この記事の対象:特定技能外国人の在留諸申請や定期届出の書類をそろえる法人の受入れ機関の総務・人事担当者、書類を確認する登録支援機関の担当者
誓約書で住民票の写しに代えられる役員
入管庁の運用要領(令和8年8月版)は、受入れ機関が欠格事由に当たらないことの確認書類として、法人の場合に登記事項証明書と役員の住民票の写しを挙げています。
役員については住民票の写しの提出が原則です。ただし、特定技能外国人の受入れに関する業務の執行に直接的に関与しない役員は、住民票の写しに代えて、誓約書(参考様式第1-23号)の提出で代えられます。運用要領は、住民票の写しの提出を省略する役員がいる場合の確認対象の書類として、この様式を挙げています。
運用要領は、全ての役員が直接関与しないとして誓約書を出すことはできず、誓約書を出した役員でも審査の過程で住民票の写しの追加提出を求められる場合がある、とも書いています。誓約書は、直接関与しない旨と欠格事由に当たらない旨を、受入れ機関が確認して誓約するものです。
様式の末尾の署名欄は、受入れ機関の名称と作成責任者の役職・氏名です。役員本人が署名する書式ではありません。
| 役員の区分 | 出す書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 受入れ業務の執行に関与する役員 | 住民票の写し | マイナンバーの記載がないもの。日本人は本籍の記載があるもの |
| 受入れ業務の執行に直接的に関与しない役員 | 住民票の写しに代えて、誓約書(第1-23号)にその役員の氏名を載せる | 受入れ機関が、直接関与しない旨と欠格事由に当たらない旨を確認して誓約する |
| 個人事業主(法人でない場合) | 個人事業主の住民票の写し | 運用要領の確認対象の書類に、この誓約書は挙がっていない |
誓約書に書くのは、役員の氏名の表と3つの確認事項
様式は短く、書くのは役員の氏名の表と、受入れ機関による確認の文言です。
様式の文言は次の3点です。1つ目は、表に挙げた役員が、特定技能外国人の受入れ業務の執行に直接的に関与する役員ではないこと。
2つ目は、その役員について、特定技能基準省令の第2条第1項第4号に定められた欠格事由に当たる者ではないと確認したこと。3つ目は、今後欠格事由に当たるに至ったときは、直ちに出入国在留管理庁に申告するとともに役員の地位を退く必要があることを、その役員に説明していることです。
様式の後ろには、欠格事由を定める省令の条文の抜粋が付いています。記入するのは、役員の氏名(ふりがな付き)、作成日、受入れ機関の名称、作成責任者の役職・氏名です。入管庁の様式一覧では、第1-23号はWord形式で提供されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役員の氏名 | 直接関与しない役員の氏名を、ふりがな付きで表に記載する |
| 確認事項1 | 表の役員は、特定技能外国人の受入れ業務の執行に直接的に関与する役員ではない |
| 確認事項2 | 表の役員は、特定技能基準省令の第2条第1項第4号の欠格事由に当たる者ではないと確認した |
| 確認事項3 | 欠格事由に当たるに至ったときは、直ちに入管庁へ申告し、役員の地位を退く必要があると役員に説明している |
| 作成者 | 作成日、受入れ機関の名称、作成責任者の役職・氏名 |
確認する欠格事由は4つの類型で、いずれも刑の終了などから5年が基準
運用要領は、次のいずれかに当たると欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできないとしています。
4つの類型は、拘禁刑以上の刑に処せられた者、出入国又は労働に関する法律に違反して罰金刑に処せられた者、暴力団関係法令や刑法等に違反して罰金刑に処せられた者、社会保険各法・労働保険各法で事業主としての義務に違反して罰金刑に処せられた者です。いずれも、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者が対象です。
どの法律のどの条文の罰金が対象かは、様式に付いている省令の抜粋に条文ごとに書かれています。労働基準法、最低賃金法、職業安定法、労働者派遣法、技能実習法などの規定が並んでいます。誓約書に氏名を載せる前に、役員本人の状況を確認します。
| 類型 | 対象となる者 | 基準 |
|---|---|---|
| 刑の種類 | 拘禁刑以上の刑に処せられた者 | 執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない |
