この記事の対象:建設、設備保守、ビルクリーニングなどで高所作業車を使う現場に特定技能外国人を配置する企業の人事・労務・安全衛生担当者

作業計画・作業指揮者・転倒防止・合図

高所作業車を使って作業するときは、先に作業計画を定め、指揮者を置きます。条文は労働安全衛生規則第194条の9から第194条の12です。

第194条の9は、道路上の走行を除く高所作業車の作業について、作業場所の状況と高所作業車の種類・能力に合った作業計画を事前に定め、その計画どおりに作業することを求めています。計画には作業の方法を示し、示した事項を関係労働者に周知します。

第194条の10は、作業の指揮者を定め、作業計画に基づいて指揮させることを求めています。第194条の11は、転倒や転落を防ぐために、アウトリガーの張り出し、地盤の不同沈下の防止、路肩の崩壊の防止などの措置を求めています。

第194条の12は、作業床以外の場所で作業床を操作する場合に、作業床の上の労働者と操作する人の連絡を確実にするため、一定の合図を定め、合図を行う人を指名することなどを求めています。

  • 場所の状況と機種・能力に合う作業計画を作業の前に定めた
  • 計画に作業の方法を示し、関係労働者に周知した
  • 作業の指揮者を定め、計画に基づいて指揮させている
  • アウトリガーの張り出し、地盤と路肩の崩壊の防止を確認した
  • 作業床以外で操作する場合の合図と、合図を行う人を決めた

走行・運転位置を離れるとき・搭乗の制限

走行や運転位置を離れるとき、荷台への積卸しのときの決まりは、第194条の8、第194条の13から第194条の15、第194条の20、第194条の21にあります。

第194条の8は、運行の用に供するものを除く高所作業車に前照灯と尾灯を備えることを求めています。走行の作業を安全に行うために必要な照度が保たれている場所で使う場合は、この限りではありません。

第194条の13は、運転者が走行のための運転位置を離れるとき、作業床を最低降下位置に置くこと、原動機を止めてブレーキを確実にかけるなど逸走を防ぐ措置を講じることを求めています。作業床に労働者が乗って作業中、または作業しようとしている場合は、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかけるなどの措置を講じさせます。

第194条の14は、貨物自動車へ自走またはけん引で積み卸しするときに道板や盛土を使う場合、平坦で堅固な場所で行うこと、十分な長さ・幅・強度の道板を適当なこう配で確実に取り付けることなどを求めています。

第194条の15は、作業従事者を乗車席と作業床以外の場所に乗せてはならないと定めています。第194条の20は、作業床で走行の操作をする構造のものを除き、走行させるときに作業床へ作業従事者を乗せてはならないと定めています。

ただし、平坦で堅固な場所で、誘導者の配置、合図、制限速度の設定の3つを講じた場合は例外です。第194条の21は、作業床で走行の操作をする構造のものを平坦で堅固な場所以外で走行させるときに、誘導者と合図、制限速度を求めています。

高所作業車の走行と搭乗に関する主な条文
場面条文主な内容
運転位置を離れる第194条の13作業床に労働者がいない場合は、作業床を最低降下位置に置き、原動機を止めてブレーキをかけるなど逸走を防ぐ。作業床で作業中はブレーキなどの措置
トラックへの積卸し第194条の14平坦で堅固な場所、十分な長さ・幅・強度の道板を適当なこう配で取り付ける
乗せる場所第194条の15乗車席と作業床以外には乗せない
走行中の作業床第194条の20原則として作業従事者を乗せない。平坦で堅固な場所なら誘導者・合図・制限速度を条件に例外
作業床で走行を操作する型第194条の21平坦で堅固な場所以外では誘導者・合図・制限速度の措置

使用の制限・修理・墜落制止用器具

能力を超える使用や主たる用途以外の使用の禁止、修理の指揮、墜落制止用器具は、第194条の16から第194条の19、第194条の22に定められています。

第194条の16は、積載荷重(作業床に人や荷を乗せて上昇させることができる最大の荷重)その他の能力を超えて使用してはならないと定めています。第194条の17は、荷のつり上げなど主たる用途以外の用途に使用してはならないと定めています。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは例外です。

