この記事の対象:特定技能外国人に雇入れ時の安全衛生教育を行う企業の人事・現場責任者、登録支援機関
教材は5つの区分に分かれている
厚生労働省の「外国人労働者の安全衛生管理」のページは、事業者が活用できる教材や資料を、次の区分で掲載しています。
区分は、手引き等、安全衛生教育(教材)、技能講習補助教材、外国人労働者による労働災害防止のための表示(イラスト、注意喚起文)、外国人特別相談・支援室です。ページには、外国人労働者を雇用している事業者はこれらを活用して労働災害防止に取り組むよう書かれています。
雇入れ時の教育そのものに使うのは、主に「安全衛生教育(教材)」です。技能講習補助教材は、登録教習機関向けと書かれているため、受け入れ企業が自社の教育にそのまま使う資料ではありません。
教育の義務と8項目そのものは、雇入れ時の安全衛生教育のガイドで確認できます。
| 区分 | ページの説明 | 企業が使う場面 |
|---|---|---|
| 手引き等 | 外国人労働者安全衛生管理の手引き(全体版・概要版)、未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル(英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語) | 教育の進め方を決める |
| 安全衛生教育(教材) | マンガでわかる働く人の安全と健康、業種別の教材、基本のテキスト | 本人に見せて教育する |
| 技能講習補助教材 | 主要な技能講習の外国語補助テキストや講習用パワーポイント(登録教習機関向け) | 講習を受けさせる前に、受講先の対応を確認する |
| 表示(イラスト、注意喚起文) | 機械等の危険を視覚的に伝えるイラストと外国語の注意喚起文(食料品製造業等向け、金属製品製造業等向け) | 職場の掲示や標識に使う |
| 外国人特別相談・支援室 | 安全衛生教育や労働災害防止対策の質問に答える窓口。相談・個別支援は無料 | 教育の進め方に迷ったとき |
マンガ教材:業種共通の入口として使う
「マンガでわかる働く人の安全と健康」は、働く人の安全と健康について初めて学ぶ人向けに、厚生労働省が作った視聴覚教材(漫画教材)です。
ページの説明は、外国人労働者等に適切な安全衛生教育が実施されるよう作った教材だとしています。業種ごとの教材のほか、業種共通の教材が1種類あります。
対応言語と教材の数は、掲載しているページによって書き方が違います。「外国人労働者の安全衛生管理」のページは11言語・8業種と業種共通、マンガ教材のページは14言語(一部11言語)・業種や作業、危険有害要因の17種類と業種共通1種類と書いています。ダウンロードする前に、マンガ教材のページで自社の業種と母国語の組合せがあるかを確かめてください。
マンガ教材のページには、介護業、ビルクリーニング業、製造業、自動車整備業、宿泊業、飲食料品製造業、外食業、陸上貨物運送事業、溶接業、塗装などのほか、フォークリフトやクレーン・玉掛け作業、化学物質取扱い、交通労働災害といった作業・危険有害要因別の名前も並んでいます。
業種別の教材:建設業・農業・漁業・造船・舶用工業
「業種別の教材」のページには、建設業、農業、漁業、造船・舶用工業の4業種について、外国人労働者向けの映像教材とテキストが載っています。
言語は、日本語、英語、インドネシア語、中国語、ベトナム語、フィリピノ語(タガログ語)、モンゴル語、タイ語、カンボジア語、ネパール語、ミャンマー語の11言語が選べる形で並んでいます。農業と漁業の映像教材は、各言語30分程度と書かれ、受託者がアップしたYouTubeの画面に移ります。
建設業は、すべての作業に共通する事項(建設現場全般、メンタルヘルス対策、熱中症対策、電離放射線障害防止対策)と、7つの業務(型枠施工、左官・内装仕上げ、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工・土工・屋根ふき、電気通信、鉄筋施工・鉄筋継手)ごとに、映像教材とテキストを掲載しています。このほか、新規入職者向けと新規入場者向けの教育テキストもあります。
ページに載っていない業種の外国人を雇う場合は、マンガ教材の業種共通版や、同じ作業・危険有害要因の教材を使うことになります。ここに載る4業種の教材が、他の業種でそのまま使えるとは書かれていません。
| 業種 | 映像教材 | テキスト教材 |
|---|---|---|
| 建設業 | 共通事項と7つの業務ごとに掲載 | 映像と合わせて掲載。新規入職者向け・新規入場者向けの教育テキストもあり |
| 農業 | 「安全に農作業するために」(各言語30分程度) | 「安全に農作業するために」を言語ごとに掲載 |
| 漁業 | 漁業(漁船・養殖)労働者の災害防止(各言語30分程度) | 同じ題名のテキストを言語ごとに掲載 |
| 造船・舶用工業 | 「日本へようこそ!造船所・工場ではたらくみなさんへ」 | 同じ題名のテキストを言語ごとに掲載 |
選び方と、教材を使うときの注意
教材を選ぶ順番は、自社の業種、受け入れる人の母国語、使う場面の順に決めると迷いません。
業種別の教材がある4業種は、まずその教材を探します。ない業種は、マンガ教材のページで自社の業種や作業に近いものを探し、見つからなければ業種共通の教材を使います。
教材は、教育の補助です。労働安全衛生規則第35条は、機械等の危険性、保護具、作業手順、作業開始時の点検など、従事する業務に必要な事項を教育するよう定めています。教材に載っていない自社の機械や作業手順は、現場で別に教える必要があります。
基発0328第28号は、外国人労働者への教育を、母国語等や視聴覚教材を用いるなど、本人が内容を確実に理解できる方法で行うよう求めています。教材を見せたあとは、本人が理解できたかを確認する方法も決めておきます。
- 自社の業種に合う業種別の教材またはマンガ教材があるか確かめたか
- 受け入れる人の母国語の版があるか確かめたか
- 教材にない自社の機械や作業手順を、別に教える計画を立てたか
- 教育のあとに、本人の理解を確認する方法を決めたか
- 職場の掲示は、イラストや外国語の注意喚起文を使った表示にしたか
よくある質問
厚生労働省の外国人向け安全衛生教育教材は、無料で使えますか?
ページは、事業者が活用できる教材として掲載しています。利用料の記載は今回確認したページにはありません。各教材の利用条件は、掲載ページで確かめてください。
自社の業種が業種別の教材に載っていないときは、どうしますか?
「業種別の教材」のページが扱う業種は、建設業、農業、漁業、造船・舶用工業です。それ以外は、マンガ教材のページで業種や作業が近いものか、業種共通の教材を探します。
教材を見せれば、雇入れ時の安全衛生教育を行ったことになりますか?
教育の義務を定めているのは労働安全衛生法第59条と規則第35条で、従事する業務に必要な事項を教育します。教材に載らない自社の機械や手順は、別に教える必要があります。
教材の使い方を相談できる窓口はありますか?
厚生労働省のページに、外国人特別相談・支援室があり、安全衛生教育や労働災害防止対策の質問に答え、相談・個別支援は無料と書かれています。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」(多言語の安全衛生教育教材の案内)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- 厚生労働省「業種別の教材」(建設業・農業・漁業・造船・舶用工業の外国人労働者向け教材)(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 厚生労働省「マンガでわかる働く人の安全と健康(教育用教材)」(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 厚生労働省 基発0328第28号「外国人労働者に対する安全衛生教育の推進等について」(平成31年3月28日)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)