹介にとどまるため、個別の機械は労働基準監督署に確認してください。
プレス機械の点検の決まりは、プレス機械の安全で確認できます。
| 号 | 対象 |
|---|---|
| 第2号 | 動力により駆動されるプレス機械 |
| 第3号 | 動力により駆動されるシャー |
| 第4号 | 動力により駆動される遠心機械 |
| 第5号 | 化学設備(配管を除く)とその附属設備 |
| 第6号 | アセチレン溶接装置とガス集合溶接装置 |
| 第7号 | 乾燥設備とその附属設備 |
| 第9号 | 局所排気装置、プッシュプル型換気装置などで省令で定めるもの |
| 第10号 | 特定化学設備とその附属設備 |
特定自主検査の対象は、プレス機械・フォークリフト・不整地運搬車など
法第45条第2項の政令で定める機械等は、施行令第15条第2項が、施行令第13条第3項の第8号・第9号・第33号・第34号に掲げる機械等と、第15条第1項第2号のプレス機械としています。
施行令第13条第3項の第8号はフォークリフト、第9号は別表第七に掲げる建設機械で動力を用い不特定の場所に自走できるもの、第33号は不整地運搬車、第34号は作業床の高さが2メートル以上の高所作業車です。
第2項が実施できる人を限っているのは、特定自主検査だけです。事業者本人(法人は代表者または役員)で省令の資格を有する者が自ら実施するか、省令の資格を有する自社の労働者、または登録を受けた検査業者に実施させます。
検査業者になろうとする者は、第54条の3により、厚生労働省または都道府県労働局に備える検査業者名簿への登録が必要です。
高所作業車の運転や作業計画は、高所作業車の安全で確認できます。
| 区分 | 機械等 |
|---|---|
| 施行令第13条第3項第8号 | フォークリフト |
| 同第9号 | 別表第七に掲げる建設機械で、動力を用い、不特定の場所に自走できるもの |
| 同第33号 | 不整地運搬車 |
| 同第34号 | 作業床の高さが2メートル以上の高所作業車 |
| 施行令第15条第1項第2号 | 動力により駆動されるプレス機械 |
具体例:フォークリフトは年次・月次の検査、記録は3年、検査標章を貼る
労働安全衛生規則は機械ごとに検査の頻度と項目を定めています。フォークリフトの場合、第151条の21は1年を超えない期間ごとに1回の定期自主検査を求めています。
第151条の22は、1月を超えない期間ごとに1回、制動装置・クラッチ・操縦装置、荷役装置と油圧装置、ヘッドガードとバックレストの異常の有無を検査するよう求めています。1年を超える期間または1月を超える期間使用しない場合は、その使わない期間は検査が要りません。使用を再び始めるときに検査します。
第151条の23は、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した者の氏名、補修等の措置の内容を記録して、3年間保存するよう求めています。第151条の24第5項は、自主検査を行ったときに、見やすい箇所に特定自主検査を行った年月が分かる検査標章を貼り付けるよう求めています。
フォークリフトの運転と点検の全体は、フォークリフトの点検と運転の決まりで確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年次の検査 | 1年を超えない期間ごとに1回(原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、荷役装置、油圧装置、電気系統、車体など9項目) |
| 月次の検査 | 1月を超えない期間ごとに1回(制動装置・クラッチ・操縦装置、荷役装置・油圧装置、ヘッドガード・バックレスト) |
| 記録 | 検査年月日・方法・箇所・結果・実施者の氏名・補修等の内容を3年間保存 |
| 検査標章 | 特定自主検査を行った年月が分かる標章を見やすい箇所に貼り付ける |
第45条に違反すると、50万円以下の罰金の対象になる
第120条第1号は、第45条第1項または第2項の規定に違反したとき、違反行為をした者を50万円以下の罰金に処すると定めています。
機械の点検が行われていない事実があるとき、作業に従事する人は、第97条第1項により労働基準監督署などへ申告できます。事業者が申告を理由に解雇その他の不利益な取扱いをすることは、同条第2項で禁じられています。
検査を検査業者に実施させた場合、規則第151条の24第4項により、記録の「検査を実施した者の氏名」は「検査業者の名称」と読み替えます。
自社の機械について点検する項目
条文に照らして点検できるのは、対象の機械がないか、頻度どおりに検査しているか、実施者の資格があるか、記録を残しているかの4点です。
プレス機械やフォークリフトなどを使っている場合は、検査の頻度と記録の保存期間を、機械ごとの規則の条文で確かめます。特定自主検査は、実施者の資格を確かめるか、登録を受けた検査業者に実施させます。
この整理は条文との照らし合わせにとどまります。機械ごとの検査項目と頻度、実施者の資格の具体的な中身は、所轄の労働基準監督署に確認してください。
- 使っている機械等が、施行令第15条の対象に当たるか確認した
- 検査の頻度(年次・月次など)を機械ごとに把握している
- 特定自主検査の実施者が、資格のある自社の労働者か登録を受けた検査業者か確かめた
- 検査年月日・結果・実施者・補修内容を記録して保存している
- 特定自主検査をした機械に、検査標章を貼り付けている
よくある質問
自主検査は、やらなくても罰則はありませんか?
第45条は事業者に自主検査を義務づけており、第120条第1号が、第45条第1項または第2項に違反したときの罰則として50万円以下の罰金を定めています。
特定自主検査は、自社の従業員が行えますか?
第45条第2項により、事業者本人(法人は代表者または役員)で省令の資格を有する者、省令の資格を有する自社の労働者、登録を受けた検査業者のいずれかが実施します。資格の中身は機械ごとの規則で確認します。
特定自主検査の対象には、何がありますか?
施行令第15条第2項により、フォークリフト、別表第七の建設機械で自走できるもの、不整地運搬車、作業床の高さ2メートル以上の高所作業車、動力により駆動されるプレス機械です。
フォークリフトの検査記録は、どれだけ保存しますか?
労働安全衛生規則第151条の23により、検査年月日、方法、箇所、結果、実施者の氏名、補修等の内容を記録して3年間保存します。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第15条(定期に自主検査を行うべき機械等)(確認日:2026年10月30日、次回確認:2027年1月30日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第97条(申告)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年1月27日)