第194条の18は、修理や作業床の装着・取り外しの作業で、指揮する人を定め、作業手順の決定と直接の指揮、安全支柱や安全ブロックなどの使用状況の監視を行わせることを求めています。第194条の19は、ブーム等を上げた下で修理や点検をするとき、ブーム等が不意に降下する危険を防ぐため、安全支柱や安全ブロックなどを使わせることを求めています。

第194条の22は、作業床が接地面に対して垂直にのみ上昇・下降する構造のものを除き、作業床上の労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させることを求めています。労働者本人にも使用する義務があります。運転に必要な資格は、就業制限・特別教育・作業主任者を整理した別のガイドで確認できます。

月次・年次の自主検査、作業開始前点検、記録

高所作業車は、1年以内ごとと1か月以内ごとの自主検査に加え、その日の作業の前に点検します。条文は第194条の23から第194条の28です。

第194条の23は、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行うことを求めています。検査事項は、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、作業装置、油圧装置、電気系統、車体・安全装置・警報装置などの異常の有無の9つです。

第194条の24は、1か月以内ごとに1回、制動装置・クラッチ・操作装置、作業装置・油圧装置、安全装置の異常の有無を検査することを求めています。どちらも、1年または1か月を超えて使用しない期間は検査を要さず、使用を再開するときに行います。

第194条の25は、この2つの自主検査を行ったとき、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した人の氏名を記録し、検査の結果に基づいて補修などの措置を講じたときはその内容も記録して、3年間保存することを求めています。

第194条の26は、高所作業車の特定自主検査を第194条の23の年次の自主検査とし、自主検査を行ったときは、見やすい箇所に特定自主検査を行った年月が分かる検査標章を貼り付けることを求めています。検査業者に実施させた場合は、記録の「検査を実施した者の氏名」が「検査業者の名称」になります。

第194条の27は、その日の作業を始める前に、制動装置、操作装置、作業装置の機能を点検することを求めています。第194条の28は、これらの検査や点検で異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じることを求めています。

高所作業車の検査・点検の種類
種類条文頻度主な内容
作業開始前点検第194条の27その日の作業の前制動装置、操作装置、作業装置の機能
月次の自主検査第194条の241か月以内ごとに1回制動装置・クラッチ・操作装置、作業装置・油圧装置、安全装置
年次の自主検査(特定自主検査)第194条の23・第194条の261年以内ごとに1回原動機から計器まで9項目。検査標章を貼り付ける
記録第194条の25検査のたび6項目を記録して3年間保存
  • その日の作業の前に、制動装置・操作装置・作業装置の機能を点検している
  • 1か月以内ごとと1年以内ごとの自主検査の予定を管理している
  • 検査の記録(6項目)を3年間保存している
  • 年次の検査後、検査標章を見やすい箇所に貼り付けた
  • 異常を認めたら直ちに補修している

よくある質問

高所作業車の自主検査は、どのくらいの頻度で行いますか?

第194条の23は1年以内ごとに1回、第194条の24は1か月以内ごとに1回の定期の自主検査を求めています。これとは別に、第194条の27は、その日の作業を始める前の点検を求めています。

作業床に人を乗せたまま、高所作業車を走行させてもよいですか?

第194条の20は、作業床で走行の操作をする構造のものを除き、走行させるときに作業床へ作業従事者を乗せてはならないと定めています。平坦で堅固な場所で、誘導者の配置、合図、制限速度の設定を講じた場合は例外です。作業床で走行を操作する構造のものは、平坦で堅固な場所以外で走行させるときに、第194条の21の措置が必要です。

高所作業車で荷をつり上げてもよいですか?

第194条の17は、荷のつり上げなど主たる用途以外の用途に使用してはならないと定めています。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは例外です。個別の作業が例外に当たるかは、労働基準監督署などに確認してください。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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