この記事の対象:食品工場(飲食料品製造業)に特定技能外国人を配置する企業の人事・労務・安全衛生担当者
切断機・切削機:刃の必要部分以外を覆う
食品を切る機械は、刃の働く部分以外に覆いや囲いを設け、原材料の出し入れで危険のおそれがあるときは運転停止か用具の使用を求められます。
労働安全衛生規則第130条の2は、食品加工用切断機と食品加工用切削機について、刃の切断または切削に必要な部分以外の部分に、覆い、囲い等を設けることを事業者に求めています。
第130条の3は、原材料の送給が自動的に行われる構造のものを除き、原材料を送給するときに労働者に危険を及ぼすおそれがあるなら、機械の運転を停止するか、労働者に用具等を使用させることを求めています。第130条の4は、原材料を取り出すときについて、同じ内容を定めています。
どちらの条も第2項で、用具等の使用を命じられた労働者はこれを使用しなければならないと定めています。
粉砕機・混合機:開口部の転落と接触を防ぐ
食品を砕く、混ぜる機械は、開口部からの転落と、可動部分への接触の二つを防ぐ措置が定められています。
第130条の5第1項は、食品加工用粉砕機または食品加工用混合機の開口部から転落して危険が生ずるおそれがあるとき、蓋、囲い、高さ90センチメートル以上の柵等を設けることを求めています。作業の性質上それが困難な場合に、要求性能墜落制止用器具を使わせるなど転落の危険を防ぐ措置を講じたときは、この限りではありません。
第2項は、開口部から可動部分に接触して危険が生ずるおそれがあるとき、蓋、囲い等を設けることを求めています。第3項は、要求性能墜落制止用器具等の使用を命じられた労働者はこれを使用しなければならないと定めています。
第130条の6は原材料を送給するとき、第130条の7は内容物を取り出すときについて、自動的に行う構造のものを除き、機械の運転を停止するか、労働者に用具等を使用させることを求めています。第130条の6は危険を及ぼすおそれのあるときに限る書き方で、第130条の7にはその限定の文言がありません。
原材料の送給と取出し:四つの条の読み比べ
送給と取出しの条は四つあり、自動の構造を除く点は同じで、「危険のおそれのあるとき」の前提の有無が異なります。
第130条の3(切断機等への送給)、第130条の4(切断機等からの取出し)、第130条の6(粉砕機等への送給)、第130条の7(粉砕機等からの内容物の取出し)は、いずれも、自動的に行われる構造のものを除いて、機械の運転を停止するか、労働者に用具等を使用させることを事業者に求めています。
前提は条ごとに書き方が違います。第130条の3・4・6は、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときが前提です。
第130条の7にはこの文言がありません。四つの条はいずれも第2項で、用具等の使用を命じられた労働者はこれを使用しなければならないと定めています。
| 条 | 作業 | 対象の機械 | 「危険のおそれのあるとき」の前提 |
|---|---|---|---|
| 第130条の3 | 原材料の送給 | 切断機・切削機 | あり |
| 第130条の4 | 原材料の取出し | 切断機・切削機 | あり |
| 第130条の6 | 原材料の送給 | 粉砕機・混合機 | あり |
| 第130条の7 | 内容物の取出し | 粉砕機・混合機 | 文言なし |
ロール機・成形機・圧縮機:危険のおそれのある部分を覆う
ロール機、成形機、圧縮機は、危険のおそれに応じて覆いや囲いを設けることが定められています。
第130条の8は、食品加工用ロール機の労働者に危険を及ぼすおそれのある部分に、覆い、囲い等を設けることを事業者に求めています。切断機のように「必要な部分以外」を覆う書き方ではなく、危険のおそれのある部分を覆う書き方です。
第130条の9は、食品加工用成形機または食品加工用圧縮機に、労働者が身体の一部を挟まれること等により危険を及ぼすおそれがあるとき、覆い、囲い等を設けることを求めています。
| 機械 | 条 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 切断機・切削機 | 第130条の2〜4 | 刃の必要部分以外を覆う。原材料の送給と取出しで危険のおそれがあるとき、運転停止または用具の使用 |
| 粉砕機・混合機 | 第130条の5〜7 | 開口部に蓋・囲い・高さ90cm以上の柵等。可動部分への接触防止。送給(危険のおそれのあるとき)と取出しは運転停止または用具の使用 |
| ロール機 | 第130条の8 | 危険のおそれのある部分に覆い、囲い等 |
| 成形機・圧縮機 | 第130条の9 | 挟まれるおそれがあるとき覆い、囲い等 |
- 切断機・切削機の刃の必要部分以外を覆っている
- 粉砕機・混合機の開口部に蓋・囲い・高さ90cm以上の柵等がある(困難なときは墜落制止用器具等)
- 原材料の送給と内容物の取出しで、運転停止か用具の使用を決めている
- ロール機の危険のおそれのある部分を覆っている
- 成形機・圧縮機に挟まれるおそれがあるとき、覆い、囲い等を設けている
よくある質問
食品加工用以外の切断機や粉砕機にも、この条文は当てはまりますか?
第130条の2から第130条の9は、いずれも「食品加工用」の機械を対象に書かれています。食品以外の機械には別の条文が適用されることがあります。個別の機械が該当するかは、労働基準監督署などに確認してください。
原材料の送給や取出しは、必ず機械を止めて行うのですか?
条文は、自動的に行う構造のものを除き、機械の運転を停止するか、労働者に用具等を使用させることのどちらかを求めています。切断機の送給と取出し(第130条の3・4)と粉砕機の送給(第130条の6)は、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときが前提で、粉砕機の内容物の取出し(第130条の7)にはその限定の文言がありません。
用具等を使うよう命じられた労働者の側にも義務がありますか?
第130条の3・4・6・7は、第2項で、用具等の使用を命じられた労働者はこれを使用しなければならないと定めています。第130条の5第3項も、要求性能墜落制止用器具等の使用を命じられた労働者について同じ趣旨です。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第130条の2〜第130条の4(食品加工用切断機等)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年2月4日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第130条の5〜第130条の7(食品加工用粉砕機等)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年2月5日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第130条の8(食品加工用ロール機)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年2月6日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第130条の9(食品加工用成形機等)(確認日:2026年10月20日、次回確認:2027年2月7日)