この記事の対象:ボンベなどの高圧ガス容器を使う現場に特定技能外国人を配置する企業の安全衛生・総務担当者

高圧ガスに当たる圧力:圧縮ガス1MPa、アセチレン0.2MPa、液化ガス0.2MPa

高圧ガス保安法の「高圧ガス」は、ガスの種類と圧力で決まります(第2条)。ボンベに入った酸素や窒素、アセチレンの多くが当たります。

圧縮ガスは、常用の温度で圧力が1メガパスカル以上のものです。圧縮アセチレンガスは0.2メガパスカル以上、液化ガスは常用の温度で0.2メガパスカル以上のものが対象です。

鉄道車両のエアコン内、航空機内、高圧ボイラー内の蒸気などは適用除外です(第3条)。内容積1デシリットル以下の容器など、一部の規定が適用されない容器もあります。

溶接で使う酸素やアセチレンのボンベは、溶接作業の安全衛生の規則とは別に、この法律の貯蔵の基準も受けます。作業の安全は別のガイドで整理しているため、ここでは置場と届出に絞ります。

貯蔵の基準:容器置場で守る主な基準

高圧ガスの貯蔵は、経済産業省令で定める技術上の基準に従ってしなければなりません(法第15条第1項)。

容器で貯蔵する場合の基準は、一般高圧ガス保安規則第18条と、容器置場と充塡容器等を定める同規則第6条第2項第8号にあります。可燃性ガスや毒性ガスの容器は、通風の良い場所に置きます。

中身が入った容器と空になった容器、可燃性ガスと酸素などは、それぞれ区分して置きます。容器置場の周囲2メートル以内は、火気の使用を禁じ、引火性や発火性の物を置きません(容器と火気の間を有効に遮る措置をとった場合を除く)。

充塡容器等は、常に温度40度以下に保ちます。内容積が5リットルを超えるものは、転落や転倒によるバルブの損傷を防ぐ措置をとり、粗暴な取扱いをしません。

容器置場の主な基準(一般高圧ガス保安規則第6条第2項第8号・第18条)
守ること内容
置き方充塡容器と残ガス容器、可燃性ガス・毒性ガス・特定不活性ガス・酸素を、それぞれ区分して置く
火気容器置場の周囲2メートル以内は火気の使用を禁じ、引火性・発火性の物を置かない
温度充塡容器等を常に40度以下に保つ
転倒・衝撃内容積5リットルを超える容器は、転落・転倒の衝撃とバルブの損傷を防ぐ措置をとる
置場の物計量器など作業に必要な物以外を置かない
可燃性ガスの置場携帯電燈以外の燈火を持って立ち入らない
  • 容器置場の周囲2メートル以内に火気と引火物が無い
  • 充塡容器と残ガス容器を分けて置いている
  • 容器が転倒しない措置をしている
  • 直射日光や暖房で容器が40度を超えない
  • 可燃性ガスの置場に火気を持ち込まない約束を伝えた

貯蔵所の許可・届出と特定高圧ガスの消費届

貯蔵する高圧ガスが一定の量に達すると、貯蔵所の許可または届出が必要です。

容積300立方メートル以上の高圧ガスを貯蔵するときは、あらかじめ都道府県知事の許可を受けた第一種貯蔵所か、届け出た第二種貯蔵所で貯蔵します(法第16条・第17条の2)。政令で定めるガスの種類は、第一種貯蔵所の基準が300を超える値で定められています。

液化ガスは、10キログラムを容積1立方メートルとみなして数えます(法第16条第3項)。高圧ガス保安協会の解説では、300立方メートル以上で第一種貯蔵所に当たらない貯蔵は、第二種貯蔵所で行うとされています。

圧縮モノシランや、相当程度を貯蔵して消費する液化酸素などの特定高圧ガスについて、貯蔵設備の貯蔵能力が政令で定める数量以上の人(導管で供給を受ける人を含む)は、消費開始の20日前までに、事業所ごとに都道府県知事へ届け出ます(法第24条の2)。対象の種類と数量は政令で決まるため、使うガスと量が当たるかどうかは、都道府県の高圧ガス担当部署に確認します。

  1. ガスの種類と貯蔵量を数える

    ガスごとに、貯蔵する量を立方メートルで数えます。液化ガスは10キログラムを1立方メートルとみなします。

  2. 300立方メートルに近いかを確かめる

    近いときは、許可か届出が要るかを都道府県の担当部署へ事前に確かめます。

  3. 特定高圧ガスを使うかを確かめる

    使う場合は、消費開始の20日前までの届出が必要かを確認します。

災害・盗難・紛失のときは、遅滞なく届け出る

高圧ガスを貯蔵し、または消費する人は、次の場合に、遅滞なく都道府県知事か警察官へ届け出なければなりません(法第63条第1項)。

届出が要るのは、所有または占有する高圧ガスについて災害が発生したときと、高圧ガスや容器を喪失したり盗まれたりしたときです。

都道府県知事などは、災害の場合に、日時、場所、原因、ガスの種類と数量、被害の程度の報告を命じることができます(同条第2項)。どこまでが「喪失」に当たるかは条文に書かれていないため、該当は都道府県の担当部署に確認します。

配置する人には、ボンベの置場、数を確認する担当者、紛失や漏れに気づいたときの連絡先を、作業の前に実物を見せて伝えます。

罰則:基準違反50万円以下・届出の怠り30万円以下

貯蔵の技術上の基準に違反すると、50万円以下の罰金の対象です(法第82条第1号、第15条第1項)。

貯蔵所の届出をしないで貯蔵したときや、特定高圧ガスの消費の届出をしないで消費したとき、事故届をしなかったときは、30万円以下の罰金の対象です(法第83条)。

都道府県知事は、貯蔵所の所有者または占有者の貯蔵が技術上の基準に適合していないと認めるときは、基準に従って貯蔵するよう命じることができます(法第15条第2項)。

高圧ガスの量や種類によって必要な手続きは変わるため、個別の事業所が当たるかどうかは、管轄の都道府県の高圧ガス担当部署に確認します。

よくある質問

溶接用の酸素とアセチレンのボンベは、高圧ガス保安法の対象ですか?

圧縮ガスは常用の温度で1メガパスカル以上、圧縮アセチレンガスは0.2メガパスカル以上のものが高圧ガスにあたります(第2条)。現にその圧力のボンベは対象になり、貯蔵は容器置場の基準を受けます。

ボンベ置場では、火気をどのくらい離しますか?

一般高圧ガス保安規則では、容器置場の周囲2メートル以内で火気の使用を禁じ、引火性や発火性の物を置かないこととされています。不活性ガス(特定不活性ガスを除く)と空気の置場は、この2メートルの規定の対象から除かれています。

ボンベが1本なくなったときは届出が必要ですか?

高圧ガスを貯蔵または消費する人が、容器を喪失したり盗まれたりしたときは、遅滞なく都道府県知事か警察官へ届け出る定めです(第63条第1項)。該当するかは、都道府県の担当部署に確認します。

貯蔵量が少なければ、何もしなくてよいですか?

貯蔵所の許可・届出は300立方メートル以上が目安ですが、貯蔵の技術上の基準(第15条)は量が少なくても受けます。ごく少量を適用から除く省令の定めがあるため、当たるかは担当部署に確認します。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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