| 出入国・労働の法令 | 出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者 | 同上 |
| 暴力団関係・刑法等 | 暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者 | 同上 |
| 社会保険・労働保険 | 社会保険各法・労働保険各法で事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者 | 同上 |
誓約が事実と違っていたときは、受入れ機関の欠格事由に当たり得る
運用要領は、誓約書を出した役員について、後の調査で事実と異なると分かった場合の扱いを示しています。
誓約書を提出した役員が、実際には特定技能外国人の受入れに関する業務の執行に直接的に関与していたことが判明した場合や、欠格事由に当たっていたことが判明した場合は、出入国に関する法令に関し不正または著しく不当な行為をした者として、欠格事由に該当し得るとされています。
運用要領の書きぶりは、肩書ではなく実際の関与の有無を基準にしています。実務上の整理として、外国人の採用の判断や契約の決裁に関わる役員は、住民票の写しを出す側に分けておくと、書類の食い違いを避けられます。
- 役員ごとに、受入れ業務の執行に直接関与しているかを実際の役割で分けた
- 誓約書に載せる役員全員について、欠格事由の4類型に当たらないことを役員ごとに確認した
- 関与する役員の住民票の写しは、マイナンバーの記載がないものを取った
- 役員が欠格事由に当たるに至ったとき、入管庁へ申告して役員の地位を退く必要があることを役員に説明した
提出の場面:適格性書類の1つで、省略できる場合は定期届出に添付する
誓約書は、特定技能所属機関の適格性に関する書類(適格性書類)の1つです。
適格性書類には、特定技能所属機関概要書(第1-11-1号)、登記事項証明書、業務執行に関与する役員または個人事業主の住民票の写し、労働保険料・社会保険料・国税・法人住民税または個人住民税の納付に係る資料などが並び、この誓約書も含まれます。
運用要領は、一定の基準を満たす場合に適格性書類の提出を省略できるとしています。省略した適格性書類は、1年に1度提出する定期届出の添付書類として提出します。
定期届出の章では、この誓約書に「法人のみ」と注記があります。省略する場合でも、必要に応じて地方出入国在留管理局から求められたときは提出が必要です。
一定の基準の詳細は、運用要領と入管庁のホームページで確認します。年1回の添付書類の全体は、定期届出の書類のガイドで整理しています。
定期届出の添付書類は定期届出の書類のガイドで確認できます。
よくある質問
役員全員について誓約書で足りますか?
足りません。誓約書で住民票の写しに代えられるのは、特定技能外国人の受入れに関する業務の執行に直接的に関与しない役員だけです。関与する役員は住民票の写しを出します。
個人事業主の場合も誓約書が必要ですか?
運用要領の確認対象の書類は、個人事業主の場合は個人事業主の住民票の写しです。定期届出の章でも、この誓約書には「法人のみ」と注記されています。
誓約した役員が、あとで欠格事由に当たったらどうなりますか?
様式の文言は、直ちに出入国在留管理庁に申告するとともに、役員の地位を退く必要があると役員に説明していることを確認する内容です。実際の対応は、管轄の地方出入国在留管理局に確認してください。
誓約書の様式はどこで入手できますか?
入管庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」の在留諸申請に関する表に、第1-23号として載っています。Word形式で、記載例は同じ表には載っていません。
登録支援機関の役員にも同じ誓約書がありますか?
登録支援機関には別の様式、登録支援機関の役員に関する誓約書(参考様式第2-7号)があります。受入れ機関用の第1-23号とは別の書類です。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の参考様式(全体版)」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2027年1月22日)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(確認日:2026年10月6日、次回確認:2026年12月6日)