この記事の対象:鉛、鉛合金、鉛化合物を取り扱う業務に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生担当者

鉛作業主任者の選任と職務:毎週1回以上の設備点検を含む

鉛中毒予防規則第33条と第34条は、鉛作業主任者の選任と職務を定めています。

鉛中毒予防規則で「鉛等」とは、鉛、鉛合金、鉛化合物と、これらと他との混合物(焼結鉱、煙灰、電解スライム、鉱さいを除く)をいいます。鉛合金は、鉛を重量の10パーセント以上含む鉛との合金です(第1条)。

事業者は、労働安全衛生法施行令第6条第19号の作業については、鉛作業主任者技能講習を修了した者から鉛作業主任者を選任します(第33条)。技能講習は学科講習で、健康障害とその予防措置、作業環境の改善方法、保護具、関係法令の科目で行われます(第60条)。

鉛作業主任者に行わせる職務は、次の5つです(第34条)。労働者の身体が鉛等でできるだけ汚染されないよう指揮すること。著しく汚染されたのを発見したときは速やかに除去させること。

局所排気装置、プッシュプル型換気装置、全体換気装置、排気筒、除じん装置を毎週1回以上点検すること。保護具等の使用状況を監視すること。令別表第4第9号の鉛業務に労働者が従事するときは、第42条第1項各号の措置が講じられていることを確認することです。

局所排気装置等の年1回の自主検査・記録3年・鉛濃度の測定

第35条と第36条は自主検査と記録を、第52条は作業環境の測定を定めています。

鉛業務に係る局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置については、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行います。1年を超えて使用しない装置の、使用しない期間は除かれます(第35条第2項)。局所排気装置では、フード・ダクト・ファンの摩耗や腐食などの損傷、ダクトと排風機のじんあいのたい積状態、ダクトの接続部の緩み、ベルトの作動状態、吸気と排気の能力などを検査します。

自主検査を行ったときは、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した者の氏名、補修等を講じたときはその内容を記録し、3年間保存します(第36条)。

令第21条第8号の屋内作業場(鉛業務を行う屋内作業場)では、1年以内ごとに1回、定期に空気中の鉛の濃度を測定します。測定のたびに、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果、測定を実施した者の氏名、測定結果に基づいて講じた鉛中毒の予防措置の概要を記録し、3年間保存します(第52条)。

休憩室・洗身・清掃・手洗い・喫煙飲食の禁止・掲示

第45条から第51条の2は、鉛を休憩の場所へ持ち込まないための設備と決まりを定めています。

鉛業務に労働者を従事させるときは、鉛業務を行う作業場以外の場所に休憩室を設けます。入口には足に付いた鉛等を除くため水を流すか十分湿らせたマットを置くなどの設備と衣服用ブラシを備え、床は真空掃除機または水洗で掃除できる構造にします。作業従事者は、休憩室に入る前に作業衣等に付着した鉛等を除去します(第45条)。

呼吸用保護具、保護衣類、作業衣は、他の衣服等から隔離して保管する設備を設けて使わせます(第46条)。粉状の鉛等に係る鉛業務(一部の業務を除く)では、洗身の設備を設け、必要に応じて使わせます(第47条)。

鉛業務を行う屋内作業場と、従事する労働者が利用する休憩室・食堂の床等は、毎日1回以上、真空掃除機または水洗で掃除します(第48条)。手洗い用溶液(硝酸水溶液など)、爪ブラシ、石けん、うがい液を作業場ごとに備え、作業終了後と必要に応じて使わせます(第49条)。作業衣等の汚染を除くため、洗濯のための設備を設けるなどの措置も必要です(第50条)。

鉛業務を行う屋内の作業場所での喫煙と飲食は、見やすい箇所への表示などで禁止します(第51条)。さらに、鉛業務を行う作業場である旨、鉛により生ずるおそれのある疾病の種類と症状、取扱い上の注意事項などを見やすい箇所に掲示します(第51条の2)。

  • 鉛作業主任者を選任し、局所排気装置等の毎週1回以上の点検を行わせている
  • 局所排気装置等の自主検査を1年以内ごとに行い、記録を3年間保存している
  • 鉛業務を行う屋内作業場の鉛濃度を1年以内ごとに測定している
  • 作業場以外の場所に休憩室を設け、入口に足の汚染を除く設備と衣服用ブラシを備えている
  • 床等を毎日1回以上掃除し、手洗い用溶液等を備えている
  • 喫煙・飲食の禁止と、鉛業務を行う作業場である旨などを掲示している

就業禁止と保護具:医師が認めた労働者の配置禁止・呼吸用保護具・作業衣

第57条から第59条は、就業の禁止と、使わせる保護具を定めています。

鉛中毒にかかっている労働者と、健康診断または診断の結果、鉛業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた労働者は、医師が必要と認める期間、鉛業務に従事させてはなりません(第57条第1項)。鉛業務の一部を請負人に請け負わせる場合は、請負人にも、同じ場合は従事してはならない旨を周知させます(同条第2項)。健康診断の時期や記録は、別のガイドで扱います。

令別表第4第9号の鉛業務には、有効な呼吸用保護具と労働衛生保護衣類を使わせます(第58条第1項)。そのほか、鉛の製錬・精錬の工程の一部の業務や、含鉛塗料のかき落とし(湿式以外の方法)などに労働者を従事させるときは、有効な呼吸用保護具を使わせます(同条第3項)。換気装置を設けて稼動させているときは除かれる業務も、条文に定められています(同条第5項)。

粉状の鉛等を取り扱う鉛業務(一部を除く)では、作業衣を着用させます。労働衛生保護衣類を着用させるときは、作業衣は不要です(第59条第1項)。従事する労働者は、その間、作業衣または保護衣類を着用します(同条第3項)。

鉛中毒予防規則の主な義務と頻度
項目根拠頻度・期間
局所排気装置等の点検(鉛作業主任者)規則第34条毎週1回以上
局所排気装置等の自主検査規則第35条1年以内ごとに1回
自主検査・測定の記録の保存規則第36条・第52条3年間
空気中の鉛濃度の測定規則第52条1年以内ごとに1回
床等の掃除規則第48条毎日1回以上

よくある質問

鉛作業主任者には何を行わせる必要がありますか?

労働者の身体が鉛等で汚染されないよう指揮すること、汚染の除去、局所排気装置などの毎週1回以上の点検、保護具の使用状況の監視などです(第34条)。鉛作業主任者技能講習を修了した者から選任します(第33条)。

局所排気装置の自主検査はどのくらいの頻度で、記録はどれだけ保存しますか?

1年以内ごとに1回、定期に行い、検査年月日・方法・箇所・結果・実施者の氏名などを記録して3年間保存します(第35条・第36条)。

鉛業務を行う作業場での喫煙や飲食はできますか?

鉛業務を行う屋内の作業場所での喫煙と飲食は、表示などの方法で禁止し、作業従事者も喫煙・飲食してはなりません(第51条)。休憩室は作業場以外の場所に設けます(第45条)。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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