この記事の対象:産前産後休業・育児休業に入る特定技能外国人を雇う企業の人事・労務担当者、社会保険の手続きを確認する登録支援機関の担当者
免除されるのは事業主の申出があったときで、本人と事業主の両方の負担分
産前産後休業や育児休業の期間は、事業主が日本年金機構などへ申し出ると、健康保険・厚生年金保険の保険料が被保険者と事業主の両方について免除されます。
日本年金機構の案内は、産前産後休業と育児休業等のどちらも、被保険者が事業主に取得を伝え、事業主が申出書を提出する流れだと説明しています。申出がなければ免除されないため、休業に入る前に担当者が手続きを知っておく必要があります。
条文も同じ構造です。健康保険法第159条・第159条の3と厚生年金保険法第81条の2・第81条の2の2は、事業主が申出をしたときに保険料を徴収しないと定めています。
条文は国籍で扱いを分けていません。社会保険の被保険者である特定技能外国人にも、同じ定めが当てはまります。
| 項目 | 産前産後休業 | 育児休業等 |
|---|---|---|
| 対象の休業 | 出産の日(出産が予定日より後のときは予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産の日後56日までの間で、妊娠または出産を理由に働かなかった期間 | 育児・介護休業法に基づく、満3歳未満の子を養育するための育児休業等(産後パパ育休を含む) |
| 提出する書類 | 産前産後休業取得者申出書 | 育児休業等取得者申出書 |
| 添付書類 | なし | なし |
| 申出の期限 | 休業中、または終了後の終了日から起算して1か月以内 | 休業中、または終了後の終了日から起算して1か月以内 |
| 事業主本人(役員など) | 被保険者であれば免除を受けられる | 通常は育児・介護休業法の労働者に当たらないため申出できない |
産前産後休業は、開始月から終了日の翌日が属する月の前月まで免除される
産前産後休業の免除期間は、休業を開始した日の属する月から、終了する日の翌日が属する月の前月までです。終了日が月の末日のときは、終了した月までです。
日本年金機構の案内は、申出書の提出に際して、休業中の給与が有給か無給かは問わないとしています。出産とは妊娠85日(4か月)以上の分娩を指し、早産、死産、流産、人工妊娠中絶を含むと注記されています。
出産日が予定日とずれた場合や、予定より早く休業を終えた場合は、産前産後休業取得者変更(終了)届を提出します。育児休業の免除と期間が重なるときは、産前産後休業の免除が優先されます。
免除された期間も被保険者の資格は変わらず、将来の年金額を計算するときは保険料を納めた期間として扱われます。休業中に出産育児一時金などの給付が別に必要なときは、それぞれの制度で確認します。
産前産後の休業の決まりは産前産後休業の保護で確認できます。
- 休業の開始日と終了予定日を確認し、免除される月を数えた
- 申出書の提出期限(休業中または終了後1か月以内)を担当者のカレンダーに入れた
- 出産日や休業期間が変わったときの変更(終了)届の担当を決めた
- 育児休業と期間が重なる場合は産前産後休業の免除が優先されることを把握した
育児休業は、同じ月に14日以上あれば免除され、賞与は1か月超が条件
育児休業等の毎月の保険料は、開始した日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月まで免除されます。令和4年10月1日以降に開始した休業は、同じ月の中で14日以上でも免除されます。
開始した日の属する月と、終了日の翌日が属する月が同じ場合でも、その月に14日以上育児休業等を取得していれば免除されます。条文は、この14日の日数を厚生労働省令で定めるところにより計算するとしています。
賞与にかかる保険料は、育児休業等の期間に月末が含まれる月に支給された賞与について免除されます。ただし令和4年10月1日以降に開始した休業は、その賞与月の末日を含む連続した1か月を超える休業を取った場合に限られます。条文は、休業の期間が1か月以下の人は標準報酬月額にかかる保険料に限ると定めています。
連続する2以上の育児休業等は、条文の定めでその全部を1つの育児休業等とみなします。免除の対象は、育児・介護休業法に基づく育児休業等の期間に限られます。
| 休業の期間 | 終了日の翌日 | 免除される月(毎月の保険料) |
|---|---|---|
| 10月20日から11月10日まで | 11月11日 | 10月分(開始月から終了日の翌日の月の前月まで) |
| 10月1日から10月31日まで | 11月1日 | 10月分 |
| 10月1日から10月20日まで(20日間) | 10月21日 | 10月分(開始月と終了日の翌日の月が同じで、14日以上) |
| 10月1日から10月10日まで(10日間) | 10月11日 | 免除なし(同じ月で14日未満) |
申出書は事業主が提出し、休業を早く終えたときは終了届を出す
育児休業等取得者申出書は、事務センターまたは管轄の年金事務所へ、電子申請、郵送、窓口持参(年金事務所のみ)のいずれかで提出します。
育児休業等は、取得するたびに事業主が手続きします。日本年金機構の案内は、1歳までの育児休業、1歳6か月または2歳までの延長、3歳までの育児休業に準ずる措置による休業、産後パパ育休を対象に挙げています。
育児休業等が予定日より前に終わったときは、事業主が育児休業等取得者終了届を提出します。提出の期限や書式、実際に免除される月は、管轄の年金事務所に確認してください。当サイトは個別の事案への助言をしません。
有期契約の特定技能外国人の育児休業の対象は有期契約の育児休業で確認できます。
- 従業員から休業の申し出があったとき、取得する休業の種類と期間を記録した
- 申出書の提出先(事務センターまたは年金事務所)と提出方法を決めた
- 延長や再取得のたびに申出書を出す担当を決めた
- 休業が予定より早く終わったときの終了届の出し方を確認した
- 賞与の支給月と休業の期間を照らし、賞与の保険料の扱いを年金事務所に確認した
よくある質問
休業中の給与が無給でも、保険料の免除は受けられますか?
日本年金機構の産前産後休業の案内は、申出書の提出にあたり休業中の給与が有給か無給かは問わないとしています。免除には事業主の申出が必要です。
育児休業が同じ月の中で終わる場合、免除されますか?
令和4年10月1日以降に開始した育児休業等は、開始した月に14日以上取得していれば、開始月と終了日の翌日の月が同じでも免除されます。
賞与の保険料も免除されますか?
育児休業等は、賞与月の末日を含む連続した1か月を超える休業を取った場合に限り、賞与の保険料が免除されます(令和4年10月1日以降に開始した休業)。
申出書はいつまでに出しますか?
事業主が、休業をしている間か、休業が終わった日から数えて1か月以内に提出します。産前産後休業も育児休業等も同じ期限です。
参照した公的一次資料
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が産前産後休業を取得したときの手続き」(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年1月18日)
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き」(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年1月18日)
- e-Gov法令検索「健康保険法」第159条・第159条の3(育児休業等・産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年2月3日)
- e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第81条の2・第81条の2の2(育児休業期間中・産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年2月4日)